相続の必要書類一覧|共通の基礎書類と手続き別の追加書類
相続の必要書類は、どの手続きでも共通して使う『被相続人の出生から死亡までの戸籍』『住民票除票』『相続人全員の戸籍・印鑑証明書』が基礎になります。これに加えて、預貯金の解約・不動産の名義変更(相続登記)・相続税の申告など、手続き先ごとに必要な書類が変わります。まず共通の書類をそろえ、手続き別に追加分を用意するのが、相続をスムーズに進めるコツです。
親が亡くなったあとは、銀行・法務局・税務署・年金事務所など、いくつもの窓口で手続きが必要になります。「どこに何を出せばいいのか」「書類をどこで取るのか」と迷う方に向けて、この記事では相続でそろえる書類を一覧でわかりやすく整理しました。集め方や便利な制度、期限のある手続きまで解説します。
この記事でわかること
- 相続手続きで共通して必要な基礎書類
- 戸籍・印鑑証明などの取得先
- 預貯金・不動産・相続税など手続き別の追加書類
- 法定相続情報一覧図の便利さと期限のある手続き
01
相続手続きで共通して必要な基礎書類
相続では、どの手続きでもおおむね共通して使う書類があります。まずこれをそろえることから始めます。
- 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(除籍・改製原戸籍を含む)
- 被相続人の住民票除票(または戸籍の附票)
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の住民票
- 相続人全員の印鑑証明書
- 遺産分割協議書(遺言書がある場合は遺言書)
この中でも特に大切なのが、被相続人の『出生から死亡までの連続した戸籍』です。これは、相続人が誰なのかを正式に確認するために必要で、亡くなったときの戸籍だけでは足りません。生まれてから亡くなるまでの戸籍をすべてつなげて集めることで、ほかに子どもがいないか、前の結婚での子はいないかといった点まで確認できます。これらの基礎書類は、預貯金の解約でも不動産の名義変更でも、相続税の申告でも土台として使います。
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戸籍・印鑑証明などの取得先
書類は、種類によって取りに行く窓口が違います。どこで何を取れるかを知っておくと、無駄足を防げます。
- 戸籍謄本・除籍・改製原戸籍:本籍地のある市区町村の役所(窓口・郵送)
- 住民票・住民票除票:住所地のある市区町村の役所
- 印鑑証明書:印鑑登録をしている住所地の市区町村の役所
- 固定資産評価証明書:不動産がある市区町村(東京23区は都税事務所)
戸籍は『本籍地』、住民票や印鑑証明は『住所地』で取るのが基本です。本籍地と住所地が違うことはよくあるので注意しましょう。被相続人が引っ越しや結婚で本籍を何度も移していると、複数の市区町村にまたがって戸籍を取り寄せることになります。遠方の役所には郵送でも請求できます。なお、近年は本籍地以外の役所でも戸籍をまとめて取れる『広域交付』の仕組みも始まっており、窓口で相談すると手間を減らせる場合があります。
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手続き別の追加書類(預貯金・不動産・相続税など)
共通の基礎書類に加えて、手続き先ごとに必要な書類が変わります。主なものを整理します。
- 預貯金の解約・名義変更:金融機関所定の相続届、通帳・キャッシュカード、基礎書類一式
- 不動産の名義変更(相続登記):登記申請書、固定資産評価証明書、遺産分割協議書、基礎書類一式(法務局へ)
- 相続税の申告:相続税申告書、財産がわかる資料、基礎書類一式(税務署へ)
- 年金の手続き:年金証書、死亡を証明する書類、受け取る人の戸籍・口座情報(年金事務所へ)
- 自動車の名義変更:車検証、遺産分割協議書、基礎書類一式(運輸支局へ)
手続きごとに、共通の基礎書類へ『その窓口専用の書類』を足していくイメージです。たとえば銀行なら所定の相続届、法務局なら登記申請書というように、各窓口で書式が用意されています。どの手続きでも基礎書類はほぼ共通なので、戸籍などはコピーを多めに取るか、後で説明する法定相続情報一覧図を作ると使い回しが楽になります。窓口に行く前に、必要書類を電話やサイトで確認しておくと二度手間を防げます。
04
法定相続情報一覧図で書類集めを楽にする
手続きごとに分厚い戸籍の束を出すのは大変です。そこで便利なのが『法定相続情報一覧図』です。
- 戸籍をもとに、相続関係を一枚の図にまとめた書類
- 法務局に申し出ると、無料で認証文付きの写しがもらえる
- 各種手続きで、戸籍の束の代わりに使える
- 必要な枚数を交付してもらえば、同時に複数の手続きを進められる
法定相続情報一覧図は、集めた戸籍と申出書を法務局に提出すると作成してもらえる制度です。一度作っておけば、銀行・法務局・税務署など多くの窓口で、戸籍謄本の束の代わりにこの一覧図を提出できます。戸籍を何セットも用意する必要が減り、手続きが大幅に楽になります。相続人が多い場合や、手続き先が複数ある場合ほど効果が大きいので、早めに作っておくのがおすすめです。発行は無料で、必要な枚数をもらえます。
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戸籍収集の進め方とつまずきやすい点
相続書類の中で、いちばん時間がかかるのが戸籍集めです。手順とつまずきやすい点を押さえておきましょう。
- まず亡くなったときの戸籍を取り、そこから一つ前へとさかのぼる
- 『改製原戸籍』『除籍』など古い戸籍も忘れずに集める
- 本籍を移していると、複数の役所に請求が必要
- 古い手書きの戸籍は読みにくく、つながりの確認に手間取ることも
戸籍は、亡くなったときの最新の戸籍から一つずつ過去へさかのぼって集めます。「この戸籍はどこから移ってきたか」を読み取り、前の本籍地の役所へ次の請求をする、という作業のくり返しです。古い戸籍は手書きで読みにくく、つながりが途切れていないか確認するのに苦労することがあります。役所の窓口では『相続手続きに使うので、出生までさかのぼる分をすべて』と伝えると、職員が範囲を案内してくれることが多いです。郵送請求では定額小為替や返信用封筒が必要になります。
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期限のある手続きと、自分でやるか専門家か
相続の手続きには期限があるものもあります。書類集めに時間がかかるため、早めの着手が肝心です。
- 相続税の申告・納付は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内
- 不動産の相続登記は、取得を知った日から3年以内(2024年4月に義務化)
- 相続放棄をする場合は、原則3か月以内に家庭裁判所へ
- 期限を過ぎると、過料や延滞税などの不利益が出ることがある
特に相続税の申告(10か月以内)と相続登記(3年以内)は期限が定められています。戸籍集めや遺産分割の話し合いに時間がかかると、あっという間に期限が近づくため、早めに動くことが大切です。書類が比較的シンプルで相続人が少ない場合は、自分で手続きすることも十分できます。一方、相続人が多い、戸籍が複雑、不動産や相続税がからむといった場合は、司法書士・税理士・行政書士などの専門家に相談すると安心です。まずは無料相談を活用し、自分でできる範囲を見極めるとよいでしょう。
よくある質問
Q. 相続手続きでどこでも共通して必要な書類は何ですか?
A. 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(除籍・改製原戸籍を含む)、被相続人の住民票除票、相続人全員の戸籍謄本・住民票・印鑑証明書、そして遺産分割協議書(遺言書がある場合は遺言書)が基礎になります。これらは預貯金の解約でも不動産の名義変更でも相続税の申告でも土台として使うため、まずこの一式をそろえることから始めます。
Q. 戸籍や印鑑証明はどこで取ればいいですか?
A. 戸籍謄本・除籍・改製原戸籍は本籍地のある市区町村の役所、住民票や住民票除票・印鑑証明書は住所地のある市区町村の役所で取ります。戸籍は本籍地、住民票や印鑑証明は住所地が基本です。被相続人が本籍を何度も移している場合は複数の役所にまたがって請求が必要で、遠方の役所には郵送でも請求できます。
Q. 手続き先ごとに必要な追加書類は何ですか?
A. 共通の基礎書類に加え、預貯金の解約は金融機関所定の相続届と通帳など、不動産の名義変更(相続登記)は登記申請書と固定資産評価証明書、相続税の申告は申告書と財産資料、年金は年金証書や受取人の口座情報、自動車は車検証などが必要です。窓口ごとに専用の書式があるため、行く前に電話やサイトで確認すると二度手間を防げます。
Q. 法定相続情報一覧図とは何ですか?便利ですか?
A. 戸籍をもとに相続関係を一枚にまとめた図で、法務局に申し出ると無料で認証文付きの写しがもらえます。各種手続きで分厚い戸籍の束の代わりに使え、必要な枚数を交付してもらえば複数の手続きを同時に進められます。戸籍を何セットも用意する手間が減るため、相続人が多い場合や手続き先が多い場合ほど効果が大きく、早めの作成がおすすめです。
Q. 相続手続きに期限はありますか?
A. 相続税の申告・納付は亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内、不動産の相続登記は取得を知った日から3年以内(2024年4月に義務化)です。相続放棄をする場合は原則3か月以内に家庭裁判所へ申し立てます。戸籍集めや遺産分割の話し合いに時間がかかるため、期限を過ぎて過料や延滞税といった不利益が出ないよう、早めの着手が大切です。
この記事のまとめ
- 相続の共通基礎書類は、被相続人の出生から死亡までの戸籍・住民票除票、相続人全員の戸籍・住民票・印鑑証明、遺産分割協議書(または遺言書)
- 戸籍は本籍地、住民票や印鑑証明は住所地の役所で取る。本籍を移していると複数の役所に請求が必要
- 預貯金・不動産登記・相続税申告・年金・自動車など、手続き先ごとに専用書類を基礎書類に足す
- 法定相続情報一覧図を作ると、戸籍の束の代わりに使え、複数の手続きが楽になる
- 相続税申告は10か月以内、相続登記は3年以内(義務化)。書類集めに時間がかかるため早めに着手を
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EDITORIAL TEAM
こもれび編集部 | 相続・諸手続き担当
監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム
本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。
最終更新日: 2026年06月23日





