相続の名義変更の必要書類|不動産・預貯金・車の手続き一覧
相続の名義変更に共通して使う主な必要書類は、『被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人全員の戸籍、遺産分割協議書(または遺言書)、相続人の印鑑証明書』です。これらをそろえたうえで、不動産・預貯金・自動車など資産ごとに住民票や評価証明書、各機関の所定用紙を追加します。資産によって提出先や書式が違うため、まず共通書類を集め、次に資産別の追加書類を足していくのが効率的です。
親が亡くなったあと、家や預金、車などの名義をそのままにしておくと、売却や解約ができず、のちのち手続きが複雑になります。この記事では、相続による名義変更の必要書類を資産別に整理し、戸籍の集め方や法定相続情報一覧図の活用、自分でやるか専門家に頼むかの目安まで、やさしく実用的に解説します。
この記事でわかること
- 名義変更に共通する必要書類
- 資産別(不動産・預貯金・車・株式)の追加書類と提出先
- 戸籍収集のコツと法定相続情報一覧図の活用
- 自分でやるか専門家に頼むかの目安
01
名義変更に共通する必要書類
相続による名義変更では、資産が何であっても共通してよく求められる書類があります。
- 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)
- 相続人全員の現在の戸籍(戸籍謄本または抄本)
- 遺産分割協議書(遺言書がある場合は遺言書)
- 相続人全員の印鑑証明書
これらは「誰が相続人か」「誰がその資産を引き継ぐか」を証明するための書類です。亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をたどることで相続人の範囲が確定し、遺産分割協議書と印鑑証明書で「相続人全員がその分け方に合意した」ことを示します。遺言書がある場合は、それに沿って引き継ぐため協議書が不要になることもあります。まずはこの共通書類をそろえることが、すべての名義変更の出発点になります。
02
不動産(相続登記)の必要書類
家や土地の名義変更は法務局で行う『相続登記』です。共通書類に加えて、次の書類が必要になります。
- 不動産を引き継ぐ相続人の住民票
- 固定資産評価証明書(その年度のもの)
- 対象不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
- 登記申請書(法務局の様式に沿って作成)
相続登記は2024年4月から義務化され、相続で不動産を取得したことを知った日から原則3年以内に申請が必要です。正当な理由なく放置すると過料の対象になることがあります。提出先は不動産の所在地を管轄する法務局です。固定資産評価証明書は登録免許税の計算に使うため、市区町村役場で最新年度のものを取得しましょう。書類が多く判断に迷う場合は、司法書士に相談すると安心です。
03
預貯金の名義変更・解約の必要書類
銀行や信用金庫などの預貯金は、各金融機関ごとに手続きを行います。書式は金融機関ごとに異なります。
- 金融機関所定の相続届(相続手続依頼書など)
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍と相続人全員の戸籍
- 遺産分割協議書または遺言書
- 相続人(または代表相続人)の印鑑証明書・通帳・キャッシュカード
口座は名義人の死亡を金融機関が把握すると凍結され、引き出しや引き落としができなくなります。解約や名義変更には、その金融機関の所定用紙に相続人が署名・押印して提出します。必要書類は金融機関によって細かく違うため、口座のある支店やコールセンターに事前に確認すると二度手間を防げます。後述する法定相続情報一覧図を使うと、戸籍の束を何度も提出せずに済み、複数の口座をまわるときに便利です。
04
自動車・株式など資産別の追加書類
不動産や預貯金以外にも、名義変更が必要な資産があります。それぞれ提出先と書類が異なります。
- 自動車:運輸支局で移転登録。車検証、戸籍、遺産分割協議書、新所有者の印鑑証明書など(軽自動車は軽自動車検査協会で手続きが比較的簡易)
- 株式・証券:証券会社所定の用紙、戸籍、遺産分割協議書など。相続人名義の口座への移管が原則
- 生命保険:保険会社所定の請求書、死亡診断書の写し、受取人の本人確認書類など
- 各資産とも、共通書類(戸籍・協議書・印鑑証明書)はベースになる
自動車は普通車と軽自動車で手続き先と必要書類が変わり、軽自動車のほうが手続きが簡易です。株式は証券会社ごとに用紙が異なり、いったん相続人名義の口座へ移してから売却するのが一般的です。いずれの資産も、共通書類をそろえたうえで各機関の所定様式を加える、という流れは変わりません。どの資産に何が必要かを一覧にしておくと、もれなく進められます。
05
公共料金・各種契約の名義変更
電気・ガス・水道や携帯電話など、日常の契約も名義変更や解約が必要です。これらは比較的書類が簡素です。
- 電気・ガス・水道:各事業者へ連絡し、名義変更または解約を依頼
- 携帯電話・インターネット:各社所定の手続き。死亡を証明する書類を求められることがある
- NHK・新聞・各種サブスク:解約手続き(自動引き落としの停止も忘れずに)
- クレジットカード:カード会社へ連絡し解約
公共料金や通信契約は、戸籍一式までは求められないことが多く、電話やオンラインで手続きできる場合もあります。ただし、死亡を確認できる書類(戸籍や死亡届の控えなど)の提示を求められることがあります。引き落とし口座が凍結されると料金が払えず未納になることもあるため、早めに名義変更か解約を進めましょう。家を空き家にする場合は、解約のタイミングを電気・水道だけ残すなど、片付けの段取りに合わせて調整すると無駄がありません。
06
戸籍収集のコツと専門家に頼む目安
名義変更でいちばん手間がかかるのが戸籍集めです。負担を減らす工夫があります。
- まず本籍地の役場で最新の戸籍を取り、そこから古い戸籍へさかのぼる
- 転籍が多い場合は複数の役場に請求が必要(郵送請求も可能)
- 法定相続情報一覧図を法務局で作れば、戸籍の束の代わりに使える
- 書類が多い・相続人が多い・不動産があるなら専門家への依頼も検討
『法定相続情報一覧図』は、戸籍一式を法務局に提出して相続関係を一枚の図にまとめてもらう制度です。一度作れば、預貯金・不動産・証券など各手続きで戸籍の束の代わりに使え、何度も戸籍を集め直す手間が省けます。相続人が多い、不動産がある、平日に役所へ行く時間が取れないといった場合は、司法書士(登記)や行政書士、税理士(相続税)など専門家に依頼すると確実です。費用はかかりますが、ミスや放置による不利益を防げます。
よくある質問
Q. 相続の名義変更に共通して必要な書類は何ですか?
A. 資産が何であっても共通してよく使うのは、被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)、相続人全員の現在の戸籍、遺産分割協議書(遺言書がある場合は遺言書)、相続人の印鑑証明書です。これらで相続人の範囲と分け方の合意を証明します。まずこの共通書類をそろえ、次に資産ごとの追加書類を足していくと効率的に進められます。
Q. 不動産(家や土地)の名義変更にはほかに何が要りますか?
A. 法務局での相続登記では、共通書類に加えて、不動産を引き継ぐ相続人の住民票、その年度の固定資産評価証明書、対象不動産の登記事項証明書、登記申請書が必要です。相続登記は2024年4月から義務化され、取得を知った日から原則3年以内の申請が求められます。書類が多く判断に迷う場合は司法書士に相談すると安心です。
Q. 預貯金の名義変更や解約はどう進めればいいですか?
A. 口座のある金融機関ごとに手続きします。金融機関所定の相続届、被相続人と相続人の戸籍、遺産分割協議書または遺言書、印鑑証明書、通帳などを提出します。書式は金融機関ごとに違うため、事前に支店やコールセンターで確認しましょう。法定相続情報一覧図を使うと、戸籍の束を何度も出さずに済み、複数の口座をまわるときに便利です。
Q. 自動車の名義変更は書類が多くて大変ですか?
A. 普通車は運輸支局で移転登録を行い、車検証、戸籍、遺産分割協議書、新所有者の印鑑証明書などが必要です。軽自動車は軽自動車検査協会で手続きし、比較的簡易です。共通書類(戸籍・協議書・印鑑証明書)をベースに各機関の様式を加える流れは、ほかの資産と同じです。売却を予定している場合も、まず相続人へ名義変更してから進めます。
Q. 手続きを自分でやるか、専門家に頼むか迷っています。
A. 書類が少なく相続人も少なければ自分で進められますが、戸籍集めが大変な場合や不動産がある場合は専門家への依頼も検討しましょう。登記は司法書士、相続税は税理士、書類作成は行政書士が専門です。まず法定相続情報一覧図を作ると各手続きが楽になります。費用はかかりますが、ミスや放置による過料・不利益を防げるのが利点です。
この記事のまとめ
- 共通の必要書類は、被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人の戸籍、遺産分割協議書(または遺言書)、印鑑証明書
- 不動産の相続登記は住民票・固定資産評価証明書も必要で、2024年から3年以内の申請が義務
- 預貯金は各金融機関の所定書類、自動車は運輸支局(軽は簡易)、株式は証券会社の用紙が必要
- 公共料金・通信契約は書類が簡素。口座凍結前に早めに名義変更か解約を
- 戸籍は最新からさかのぼって集める。法定相続情報一覧図の活用や専門家への依頼で負担を減らせる
参考・出典
※制度・料金は改正や地域差があります。最新の情報は各公式サイト・お住まいの自治体でご確認ください。
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EDITORIAL TEAM
こもれび編集部 | 相続・諸手続き担当
監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム
本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。
最終更新日: 2026年06月23日





