相続手続きの必要書類チェックリスト|手続き先別に一覧で整理
『相続手続きの必要書類は、被相続人の出生から死亡までの戸籍・印鑑証明書・遺産分割協議書などの共通書類に、手続き先ごとの追加書類を組み合わせる』のが基本です。役所・金融機関・法務局・税務署では、求められる書類が少しずつ違います。共通書類をまとめて取り寄せ、手続き先別のチェックリストで漏れを防ぎましょう。
親が亡くなったあとは、年金や保険証の手続き、預貯金の解約、家の名義変更など、たくさんの手続きが続きます。「どこに何の書類を出すのか」と迷う方に向けて、この記事では相続手続きの必要書類を手続き先別の一覧で整理し、取り寄せの段取りまで解説します。
この記事でわかること
- どの手続きでも共通して必要になる基礎書類
- 役所・金融機関・法務局・税務署それぞれの追加書類
- 戸籍をまとめる『法定相続情報一覧図』の活用法
- 書類取り寄せの段取りと失敗しないコツ
01
どの相続手続きでも共通する基礎書類
まず、手続き先を問わず共通して必要になる『基礎書類』をそろえます。
- 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)
- 被相続人の住民票の除票(本籍地入り)
- 相続人全員の現在の戸籍(戸籍謄本または抄本)
- 相続人全員の住民票・印鑑登録証明書
- 遺産分割協議書(遺言書がある場合は遺言書)
相続手続きの土台になるのが、これらの基礎書類です。とくに被相続人の出生から死亡までの戸籍は、相続人が誰かを確定するために欠かせず、ほとんどの手続きで求められます。本籍地を何度も移している場合は、複数の役所から取り寄せる必要があります。これらをまとめて準備しておけば、あとは手続き先ごとの追加書類を足すだけで進められます。
02
役所での手続きに必要な書類
亡くなった直後は、市区町村役場や年金事務所での手続きが中心になります。
- 死亡届・火葬許可:死亡診断書(医師が記入)、届出人の印鑑。原則7日以内に提出
- 年金の手続き:年金証書、被相続人と請求者の戸籍、死亡を証明する書類、振込先口座の通帳
- 健康保険証の返却:保険証、後期高齢者医療被保険者証など。資格喪失の届出
- 介護保険被保険者証の返却:介護保険証、負担割合証
- 世帯主変更・各種手当の停止:本人確認書類、印鑑
役所関係は提出期限が短いものが多く、死亡届は原則7日以内、年金の受給停止は厚生年金で10日以内、国民年金で14日以内が目安です。未支給年金がある場合は、生計を同じくしていた遺族が請求できます。保険証や介護保険証は返却が必要で、放置すると過払いの精算が発生することもあります。まずは何の証書を持っていたかを確認し、提出先と期限を一覧にして進めましょう。
03
金融機関(預貯金の解約・名義変更)に必要な書類
銀行・ゆうちょなどの口座は、名義人の死亡が伝わると凍結され、解約や名義変更の手続きが必要になります。
- 金融機関所定の相続手続依頼書(相続人全員の署名・実印を求められることが多い)
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍(または法定相続情報一覧図)
- 相続人全員の戸籍・印鑑登録証明書
- 遺産分割協議書、または遺言書(ある場合)
- 被相続人の通帳・キャッシュカード・証書
口座は複数の金融機関に分かれていることが多く、それぞれで同じような書類を求められます。戸籍の束を金融機関の数だけ用意するのは大変なので、法務局で『法定相続情報一覧図』を取得しておくと、戸籍の代わりに使えて手続きがぐっと楽になります。原本は返却されないこともあるため、必要な部数を確認し、印鑑登録証明書は発行から3〜6か月以内など有効期限の指定にも注意しましょう。
04
法務局(相続登記)に必要な書類
家や土地を相続したときは、法務局で名義を相続人に変更する『相続登記』を行います。2024年から相続登記は義務化されています。
- 登記申請書(法務局の様式・自分で作成も可)
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍、住民票の除票
- 相続人全員の戸籍、不動産を取得する人の住民票
- 遺産分割協議書と相続人全員の印鑑登録証明書(遺言がある場合は遺言書)
- 対象不動産の固定資産評価証明書(登録免許税の計算に使用)
相続登記では、誰がどの不動産を相続するかを示す遺産分割協議書が重要です。登録免許税として固定資産評価額の0.4%(原則)がかかるため、固定資産評価証明書も用意します。手続きが複雑な場合や急ぐ場合は、司法書士に依頼すると安心です。ここでも法定相続情報一覧図があれば戸籍の提出を省けます。相続登記を放置すると過料の対象になり得るため、早めの手続きを心がけましょう。
05
税務署(相続税申告)に必要な書類
遺産が基礎控除額を超える場合は、税務署へ相続税の申告と納付が必要です。期限は亡くなった日の翌日から10か月以内です。
- 相続税の申告書(税務署や国税庁サイトで入手)
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍、または法定相続情報一覧図の写し
- 相続人全員のマイナンバー確認書類・本人確認書類
- 遺産分割協議書の写しと相続人全員の印鑑登録証明書
- 財産の資料(不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明書、預貯金残高証明書、有価証券の残高報告書、生命保険金の支払通知書など)
相続税は『3000万円+600万円×法定相続人の数』の基礎控除を超えた場合に申告が必要です。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を使うと税額が0円になることもありますが、その場合でも申告は必要なので注意しましょう。財産を証明する書類は種類が多く集めるのに時間がかかります。期限の10か月は意外と短いため、申告が必要そうなら早めに税理士へ相談すると安心です。
06
証券・自動車などその他の手続きと書類取り寄せのコツ
預貯金や不動産以外にも、名義変更が必要な財産があります。あわせて、書類を効率よく集める段取りも押さえましょう。
- 証券・株式:証券会社所定の相続手続書類、戸籍(または一覧図)、印鑑登録証明書、遺産分割協議書
- 自動車:移転登録申請書、車検証、戸籍、遺産分割協議書、印鑑登録証明書、車庫証明(必要時)
- 戸籍はまず本籍地の役所で出生まで遡って一括請求すると効率的
- 印鑑登録証明書・残高証明書は『有効期限・部数』を手続き先ごとに確認
- 原本還付や法定相続情報一覧図を活用し、同じ戸籍を何度も取り直さない
証券や自動車は、それぞれの会社・運輸支局所定の用紙が必要で、共通書類に加えて個別の様式を取り寄せます。書類集めで失敗しやすいのが、戸籍を断片的に何度も請求してしまうことです。まず本籍地の役所で出生まで遡る形で請求し、足りない分を前の本籍地に追加請求すると無駄がありません。集めた戸籍で法定相続情報一覧図を作っておけば、複数の手続き先に同時並行で出せて、全体の期間を大きく短縮できます。
よくある質問
Q. 相続手続きでどの手続きにも共通して必要な書類は何ですか?
A. 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍、被相続人の住民票の除票、相続人全員の戸籍・住民票・印鑑登録証明書、そして遺産分割協議書(遺言書がある場合は遺言書)が共通の基礎書類です。これらは役所・金融機関・法務局・税務署のほとんどの手続きで求められます。まとめて取り寄せておき、手続き先ごとの追加書類を足していくと効率的です。
Q. 戸籍を手続き先の数だけ用意するのは大変です。何かよい方法はありますか?
A. 法務局で『法定相続情報一覧図』を取得すると、戸籍の束の代わりに使えます。一度戸籍をそろえて申し出れば、一覧図の写しを無料で必要部数交付してもらえ、金融機関・法務局・税務署などの手続きに同時並行で出せます。同じ戸籍を何度も取り直す手間と費用を減らせるため、手続き先が多い場合はとくに便利です。
Q. 金融機関で預貯金を解約するには何が必要ですか?
A. 各金融機関所定の相続手続依頼書(相続人全員の署名・実印が必要なことが多い)、被相続人の出生から死亡までの戸籍または法定相続情報一覧図、相続人全員の戸籍と印鑑登録証明書、遺産分割協議書または遺言書、被相続人の通帳やキャッシュカードが基本です。印鑑登録証明書は発行から3〜6か月以内など有効期限の指定があることが多いので確認しましょう。
Q. 相続登記や相続税の申告には期限がありますか?
A. 相続登記は2024年から義務化され、不動産を取得したことを知った日から3年以内が原則です。相続税の申告・納付は、亡くなった日の翌日から10か月以内です。いずれも放置すると過料や延滞税の対象になり得ます。相続税は『3000万円+600万円×法定相続人の数』の基礎控除を超える場合に申告が必要で、特例で税額が0円でも申告が要るため早めの確認が大切です。
Q. 書類の取り寄せで失敗しないコツはありますか?
A. まず本籍地の役所で出生まで遡る形で戸籍を一括請求し、足りない分を以前の本籍地へ追加請求すると無駄がありません。印鑑登録証明書や残高証明書は手続き先ごとに有効期限と必要部数が違うため、事前に確認してまとめて取得します。集めた戸籍で法定相続情報一覧図を作っておくと、複数の手続きに同時に提出でき、全体の期間を大きく短縮できます。
この記事のまとめ
- 共通の基礎書類は、被相続人の出生〜死亡の戸籍・住民票除票、相続人の戸籍・住民票・印鑑登録証明書、遺産分割協議書(または遺言書)
- 役所では死亡届・年金・健康保険証・介護保険証の手続きが中心で、提出期限が短いものが多い
- 金融機関・法務局・税務署では共通書類に加えて、所定の依頼書・固定資産評価証明書・財産資料などの追加書類が要る
- 法定相続情報一覧図を作れば戸籍束の代わりに使え、複数の手続きを同時並行で進められる
- 戸籍は本籍地で出生まで遡って一括請求し、印鑑登録証明書や残高証明書は有効期限と部数を確認する
参考・出典
※制度・料金は改正や地域差があります。最新の情報は各公式サイト・お住まいの自治体でご確認ください。
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EDITORIAL TEAM
こもれび編集部 | 相続・諸手続き担当
監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム
本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。
最終更新日: 2026年06月24日





