相続手続きを自分でやる方法|流れ・費用節約のコツと注意点
相続手続きの多くは、専門家に頼まなくても自分で進められます。戸籍の収集、相続人と財産の確定、銀行口座の解約、相続登記、年金の停止などは、時間と手間さえかければご自身でできます。一方で、相続税の申告が複雑な場合や、相続人どうしで争いがある場合は、税理士や弁護士に頼むほうが無難です。この記事では、相続手続きを自分でやる方法と、その線引きをやさしく解説します。
親が亡くなったあと、相続の手続きはやることが多く、「どこから手をつければいいのか」「専門家に頼むべきか」と迷う方は少なくありません。費用を抑えたい、自分で進めたいという方に向けて、全体の流れ、自分でできる範囲、つまずきやすい点とコツ、困ったときの相談窓口までまとめました。
この記事でわかること
- 自分でできる手続きと専門家が無難な手続きの線引き
- 相続手続き全体の流れと期限
- 自分でやるメリット(費用節約)とデメリット
- つまずきやすい点・コツと無料相談窓口
01
自分でできる手続きと専門家が無難な手続き
相続手続きは、多くを自分で進められますが、内容によっては専門家に頼んだほうが安心なものもあります。まずは線引きを知りましょう。
- 自分でできる:戸籍の収集、相続人・財産の確定、遺産分割協議書の作成
- 自分でできる:銀行口座の解約・名義変更、相続登記、年金の停止・受給手続き
- 専門家が無難:相続税の申告(財産が多い・内容が複雑なとき)は税理士
- 専門家が無難:相続人どうしで争いがあるときは弁護士
戸籍を集めて相続人を確定し、財産を調べて分け方を話し合い、各窓口で手続きをする——この一連の流れは、時間をかければご自身でできます。一方、相続税の申告は計算や特例の判断が難しく、財産が多い場合や内容が複雑な場合は税理士に頼むほうが無難です。また、遺産分割でもめている場合は、当事者だけで進めると話がこじれやすいため、早めに弁護士へ相談しましょう。
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相続手続き全体の流れ
自分で進める場合も、まずは全体の流れをつかむことが大切です。大きく次の順番で進みます。
- ①死亡届の提出・葬儀(亡くなってすぐ)
- ②戸籍を集めて相続人を確定する
- ③預貯金・不動産・借金など財産を調べて確定する
- ④相続人全員で遺産分割協議をして協議書を作る
- ⑤各窓口で名義変更・解約・登記などの手続きをする
最初に行うのが戸籍の収集です。亡くなった方の出生から死亡までの戸籍をすべて集め、相続人が誰かを確定します。次に、預貯金や不動産、株式、借金まで含めて財産を洗い出します。そのうえで相続人全員で分け方を話し合い、合意した内容を遺産分割協議書にまとめます。協議書ができたら、その内容にもとづいて銀行や法務局、年金事務所などで個別の手続きを進めていきます。
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自分でやるメリットとデメリット
相続手続きを自分でやるかどうかは、メリットとデメリットを知ったうえで判断しましょう。
- メリット:専門家への報酬がかからず費用を抑えられる
- メリット:財産の中身や手続きの内容を自分で把握できる
- デメリット:書類集めや窓口対応に手間と時間がかかる
- デメリット:記入もれ・期限切れなどのミスが起きやすい
自分でやる最大のメリットは費用の節約です。司法書士や税理士に頼むと数万円から数十万円の報酬がかかりますが、自分で進めれば実費だけで済みます。財産が少なく相続人も少ない、争いもないという場合は、自分で十分対応できることが多いです。ただし、平日に役所や金融機関へ行く時間が必要で、書類の不備で何度もやり直すこともあります。手間と費用のどちらを優先するかで決めましょう。
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つまずきやすい点とコツ
自分で進めるとき、特につまずきやすいのが期限と書類です。あらかじめ知っておくと安心です。
- 相続放棄は亡くなったことを知ってから3か月以内
- 準確定申告は4か月以内、相続税の申告は10か月以内
- 相続登記は取得を知ってから3年以内(義務化)
- 戸籍は本籍地の移動が多いと収集に時間がかかる
相続には期限のある手続きが複数あります。借金のほうが多いなどで相続放棄をするなら3か月以内、亡くなった方に確定申告が必要なら準確定申告を4か月以内、相続税がかかるなら申告を10か月以内に行う必要があります。相続登記も義務化され、取得を知ってから3年以内の登記が求められます。戸籍は本籍地を移していると、複数の市区町村に請求が必要で時間がかかります。早めに着手し、期限から逆算して進めるのがコツです。
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法定相続情報一覧図を活用する
手続きを楽にするために、ぜひ活用したいのが『法定相続情報一覧図』です。法務局で無料で作れます。
- 戸籍をまとめた相続関係の一覧図を法務局が証明してくれる
- 無料で必要な枚数の写しを取得できる
- 銀行・法務局・年金など各手続きで戸籍の束の代わりに使える
- 何度も戸籍を出し直す手間が省ける
複数の銀行や法務局で手続きをするたびに、分厚い戸籍の束を提出するのは大変です。法定相続情報一覧図を一度作っておけば、その写し1枚で相続関係を証明でき、多くの窓口で戸籍の代わりに使えます。法務局に戸籍一式と一覧図の案を提出すれば、無料で何枚でも交付してもらえます。手続き先が複数ある場合、自分でやるうえで非常に便利な制度なので、早い段階で作っておくのがおすすめです。
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困ったときの無料相談窓口
途中でわからなくなっても、無料で相談できる窓口があります。一人で抱え込まず活用しましょう。
- 市区町村の無料法律相談・相続相談
- 法テラス(日本司法支援センター)の無料相談
- 相続登記は法務局の登記手続き案内
- 相続税は税務署の相談、年金は年金事務所の窓口
各市区町村では、弁護士や司法書士による無料相談会を定期的に開いています。法テラスでも、一定の条件を満たせば無料で法律相談を受けられます。相続登記の書き方は法務局、相続税のことは税務署、年金の手続きは年金事務所で、それぞれ無料で案内を受けられます。自分で進める途中でつまずいたら、まずこうした公的な窓口に相談すると、費用をかけずに次の一歩が見えてきます。専門家に依頼すべきかの判断にも役立ちます。
よくある質問
Q. 相続手続きは自分でできますか?
A. 多くの手続きは自分でできます。戸籍を集めて相続人を確定し、財産を調べ、遺産分割協議書を作り、銀行口座の解約や相続登記、年金の停止などを各窓口で進める流れは、時間と手間をかければご自身で対応できます。ただし、相続税の申告が複雑な場合は税理士、相続人どうしで争いがある場合は弁護士に頼むほうが無難です。
Q. 相続手続きはどんな順番で進めればいいですか?
A. まず亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集めて相続人を確定します。次に預貯金・不動産・借金などの財産を調べて確定し、相続人全員で遺産分割協議をして協議書を作ります。その協議書をもとに、銀行・法務局・年金事務所などで名義変更や解約、登記の手続きを進めます。戸籍収集から各手続きへ、という順番が基本です。
Q. 自分でやると費用はどのくらい節約できますか?
A. 司法書士や税理士に依頼すると数万円から数十万円の報酬がかかりますが、自分で進めれば戸籍の取得費や登録免許税などの実費だけで済みます。財産や相続人が少なく、争いもない場合は自分で十分対応できることが多く、節約効果が大きいです。一方で、手間と時間がかかり、書類の不備でやり直すこともある点は理解しておきましょう。
Q. 相続手続きの期限にはどんなものがありますか?
A. 相続放棄は亡くなったことを知ってから3か月以内、準確定申告は4か月以内、相続税の申告は10か月以内です。相続登記も義務化され、取得を知ってから3年以内に行う必要があります。期限のある手続きが複数あるため、早めに着手し、期限から逆算して進めることが大切です。
Q. 手続きでつまずいたらどこに相談できますか?
A. 市区町村の無料法律相談や相続相談、法テラスの無料相談が利用できます。相続登記の書き方は法務局、相続税は税務署、年金は年金事務所で、それぞれ無料で案内を受けられます。法定相続情報一覧図を法務局で作っておくと、各手続きで戸籍の束の代わりに使え、手間が大きく減ります。一人で抱え込まず公的な窓口を活用しましょう。
この記事のまとめ
- 相続手続きの多くは自分でできる。戸籍収集・財産確定・銀行解約・相続登記・年金停止など
- 相続税の申告が複雑なら税理士、相続人で争いがあれば弁護士が無難
- 流れは戸籍収集→相続人・財産の確定→遺産分割協議→各手続きの順
- 相続放棄3か月・準確定申告4か月・相続税10か月・相続登記3年の期限に注意
- 法定相続情報一覧図を活用し、困ったら市区町村や法テラスの無料相談へ
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EDITORIAL TEAM
こもれび編集部 | 相続・諸手続き担当
監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム
本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。
最終更新日: 2026年06月24日





