老人ホームの費用は、『施設の種類によって大きく異なり、公的な特別養護老人ホームは月数万〜十数万円・入居一時金は不要、民間の介護付き有料老人ホームなどは入居一時金0〜数百万円・月額15〜30万円程度が目安』です。同じ老人ホームでも、公的施設か民間かで費用は大きく変わります。さらに所得に応じた軽減制度もあり、まず種類ごとの相場を知ることが、無理のない施設選びの第一歩になります。

親の介護や自分の終活で、老人ホームを考え始めると「毎月いくらかかるのか」「入居時にまとまったお金が必要なのか」と不安になる方は少なくありません。この記事では、施設の種類別の費用相場と内訳、費用を抑える制度、お金が心配なときの相談先までやさしく解説します。

この記事でわかること

  • 施設の種類別の費用相場(特養・老健・有料・サ高住など)
  • 入居一時金と月額費用の内訳
  • 公的施設と民間施設の費用の違い
  • 費用を抑える制度と相談先

★ あわせて準備したい

入居の準備や見学のメモに

見学した施設の費用や条件を比べるとき、メモを取りながら整理すると違いがわかりやすくなります。書き込みやすいノートがあると便利です。

特養は 月数万〜十数万円
入居一時金なし
有料老人ホームは 月15〜30万円
が目安
自己負担は 1〜3割
所得に応じて

01

老人ホームの費用は種類で大きく変わる

老人ホームと一口にいっても、運営主体や対象者によって種類が分かれ、費用の仕組みも大きく異なります。

  • 公的施設(特養・老健)は比較的安く、入居一時金が不要
  • 民間施設(有料老人ホーム・サ高住)は幅が広く、入居一時金が必要な場合も
  • 費用は『入居一時金』と『毎月の月額費用』に分かれる
  • 介護サービス費は介護保険が使え、自己負担は所得に応じ1〜3割

大きく分けると、市区町村や社会福祉法人などが運営する公的施設と、民間企業が運営する民間施設があります。公的施設は費用が抑えられる一方で、人気が高く待機が必要なこともあります。民間施設は入居しやすい反面、入居一時金や月額が高めになりがちです。まずは『公的か民間か』『入居一時金の有無』という大きな違いを押さえると、相場が理解しやすくなります。

老人ホームの費用は種類で大きく変わる

02

施設の種類別の費用相場

主な施設ごとの費用のおおよその目安は次のとおりです。あくまで幅のある目安で、地域や部屋のタイプによって変わります。

  • 特別養護老人ホーム(特養):公的施設。入居一時金なし、月額は所得に応じ数万〜十数万円程度
  • 介護老人保健施設(老健):公的施設。在宅復帰を目指す施設で、月額は特養と同程度が目安
  • 介護付き有料老人ホーム:民間。入居一時金0〜数百万円、月額15〜30万円程度
  • 住宅型有料老人ホーム:民間。月額に加え、利用した介護サービス費が別途かかる
  • サービス付き高齢者向け住宅(サ高住):民間。賃貸が中心で月額10〜25万円程度が目安
  • グループホーム:認知症の方が対象。月額は十数万〜20万円程度が目安

特養や老健などの公的施設は、所得に応じた負担で費用が抑えやすく、入居一時金も不要です。一方、介護付き有料老人ホームやサ高住などの民間施設は、設備やサービスが手厚い分、入居一時金や月額が高くなる傾向があります。同じ種類でも施設ごとに金額の幅が大きいため、気になる施設の正確な費用は必ず個別に確認しましょう。

03

入居一時金と月額費用の内訳

費用は『入居時にまとめて払うお金』と『毎月かかるお金』に分かれます。月額費用の中身を知ると、施設ごとの違いを比べやすくなります。

  • 入居一時金:民間施設で家賃の前払いとして払う。0円〜数百万円と幅広い
  • 家賃(居住費):部屋の広さや個室か相部屋かで変わる
  • 管理費:共用部分の維持や事務などにかかる費用
  • 食費:1日3食分。施設によって金額が異なる
  • 介護サービス費:介護保険が適用され、自己負担は所得に応じ1〜3割
  • 日常生活費:おむつ代・理美容・医療費・娯楽費などの実費

入居一時金は『家賃を前払いする』性格のお金で、民間施設に多い仕組みです。最近は入居一時金0円のプランも増えていますが、その分月額が高くなることがあります。月額費用は家賃・管理費・食費・介護サービス費・日常生活費などの合計です。パンフレットの月額に医療費やおむつ代などの実費が含まれていないこともあるため、『毎月いくら手元から出るのか』を総額で確認しましょう。

04

公的施設と民間施設の費用の違い

費用を考えるうえで、公的施設と民間施設の違いを理解しておくと選びやすくなります。

  • 公的施設(特養・老健)は費用が抑えられ、入居一時金が不要
  • 特養は所得や資産に応じて費用が軽減される仕組みがある
  • 公的施設は人気が高く、入居まで待機が必要なことがある
  • 民間施設は入居しやすいが、入居一時金や月額が高めになりやすい
  • 民間施設はサービスや設備が施設ごとに大きく異なる

費用を最優先に考えるなら、特養などの公的施設が候補になります。ただし、特養は原則として要介護3以上が対象で、入居まで時間がかかることもあります。すぐに入居先が必要な場合や、手厚いサービスを求める場合は民間施設が選択肢になります。費用とサービス、入居のしやすさのバランスを見て、家族で優先順位を話し合うことが大切です。

PR
施設の種類別の費用相場

05

費用を抑える制度を知っておく

介護費用には、負担を軽くするための公的な制度がいくつかあります。条件に当てはまれば、毎月の負担を大きく減らせます。

  • 負担限度額認定(特定入所者介護サービス費):所得や資産が一定以下の方は、特養や老健などの食費・居住費が軽減される
  • 高額介護サービス費:1か月の介護サービス費の自己負担が上限を超えた分が払い戻される
  • 高額医療・高額介護合算制度:医療と介護の年間負担が高額なとき軽減される
  • これらの制度は申請が必要。市区町村の窓口で手続きする

負担限度額認定を受けると、特養や老健などの食費・居住費が所得に応じて軽減されます。また、高額介護サービス費は、毎月の介護サービス費の自己負担が一定の上限を超えた場合に、超えた分が後から払い戻される制度です。いずれも自動では適用されず、申請が必要です。費用が心配なときは、まず市区町村の介護保険担当窓口やケアマネジャーに相談し、使える制度がないか確認しましょう。

06

見学・契約時の確認とお金が心配なときの相談先

入居を決める前には、必ず見学して費用やサービスの中身を確認しましょう。お金の不安があるときは、早めに公的な窓口に相談するのが安心です。

  • 月額に含まれる費用と、別途かかる実費の範囲を確認する
  • 入居一時金の返還の有無や、退去時の精算ルールを確認する
  • 要介護度が変わったときに費用がどう変わるか確認する
  • お金が心配なときは地域包括支援センターや自治体に相談する
  • 使える軽減制度がないか、ケアマネジャーにも相談する

契約前には、パンフレットの金額だけでなく、医療費やおむつ代などの実費を含めた『毎月の総額』を見積もってもらいましょう。入居一時金がある施設では、途中で退去した場合に返金されるかどうかも重要な確認点です。費用の見通しが立たないときは、お住まいの地域包括支援センターや市区町村の窓口が、無料で相談に乗ってくれます。一人で抱え込まず、専門の窓口を頼ることが、無理のない施設選びにつながります。

★ あわせて準備したい

入居に向けた持ち物の準備に

施設への入居が決まったら、衣類や日用品に名前を書いて準備します。名前付けに使えるお名前スタンプがあると便利です。

よくある質問

Q. 老人ホームの費用はどのくらいかかりますか?

A. 施設の種類によって大きく変わります。公的な特別養護老人ホーム(特養)は入居一時金が不要で、月額は所得に応じて数万〜十数万円程度が目安です。民間の介護付き有料老人ホームは入居一時金が0〜数百万円、月額は15〜30万円程度と幅があります。同じ種類でも施設ごとに差が大きいため、気になる施設の正確な費用は個別に確認しましょう。

Q. 入居一時金とは何ですか?必ず必要ですか?

A. 入居一時金は、家賃を前払いする性格のお金で、主に民間の有料老人ホームなどで必要になります。特養や老健などの公的施設では不要です。最近は入居一時金0円のプランも増えていますが、その分月額が高くなることがあります。途中で退去した場合に返金されるかどうかも、契約前に必ず確認しておきましょう。

Q. 月額費用にはどんなものが含まれますか?

A. 主に、家賃(居住費)・管理費・食費・介護サービス費・日常生活費が含まれます。介護サービス費は介護保険が適用され、自己負担は所得に応じて1〜3割です。日常生活費にはおむつ代・理美容・医療費・娯楽費などの実費が含まれます。パンフレットの月額にこれらの実費が含まれないこともあるため、毎月の総額で確認することが大切です。

Q. 費用を抑える制度はありますか?

A. 所得や資産が一定以下の方は、負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)を受けると、特養や老健などの食費・居住費が軽減されます。また、毎月の介護サービス費の自己負担が上限を超えた分が払い戻される高額介護サービス費もあります。いずれも申請が必要なので、市区町村の介護保険担当窓口やケアマネジャーに相談しましょう。

Q. お金が心配なときはどこに相談すればいいですか?

A. まずはお住まいの地域包括支援センターや、市区町村の介護保険担当窓口に相談しましょう。無料で相談に乗ってくれ、使える軽減制度や費用を抑えられる施設の選び方を案内してくれます。担当のケアマネジャーがいる場合は、ケアマネジャーに相談するのも有効です。一人で抱え込まず、早めに公的な窓口を頼ることが安心につながります。

PR

この記事のまとめ

  • 老人ホームの費用は種類で大きく異なり、公的施設は安く入居一時金が不要、民間は幅が広い
  • 特養は月数万〜十数万円、介護付き有料老人ホームは月15〜30万円程度が目安
  • 月額費用は家賃・管理費・食費・介護サービス費・日常生活費の合計で、実費も加わる
  • 負担限度額認定や高額介護サービス費など、費用を抑える制度は申請が必要
  • 費用が心配なときは地域包括支援センターや自治体、ケアマネジャーに相談する

参考・出典

※制度・料金は改正や地域差があります。最新の情報は各公式サイト・お住まいの自治体でご確認ください。

EDITORIAL TEAM

こもれび編集部 | 介護・シニアの暮らし担当

監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム

本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。

最終更新日: 2026年06月23日

ABOUT ME
アバター画像
こもれび編集部
国内旅行・暮らしのお役立ち情報を発信中。実際に訪れたホテルレビュー・観光モデルコース・育児に役立つグッズ比較など、日常がちょっと豊かになる記事をお届けしています。旅行プランのご参考にぜひご活用ください。