相続放棄の流れ|知った時から3か月でやる手続きの順番を解説
相続放棄の流れは『①相続開始を知る→②財産・借金の調査→③放棄するか判断→④書類を集める→⑤家庭裁判所へ申述書を提出→⑥照会書に回答→⑦受理通知書を受け取る』という順番で進みます。期限は相続開始を知った時から3か月以内で、この間に手続きを始めないと、原則として放棄できなくなります。借金などのマイナスの財産を引き継がないために、流れと期限を早めに押さえておくことが大切です。
親や家族が亡くなり、借金や保証債務が見つかると「相続放棄したほうがいいのか」「どんな順番で進めるのか」と不安になります。この記事では、相続放棄を時系列のステップに分け、各段階で何をするか、どれくらい日数がかかるか、つまずきやすい点をやさしく解説します。書類の種類よりも『進める順番』に焦点を当ててまとめました。
この記事でわかること
- 相続放棄の流れ(7つのステップ)
- 各ステップの所要日数の目安と期限
- 照会書への回答と受理通知書の意味
- 次順位の相続人への連絡・つまずきやすい点
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相続放棄の流れ全体(7つのステップ)
相続放棄は、思い立ってすぐ書類を出すものではなく、順番に進める手続きです。
- ① 相続が始まったことを知る(亡くなった事実を知る)
- ② 財産・借金を調べる(プラスとマイナスの把握)
- ③ 放棄するかどうかを判断する
- ④ 必要な書類を集める(戸籍など)
- ⑤ 家庭裁判所へ相続放棄申述書を提出する
- ⑥ 裁判所から届く照会書に回答する
- ⑦ 受理され、相続放棄申述受理通知書を受け取る
大きな流れは、この7ステップです。まず相続が始まったことを知り、財産と借金を調べたうえで放棄するかを決めます。決めたら書類を集めて家庭裁判所へ申し出て、裁判所からの問い合わせに答え、最後に受理の通知を受け取ります。期限は『相続開始を知った時から3か月以内』に⑤の申し出を済ませることが目安になります。次の章から、各ステップを順番に見ていきます。
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ステップ①〜②:相続開始を知り、財産と借金を調べる
最初の段階は、相続が始まったことを知り、何が残っているかを調べることです。
- 亡くなった事実を知った日が、期限を数える起点になる
- 預貯金・不動産などプラスの財産を確認する
- 借入・ローン・保証債務などマイナスの財産を確認する
- 郵便物や契約書、通帳の記録が手がかりになる
相続放棄の期限は、亡くなった日ではなく『自分が相続人になったことを知った時』から3か月です。次に、財産と借金の調査をします。通帳や郵便物、契約書を確認し、借金や保証人になっていないかを調べます。この調査には数日から数週間かかることもあります。プラスよりマイナスが多い、あるいは借金の全体像がつかめない場合に、放棄を検討することになります。調査に時間がかかり3か月で判断できないときは、家庭裁判所に期間の延長を申し立てる方法もあります。
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ステップ③〜④:放棄を判断し、必要書類を集める
調査の結果をふまえて放棄するかを決め、決めたら書類をそろえます。
- プラスの財産も含め、すべて引き継がないのが相続放棄
- 放棄すると決めたら早めに書類集めを始める
- 亡くなった方の戸籍(除籍)や住民票の除票などが必要
- 放棄する本人の戸籍も用意する
相続放棄は、借金だけを放棄して預貯金は受け取る、といった選び方はできません。プラスの財産もマイナスの財産も、すべて引き継がない手続きです。判断に迷うときは、財産より借金が明らかに多いか、保証債務など見えにくい負担がないかを基準に考えましょう。書類は戸籍を市区町村から取り寄せるため、郵送だと届くまで日数がかかります。期限が3か月と限られているので、放棄すると決めたらすぐ書類集めに取りかかることが大切です。
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ステップ⑤:家庭裁判所へ相続放棄申述書を提出する
書類がそろったら、家庭裁判所へ相続放棄を申し出ます。
- 提出先は、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
- 相続放棄申述書に必要事項を書いて提出する
- 戸籍などの添付書類と収入印紙・郵便切手を添える
- 窓口持参のほか、郵送でも申し出ができる
相続放棄を正式に申し出ることを『申述』といいます。提出先は、自分の住所地ではなく、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。どこが管轄かわからないときは、裁判所のウェブサイトで調べられます。提出は窓口へ持参するほか、郵送でも受け付けてもらえます。この申し出を、相続開始を知った時から3か月以内に行う必要があります。期限ぎりぎりだと書類の不備で間に合わないこともあるため、余裕をもって提出しましょう。
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ステップ⑥:裁判所からの照会書に回答する
申し出をすると、裁判所から確認の書面(照会書)が届くことがあります。
- 申述から1〜2週間ほどで照会書が郵送されることが多い
- 放棄が本人の意思か、内容を理解しているかを確認される
- 財産を使ったり処分していないかを問われることがある
- 記入して期限内に返送する
照会書は、相続放棄が本人の意思によるものか、亡くなった方の財産を勝手に使ったり処分していないかなどを確認するための書面です。事実をそのまま、落ち着いて記入しましょう。ここで注意したいのは、亡くなった方の預貯金を引き出して使ったり、財産を売ったりすると『単純承認』とみなされ、放棄が認められなくなる場合があることです。心当たりがあるときや書き方に迷うときは、無理に自己判断せず、法テラスや専門家に相談すると安心です。回答は同封の期限内に返送します。
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ステップ⑦:受理通知書を受け取った後にすること
照会への回答後、問題がなければ放棄が受理され、通知が届きます。
- 『相続放棄申述受理通知書』が郵送される
- 受理後は、原則として相続放棄を撤回できない
- 債権者から請求が来たら、通知書を示して放棄を伝える
- 必要なら『受理証明書』を別途取得できる
- 自分が放棄すると、次順位の人が相続人になる
受理されると『相続放棄申述受理通知書』が届きます。これは放棄が受け付けられたことを示す大切な書面です。あとで借金の請求が来たときは、この通知書(または受理証明書)を示して放棄したことを伝えられます。注意したいのは、受理後は原則として撤回できないことと、自分が放棄すると相続権が次の順位の人へ移ることです。たとえば子が全員放棄すると、亡くなった方の親や兄弟姉妹が相続人になります。次順位の人が知らないうちに借金を背負わないよう、早めに連絡しておくと親切です。
よくある質問
Q. 相続放棄はどんな順番で進めますか?
A. ①相続が始まったことを知る、②財産と借金を調べる、③放棄するか判断する、④戸籍などの書類を集める、⑤亡くなった方の最後の住所地の家庭裁判所へ相続放棄申述書を提出する、⑥裁判所から届く照会書に回答する、⑦相続放棄申述受理通知書を受け取る、という流れです。相続開始を知った時から3か月以内に⑤の申し出を済ませる必要があります。
Q. 相続放棄の期限はいつまでですか?
A. 相続が始まったことを知った時から3か月以内です。亡くなった日ではなく、自分が相続人になったと知った時が起点になります。この3か月の間に、財産と借金を調べて放棄するか判断し、家庭裁判所へ申し出ます。調査に時間がかかって判断できないときは、家庭裁判所に期間を延ばす申し立てをする方法もあります。
Q. 照会書には何を書けばいいですか?
A. 照会書は、相続放棄が本人の意思によるものか、内容を理解しているか、亡くなった方の財産を勝手に使ったり処分していないかなどを確認する書面です。事実をそのまま落ち着いて記入し、同封の期限内に返送します。書き方に迷うときや、財産を使った心当たりがあるときは、自己判断せず法テラスや専門家に相談すると安心です。
Q. 受理通知書を受け取ったら何をしますか?
A. 相続放棄申述受理通知書は、放棄が受け付けられたことを示す書面です。借金の請求が来たら、この通知書や受理証明書を示して放棄したことを伝えられます。受理後は原則として撤回できません。また、自分が放棄すると相続権が次の順位の人へ移るため、次順位の相続人には早めに連絡しておくと、知らないうちに借金を背負う事態を防げます。
Q. 相続放棄でつまずきやすい点はありますか?
A. よくあるのは、亡くなった方の預貯金を引き出して使ったり財産を処分してしまい、単純承認とみなされて放棄できなくなる点です。また、戸籍の取り寄せに日数がかかり期限に間に合わない、提出先を自分の住所地と勘違いする、といった失敗もあります。放棄すると決めたら早めに書類を集め、提出先は亡くなった方の最後の住所地の家庭裁判所であることを確認しましょう。
この記事のまとめ
- 相続放棄の流れは、相続開始を知る→財産調査→判断→書類集め→申述書提出→照会書回答→受理通知書受け取り、の順
- 期限は相続開始を知った時から3か月以内。調査に時間がかかるときは家庭裁判所に延長を申し立てられる
- 申し出る先は、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所。郵送でも提出できる
- 亡くなった方の財産を使ったり処分すると単純承認とみなされ、放棄できなくなることがある
- 受理後は原則撤回不可。受理通知書は債権者への提示に使い、次順位の相続人には早めに連絡を
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EDITORIAL TEAM
こもれび編集部 | 相続・諸手続き担当
監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム
本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。
最終更新日: 2026年06月27日
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