遺産分割協議書を作成するには、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・相続人全員の印鑑証明書など複数の公的書類を揃える必要があります。書類の種類が多く、取得先も役場によって異なるため、何から始めればよいか迷う方が多いのが実情です。

「どこで何を取ればいい?」「印鑑証明書には期限がある?」そんな疑問を抱えた方に向け、この記事では遺産分割協議書に必要な書類を種類別に一覧化し、取得場所・取得手順・注意点をまとめて解説します。この記事を読めば、書類収集の全体像をつかみ、迷わず手続きを進めることができます。

この記事でわかること

  • 遺産分割協議書に必要な書類の種類と一覧
  • 各書類の取得場所と申請方法
  • 印鑑証明書の有効期限など注意すべきポイント
  • 不動産・銀行口座など手続き別の追加書類

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5種類 遺産分割協議書の基本必要書類数
最低限揃えるべき書類
3ヶ月以内 印鑑証明書の有効期限
発行日から3ヶ月以内が一般的
3年以内 相続登記の義務化期限
2024年4月1日施行・違反で10万円以下の過料

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01 遺産分割協議書とは何か|作成が必要なケース

遺産分割協議書とは、相続人全員が遺産の分け方について話し合い(遺産分割協議)で合意した内容を書面にまとめた文書です。法律上、必ずしも書面化が義務付けられているわけではありませんが、不動産の相続登記・銀行口座の名義変更・証券口座の移管など、多くの手続きで提出を求められるため、実務上は必須の書類です。

  • 遺言書がない場合:相続人全員で協議した上で作成する
  • 遺言書があっても法定相続分と異なる分割をしたい場合:相続人全員の合意で再分割できる
  • 不動産・預貯金・有価証券など遺産の名義変更が必要な場合
  • 相続登記(2024年4月1日より義務化)を行う場合

遺産分割協議書は公正証書である必要はなく、相続人全員が自署・実印を押印した書面であれば有効です。ただし、書類の不備があると手続きが止まってしまうため、必要書類を正確に把握してから準備を進めましょう。

01 遺産分割協議書とは何か|作成が必要なケース
写真: www.kaboompics.com / Pexels

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02 遺産分割協議書の必要書類一覧

遺産分割協議書の作成・提出に必要な書類は大きく「被相続人に関する書類」「相続人全員に関する書類」「財産に関する書類」の3カテゴリに分かれます。以下に基本的な必要書類を一覧でまとめます。

  • ①被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まですべて):法定相続人を確定するために必須。複数の役場から取り寄せが必要な場合がある
  • ②被相続人の住民票の除票:死亡時の住所を証明するために必要
  • ③相続人全員の戸籍謄本:現在の戸籍(現在事項全部証明書)を取得する
  • ④相続人全員の印鑑登録証明書(印鑑証明書):実印で押印し、発行から3ヶ月以内のものを提出
  • ⑤相続人全員の住民票:相続登記など一部の手続きで必要
  • ⑥固定資産評価証明書:不動産がある場合に所在地の市区町村役場で取得

印鑑証明書は多くの金融機関・法務局で「発行から3ヶ月以内」のものを要求します。書類を集め終えてから長期間放置すると有効期限を過ぎてしまうため、協議の目処が立ってから取得するのが賢明です。

なお、相続財産に不動産が含まれない場合は固定資産評価証明書は不要です。また、銀行や証券会社によっては独自の相続届出書が必要になるため、各機関に事前確認を行いましょう。

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03 各書類の取得場所と申請方法

書類によって取得先が異なります。事前に取得先をまとめておくことで、無駄な往復を防ぐことができます。

  • 戸籍謄本(被相続人・相続人):本籍地の市区町村役場の窓口または郵送請求。本籍地が複数にわたる場合は、それぞれの役場に請求する必要がある
  • 住民票・住民票の除票:現在(または死亡時)の住所地の市区町村役場。マイナンバーカードがあればコンビニ交付も可能
  • 印鑑登録証明書:相続人本人の住所地の市区町村役場。本人が窓口に行くか、コンビニ交付(マイナンバーカード利用)が利用できる
  • 固定資産評価証明書:不動産所在地の市区町村役場(東京23区の場合は都税事務所)。固定資産税の納税通知書に記載の担当窓口へ

郵送請求を利用する場合は、定額小為替(郵便局で購入)と返信用封筒(切手貼付済み)を同封して送付します。各役場のウェブサイトに請求書様式が掲載されていることが多いため、事前にダウンロードして準備しましょう。マイナポータルを通じた一部書類のオンライン請求も普及しつつあります。

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04 戸籍謄本の収集|出生から死亡まですべて揃える方法

被相続人の法定相続人を正確に確定するためには、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍謄本を含む)をすべて取り寄せる必要があります。これは「相続関係説明図」や「法定相続情報一覧図」の作成にも使用します。

  • 現在の戸籍(死亡が記載されたもの)から遡って請求する
  • 戸籍の改製(昭和・平成の法改正)や転籍によって複数の役場に分散している場合がある
  • 最も古い戸籍は明治時代まで遡ることもあるため、時間的余裕を持って請求する
  • 法務局の「法定相続情報証明制度」を活用すると、1通の証明書で複数機関の手続きが可能になり効率的

法定相続情報証明制度(法務省)を利用すると、集めた戸籍謄本一式を法務局に提出し「法定相続情報一覧図」の写しを無料で交付してもらえます。この写しを各金融機関・法務局に提出することで、戸籍謄本の原本を何度も提出する手間が省けます。

戸籍謄本の収集は相続手続きの中で最も時間がかかる作業の一つです。相続開始後は早めに着手し、他の手続きと並行して進めることをおすすめします。

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02 遺産分割協議書の必要書類一覧
写真: olia danilevich / Pexels

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05 不動産相続・銀行口座ごとの追加書類

遺産の種類によって、基本書類に加えて追加書類が必要になります。主な財産別の追加書類を確認しましょう。

  • 不動産の相続登記:固定資産評価証明書・遺産分割協議書・相続関係説明図。登録免許税は固定資産税評価額×0.4%。2024年4月1日から相続を知った日から3年以内の登記が義務(違反で10万円以下の過料)
  • 銀行・金融機関の預金解約・名義変更:各金融機関所定の相続届出書・通帳・キャッシュカード・貸金庫の鍵など。銀行ごとに書式が異なるため事前に問い合わせる
  • 証券口座の移管・解約:証券会社所定の書類・株式・投資信託の残高証明書
  • 相続税申告(課税対象の場合):財産の評価額を証明する書類一式。相続開始を知った翌日から10ヶ月以内に税務署へ申告・納付(国税庁)

銀行口座が凍結された場合も、「預貯金の仮払い制度」(家事事件手続法)を利用することで1金融機関あたり最大150万円または預金残高×1/3(相続人1人あたり)まで払い戻しを受けることができます。生活費や葬儀費用に充てる場合に活用できます。

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06 書類収集の注意点とよくあるミス

必要書類を揃える際に多くの方が陥りがちなミスと注意点を解説します。事前に把握しておくことで、手続きの遅延を防ぐことができます。

  • 印鑑証明書の期限切れ:多くの機関で発行から3ヶ月以内を要求。書類が揃う前後のタイミングで取得する
  • 戸籍謄本の「現在事項」と「全部事項」の混同:相続手続きには「全部事項証明書(謄本)」が必要。抄本(一部事項証明書)では対応できない場合がある
  • 相続放棄をした人の書類:相続放棄者の家庭裁判所の「相続放棄申述受理証明書」が必要になる場合がある。相続放棄の期限は相続を知った日から3ヶ月以内(家庭裁判所への申述)
  • 住所変更が多い場合の住民票:現住所と登記上の住所が異なる場合は「住所変更の履歴」を証明する書類が別途必要になることがある
  • 外国籍の相続人がいる場合:サイン証明や在外公館での手続きが必要になるため、早めに在外公館または専門家に相談する

書類の不備は手続き全体の遅れにつながります。提出先(法務局・金融機関など)に事前に必要書類リストを確認することを強くおすすめします。不安な場合は司法書士・行政書士などの専門家に相談しましょう。

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07 遺産分割協議書の作成手順と専門家への相談

書類が揃ったら、いよいよ遺産分割協議書の作成です。法律上、書式に決まった形式はありませんが、記載すべき内容を正確に盛り込む必要があります。

  • ①協議書に記載する内容:被相続人の氏名・死亡日・本籍地、相続人全員の氏名・住所、各財産の分割内容(不動産は登記簿の表示通りに記載)、作成日
  • ②相続人全員が自署・実印で押印:一人でも欠けると無効。未成年の相続人がいる場合は特別代理人の選任が必要
  • ③印鑑証明書を添付:各相続人の印鑑証明書(発行3ヶ月以内)を添付して提出
  • ④原本を相続人の数だけコピーまたは複数部作成:各相続人・提出機関ごとに原本が必要な場合がある

遺産分割協議書は公正証書にする必要はありませんが、相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超える財産がある場合や相続人間で争いがある場合は、司法書士・弁護士・税理士など専門家のサポートを検討してください。相続税申告の期限(相続開始を知った翌日から10ヶ月以内)を過ぎると加算税・延滞税が発生します。

相続手続き全体の流れを把握し、期限を守りながら計画的に進めることが大切です。相続登記の義務化(2024年4月1日施行)により、放置リスクも高まっています。不明点は法務局の「登記相談」や市区町村の「無料法律相談」を積極的に活用しましょう。

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この記事のまとめ

  • 遺産分割協議書には被相続人の戸籍謄本(出生〜死亡)・相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書・住民票・固定資産評価証明書(不動産がある場合)が基本書類
  • 戸籍謄本は本籍地の市区町村役場、印鑑証明書は住所地の役場、固定資産評価証明書は不動産所在地の役場で取得する
  • 印鑑証明書は多くの提出先で発行から3ヶ月以内のものが必要なため、書類提出直前に取得するのが確実
  • 2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に申請しないと10万円以下の過料が課される
  • 書類収集に不安がある場合は司法書士・行政書士などの専門家に相談し、相続税申告期限(10ヶ月以内)も見据えて計画的に手続きを進めることが重要

EDITORIAL TEAM

こもれび編集部 | 相続・諸手続き担当

監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム

本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。

最終更新日: 2026年06月25日

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