相続後の不動産売却|手続きの流れ・税金の特例・損しない進め方
相続した不動産を売却するには、『まず相続登記で名義を相続人に変え、その後に売却する』のが基本です。名義が亡くなった方のままでは売れません。売却益には譲渡所得税がかかりますが、取得費加算や空き家3000万円控除などの特例で軽減できます。相続人が複数なら、売って現金で分ける換価分割が公平です。流れと税金を知って、損せず進めましょう。
「相続した不動産を売るには?」「税金は?」という方に向けて、この記事では相続後の不動産売却の流れ、税金の特例、損しない進め方を解説します。
この記事でわかること
- 相続後に不動産を売却する流れ
- 売却前に必要な相続登記
- 譲渡所得税と使える特例
- 相続人が複数の場合・損しないコツ
★ あわせて準備したい
相続不動産の参考書
相続後の不動産売却は、手続きと税金が複雑です。相続と不動産の本があると、流れと特例を理解して臨めます。
01
相続後の不動産売却の流れ
相続した不動産を売却するまでの、基本の流れです。
- ①相続人を確定し、遺産分割協議で誰が相続するか決める
- ②相続登記(名義変更)を行う
- ③不動産会社に査定を依頼する
- ④媒介契約を結び、売り出す
- ⑤買主と売買契約・引き渡し
- ⑥譲渡所得税の確定申告(翌年)
名義が亡くなった方のままでは売却できません。まず相続登記が、売却の前提になります。
02
売却前に必要な相続登記
売却の前提として、相続登記で名義を相続人に変えます。
- 2024年4月から相続登記は義務化(取得を知った日から3年以内)
- 遺産分割協議で、不動産を相続する人を決める
- 登記には戸籍・遺産分割協議書・印鑑証明書などが必要
- 登録免許税(評価額×0.4%)がかかる
- 手続きが複雑なため、司法書士に依頼するのが一般的
売却を急ぐ場合でも、相続登記を飛ばすことはできません。査定と並行して相続登記を進めると、スムーズです。換価分割(売って分ける)の場合は、代表者の名義にして売る方法もあります。
03
譲渡所得税の基本
不動産を売って利益(譲渡所得)が出ると、税金がかかります。
- 譲渡所得=売却価格−(取得費+譲渡費用)−特別控除
- 取得費は、亡くなった方が買ったときの価格を引き継ぐ
- 取得費が不明な場合は、売却価格の5%で計算(概算取得費)
- 所有期間(被相続人の取得時から通算)で税率が変わる(長期・短期)
相続した不動産は、亡くなった方の取得費・取得時期を引き継ぎます。古くから持っていた不動産は、長期譲渡(税率が低い)になることが多いです。
04
使える税金の特例
相続した不動産の売却には、税負担を軽くする特例があります。
- 取得費加算の特例:相続税を払った場合、相続税の一部を取得費に加算できる(相続税の申告期限から3年以内の売却)
- 空き家の3000万円特別控除:一定要件を満たす被相続人の居住用家屋の売却で、3000万円控除
- マイホームの3000万円控除:自分の居住用として売る場合
特例には細かい要件と期限があります。特に『相続税の申告期限から3年以内』など、売却のタイミングで使える特例が変わります。大きく節税できるため、売却前に税理士に相談しましょう。
05
相続人が複数いる場合
相続人が複数いる不動産を売る場合の進め方です。
- 換価分割:売却して、現金を相続人で分ける。公平で分けやすい
- 共有名義のまま売る場合は、全員の合意・手続きが必要
- 代表者が単独名義にして売り、現金を分ける方法もある
- 売却価格・分け方を、事前に相続人で合意しておく
不動産は分けにくいため、売って現金で分ける換価分割が公平です。手続きや税金の負担を誰がどう持つかも、事前に決めておきましょう。
06
損しないためのコツ
相続した不動産を、損せず売るためのコツです。
- 複数の不動産会社で査定を比較する
- 特例が使えるか、期限内に売れるか税理士に確認
- 相続登記を早めに済ませ、売却の準備を進める
- 古い家は、解体か古家付き売却かを不動産会社に相談
- 急いで安く売らず、相場を把握してから決める
相続後の不動産売却は、税金の特例で大きく差が出ます。不動産会社と税理士、必要なら司法書士の力も借りて、損のない形で進めましょう。
★ あわせて準備したい
書類をまとめて保管する
相続登記や売却で使う戸籍・権利証・契約書は、ファイルにまとめて保管すると手続きがスムーズです。重要書類を整理しておきましょう。
よくある質問
Q. 相続した不動産はすぐ売れますか?
A. 名義が亡くなった方のままでは売れません。まず遺産分割協議で相続する人を決め、相続登記(名義変更)を行ってから売却します。相続登記は2024年から義務化(取得を知った日から3年以内)されています。査定と並行して相続登記を進めるとスムーズです。
Q. 相続した不動産を売ると税金はかかりますか?
A. 売って利益(譲渡所得)が出ると譲渡所得税がかかります。譲渡所得=売却価格−(取得費+譲渡費用)−特別控除で、取得費や取得時期は亡くなった方から引き継ぎます。古くから持っていた不動産は長期譲渡(税率が低い)になることが多いです。取得費が不明なら売却価格の5%で計算します。
Q. 相続した不動産の売却で使える特例は?
A. 相続税を払った場合に相続税の一部を取得費に加算できる『取得費加算の特例』(申告期限から3年以内の売却)、一定要件を満たす被相続人の居住用家屋の売却で3000万円控除できる『空き家の3000万円特別控除』などがあります。要件と期限が細かいため税理士に相談しましょう。
Q. 相続人が複数いる不動産はどう売りますか?
A. 売却して現金を相続人で分ける『換価分割』が公平で分けやすい方法です。共有名義のまま売る場合は全員の合意・手続きが必要で、代表者が単独名義にして売り現金を分ける方法もあります。売却価格・分け方・税負担を事前に相続人で合意しておきましょう。
Q. 相続した不動産を損せず売るには?
A. 複数の不動産会社で査定を比較し、特例が使えるか期限内に売れるか税理士に確認し、相続登記を早めに済ませ、古い家は解体か古家付き売却かを不動産会社に相談します。急いで安く売らず相場を把握してから決めましょう。税金の特例で大きく差が出るため専門家の力を借りましょう。
この記事のまとめ
- 相続後の不動産売却は、相続登記(名義変更)→査定→売り出し→売買→譲渡所得の申告の流れ
- 名義が亡くなった方のままでは売れない。売却前に相続登記が必要(2024年義務化)
- 売却益には譲渡所得税。取得費・取得時期は被相続人から引き継ぐ(古い物は長期譲渡)
- 取得費加算・空き家3000万円控除など特例で節税。期限があるため税理士に相談
- 相続人が複数なら売って現金で分ける換価分割が公平。査定比較で損を防ぐ
参考・出典
※制度・料金は改正や地域差があります。最新の情報は各公式サイト・お住まいの自治体でご確認ください。
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EDITORIAL TEAM
こもれび編集部 | 相続・諸手続き担当
監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム
本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。
最終更新日: 2026年06月12日




