相続手続きの費用はいくら?実費と専門家報酬の相場を解説
相続手続きの費用は、『自分で進めれば戸籍など書類の実費と相続登記の登録免許税で数万円、専門家に頼むと司法書士の登記報酬5〜10万円などが加わり、相続税がかかる場合はさらに負担が増える』のが目安です。何にいくらかかるかを知っておけば、必要なところだけ専門家に頼み、無駄な出費を抑えられます。まずは費用の全体像をつかみましょう。
親が亡くなったあとの相続手続きでは、戸籍の取得や不動産の名義変更、場合によっては相続税の申告まで、さまざまな費用がかかります。「いくらかかるのか不安」という方に向けて、この記事では実費と専門家報酬の相場、費用を抑えるコツまでをやさしく解説します。
この記事でわかること
- 自分でやる場合の実費(戸籍・証明書・登録免許税)
- 専門家に頼む場合の報酬相場(司法書士・税理士・弁護士・行政書士)
- 相続税がかかる場合の負担の考え方
- 誰に何を頼むと費用対効果が良いか・費用を抑えるコツ
01
相続手続きの費用の全体像
相続手続きの費用は、大きく「自分でかかる実費」「専門家への報酬」「相続税」の3つに分かれます。
- 実費:戸籍など書類の取得費、相続登記の登録免許税
- 専門家報酬:司法書士・税理士・弁護士などへの依頼料
- 相続税:遺産が基礎控除を超えた場合にかかる税金
- 相続財産の規模や、自分でやるか頼むかで総額は大きく変わる
まず押さえたいのは、これらがすべての人に等しくかかるわけではない、ということです。預貯金の名義変更だけなら実費はわずかで済みますし、不動産があれば相続登記の登録免許税がかかります。遺産が一定額を超えなければ相続税はかかりません。自分でできる部分と専門家に頼む部分を見極めることが、費用を抑える出発点になります。
02
自分でやる場合の実費(戸籍・証明書・登録免許税)
自分で相続手続きを進める場合、まずかかるのが書類の取得費と登録免許税です。
- 戸籍謄本:1通あたり数百円(450〜750円程度)
- 出生から死亡までの戸籍一式:合計で数千円になることが多い
- 住民票・印鑑証明書:1通あたり数百円
- 相続登記の登録免許税:不動産の固定資産税評価額×0.4%
相続では、亡くなった方の出生から死亡までのつながった戸籍をすべて集める必要があり、本籍を移していると複数の役所から取り寄せるため合計で数千円ほどになります。不動産の名義変更(相続登記)には登録免許税がかかり、税額は固定資産税評価額の0.4%です。たとえば評価額1,000万円の土地なら4万円が目安です。これらの実費だけなら、全体で数万円程度におさまることが多いといえます。
03
専門家に頼む場合の報酬相場
手続きが複雑な場合や手間を省きたい場合は、専門家に依頼します。役割と報酬の目安は次のとおりです。
- 司法書士:相続登記(不動産の名義変更)が専門。報酬の目安は5〜10万円程度
- 税理士:相続税の申告が専門。報酬は遺産総額の0.5〜1%が目安
- 弁護士:相続人どうしで争いがある場合の交渉・調停を担当
- 行政書士:遺産分割協議書の作成や預貯金の名義変更など書類関係
専門家ごとにできることが違うのが大切なポイントです。不動産の名義変更は司法書士、相続税の申告は税理士、相続人どうしでもめている場合は弁護士、と役割が分かれます。たとえば司法書士に相続登記を頼むと登録免許税とは別に5〜10万円程度の報酬がかかります。税理士の相続税申告は遺産総額の0.5〜1%が目安なので、遺産5,000万円なら25〜50万円ほどが相場です。まずは無料相談で見積もりを取り、必要な部分だけ依頼すると無駄がありません。
04
相続税がかかる場合の負担
相続税は、遺産が一定額(基礎控除)を超えたときだけかかる税金です。多くの相続では、そもそも相続税はかかりません。
- 基礎控除=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
- 遺産総額がこの基礎控除以下なら相続税はかからない
- 相続人が3人なら基礎控除は4,800万円
- 超えた分にだけ、段階的な税率で相続税がかかる
たとえば法定相続人が配偶者と子ども2人の合計3人なら、基礎控除は3,000万円+600万円×3人で4,800万円です。遺産総額がこの額以下であれば相続税はかからず、申告も原則不要です。基礎控除を超える場合は、超えた部分に対して税金がかかり、税理士への申告依頼料も必要になります。配偶者には大きな税額軽減があるなど特例も多いため、相続税がかかりそうな場合は早めに税理士や税務署に確認すると安心です。
05
誰に何を頼むと費用対効果が良いか
費用を抑えるコツは、すべてを丸投げせず、必要な手続きだけ適した専門家に頼むことです。
- 不動産の名義変更だけなら司法書士に依頼
- 相続税の申告が必要なら税理士に依頼
- 相続人どうしの争いがあるときだけ弁護士に依頼
- 預貯金の解約や書類作成は自分でできることも多い
注意したいのは、争いがないのに最初から弁護士に頼むと費用がかさみやすい点です。相続人どうしで話し合いがまとまっているなら、不動産は司法書士、相続税は税理士、という分担で十分なことが多くあります。預貯金の名義変更や戸籍集めは、時間に余裕があれば自分で進めれば報酬がかかりません。逆に、もめている・遺産が多い・手続きが複雑といった場合は、専門家に頼むほうが結果的に時間と労力を節約でき、費用対効果が良くなります。
06
相続手続きの費用を抑えるコツ
同じ相続手続きでも、進め方しだいで費用は抑えられます。
- 自分でできる手続き(戸籍集め・預貯金の解約)は自分で行う
- 専門家には複数から見積もりを取って比べる
- 無料相談を活用して、必要な依頼内容を絞る
- 相続登記は期限内(3年以内)に行い過料を避ける
- 法定相続情報一覧図を使うと戸籍の束を何度も出さずに済む
費用を抑えるには、まず自分でできる範囲を見極めることです。戸籍集めや預貯金の解約は手間はかかりますが自分でできます。専門家に頼む場合も、報酬は事務所によって差があるため、複数から見積もりを取りましょう。なお、相続登記は2024年から義務化され、原則3年以内に行わないと過料の対象になることがあります。期限を守ることも、結果的な余計な出費を防ぐコツです。法務局で『法定相続情報一覧図』を取得しておくと、各手続きで戸籍の束を何度も提出せずに済み、手間と取得費の節約になります。
よくある質問
Q. 相続手続きには全部でいくらかかりますか?
A. ケースによって大きく変わります。自分で進める場合は戸籍など書類の取得費が数千円、不動産があれば相続登記の登録免許税が評価額の0.4%かかり、全体で数万円程度におさまることが多いです。専門家に頼むと司法書士の登記報酬5〜10万円などが加わり、相続税がかかる場合はさらに税額と税理士報酬が必要になります。まずは何にいくらかかるかを把握しましょう。
Q. 戸籍などの書類はいくらくらいかかりますか?
A. 戸籍謄本は1通あたり450〜750円程度で、出生から死亡までのつながった戸籍をすべて集めると合計で数千円になることが多いです。本籍を何度も移していると複数の役所から取り寄せるため、その分費用がかさみます。住民票や印鑑証明書も1通あたり数百円です。これらは自分で役所に請求でき、手間はかかりますが専門家報酬はかかりません。
Q. 相続登記の費用はどのくらいですか?
A. 相続登記には登録免許税がかかり、税額は不動産の固定資産税評価額の0.4%です。たとえば評価額1,000万円の土地なら4万円が目安です。司法書士に依頼する場合は、これとは別に5〜10万円程度の報酬がかかります。自分で法務局に申請すれば報酬はかからず、登録免許税と書類取得費の実費で済みます。相続登記は2024年から義務化され、原則3年以内の申請が必要です。
Q. 相続税は必ずかかりますか?
A. いいえ、相続税は遺産総額が基礎控除を超えた場合だけかかります。基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数で計算し、相続人が3人なら4,800万円です。遺産がこの額以下なら相続税はかからず、申告も原則不要です。多くの相続では基礎控除以下で課税されません。超えそうな場合は、配偶者の税額軽減などの特例もあるため、税理士や税務署に確認すると安心です。
Q. 費用を抑えるにはどうすればいいですか?
A. 自分でできる手続きは自分で行うのがいちばんの節約です。戸籍集めや預貯金の解約は手間はかかりますが報酬なしでできます。専門家に頼む場合も複数の事務所から見積もりを取り、無料相談で必要な依頼内容を絞りましょう。法務局で法定相続情報一覧図を取得しておくと、各手続きで戸籍の束を何度も出さずに済み、手間と取得費の節約になります。
この記事のまとめ
- 相続手続きの費用は「実費」「専門家報酬」「相続税」の3つに分かれる
- 自分でやる実費は戸籍など数千円と、相続登記の登録免許税(評価額×0.4%)が中心
- 専門家報酬は司法書士の登記5〜10万円、税理士の相続税申告は遺産総額の0.5〜1%が目安
- 相続税は基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)を超えた分だけかかる
- 必要な手続きだけ適した専門家に頼み、自分でできる部分は自分で行うと費用を抑えられる
あわせて読みたい
GUIDE
遺品整理と司法書士|相続手続きで頼れること・依頼の流れと費用
GUIDE
永代供養の費用相場|種類別の料金と注意点
GUIDE
遺品整理の費用相場|部屋別と節約3つのコツ
EDITORIAL TEAM
こもれび編集部 | 相続・諸手続き担当
監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム
本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。
最終更新日: 2026年06月24日


