エンディングノートの書き方と項目一覧|何から書けばいいか迷っている方へ
「エンディングノートを書こうと思っているけど、何から始めればいいか分からない」「親に書いてほしいが、どう切り出せばいいか」——そんな方は少なくありません。エンディングノートは「死の準備」ではなく、家族への情報整理と意思伝達のためのツールです。
この記事では、エンディングノートの基本・書くべき項目・書き方のコツ・親への勧め方まで、わかりやすく解説します。
この記事でわかること
- エンディングノートと遺言書の違い
- 必ず書いておくべき最優先5項目
- 書き方の5つのコツ
- 親への勧め方と保管場所
エンディングノートとは|遺言書との違い
エンディングノートは「家族のための情報ノート」
エンディングノートとは、自分に何かあったときに家族が困らないよう、必要な情報・意思・希望をまとめておくノートのことです。
遺品整理の現場で最も多い困りごとのひとつが「あの人の情報がどこにあるか分からない」というケース。保険証書の場所・銀行口座の情報・スマホのパスワード。これらがまとまっているだけで、残された家族の負担は大きく軽減されます。
遺言書とエンディングノートの違い
| 項目 | エンディングノート | 遺言書 |
|---|---|---|
| 法的効力 | なし | あり |
| 形式 | 自由 | 法律で定められた形式 |
| 書ける内容 | 全般(医療・ペット・メッセージ) | 財産分配・相続人指定等 |
| 書きやすさ | 気軽に書ける | 専門家の助言推奨 |
| 費用 | 1,000〜3,000円 | 自筆なら無料、公正証書は数万円 |
どちらか一方を選ぶのではなく、まずエンディングノートで情報を整理し、必要に応じて遺言書を作成するのが理想的な流れです。
最優先で書くべき5項目
家族が最も困る「5つの情報」
すべての項目を一度に書こうとすると途中で止まってしまいます。まずこの5項目だけ書いておけば家族の不安は大きく減ります。
①資産・財産の情報
- 銀行口座(金融機関名・支店名・口座番号)
- 保険証書の保管場所
- 株式・投資信託の有無
- 不動産情報
- 借入金・負債
相続手続きの「起点」となる最重要情報。遺品整理の現場では、通知が来るまで保険の存在すら知らなかったケースが少なくありません。
②デジタル情報
- スマートフォンのロック解除方法(PIN・パスコード)
- パソコン・タブレットのログインパスワード
- サブスクリプションサービスの一覧と解約方法
- SNSアカウント情報
- 暗号資産(仮想通貨)のウォレット情報
スマホがロックされたまま、サブスクが解約できないまま続くケースが近年急増。パスワードが分からず故人のスマホ内の写真も見られないという悲しい事例もあります。
③医療・介護の希望
- 延命治療への意思(望む・望まない)
- 認知症になった場合の介護方針
- かかりつけ医・持病・アレルギー・服用薬
- 入院時の希望施設
④葬儀・お墓の希望
- 葬儀の形式(家族葬・一般葬・直葬)
- 希望する葬儀社
- 参列してほしい人のリスト
- お墓の希望(一般墓・樹木葬・納骨堂)
家族葬の費用は「家族葬の費用」、樹木葬は「樹木葬の費用はいくら?」で詳しく解説しています。
⑤連絡先リスト
- 訃報を知らせる親族・友人の連絡先
- 会社・取引先
- 近所の知り合い
- かかりつけ医・弁護士等の専門家
エンディングノート記入の5つのコツ
①完璧を目指さず「書けるところから」
空欄があってもOK。書ける項目から埋めていくと進みやすいです。
②定期的に見直す習慣
人生の節目(定年・配偶者の死・引越し)や1年に1回は見直し。古い情報のままだと役に立たなくなります。
③鉛筆・修正できるペンで書く
情報は変わります。書き換えられる形式で書くのがおすすめ。
④家族に保管場所を伝える
書いただけで家族が知らなければ意味がありません。「金庫に入れてある」「本棚の○○の中」と必ず伝えること。
⑤デジタル版も検討
紙のノートだけでなく、スマホアプリやクラウド版も併用するとパスワード管理に便利です。
親にエンディングノートを勧めるコツ
切り出し方の4つの工夫
| NGフレーズ | 推奨フレーズ |
|---|---|
| 「死ぬ前に書いて」 | 「情報をまとめておこう」 |
| 「エンディングノート書いて」 | 「家族ノートがあるといいよ」 |
| 「もしものときのため」 | 「引越しのときにも役立つよ」 |
| 急かす言葉 | 「一緒にゆっくり書こう」 |
自分も一緒に書き始めると、親も抵抗感が減ります。終活の切り出し方は「終活は何から始める?」でも詳しく解説しています。
書き込みやすい項目設計のエンディングノートは楽天市場で1,000円前後から多数揃っています。文字が大きく高齢者にも使いやすいタイプが人気です。
エンディングノートの保管場所
推奨される保管場所
- 金庫・鍵付き引き出し:個人情報保護
- 仏壇の引き出し:家族が探しやすい
- 貴重品と一緒に:通帳・印鑑と同じ場所
避けるべき場所
- 他人が触れる場所(応接室の本棚等)
- 見つからない場所(押入れの奥)
- 家族に伝えていない場所
遺言書と違って金庫に厳重保管する必要はなく、「家族が見つけやすい場所」に置くのが原則です。
よくある質問
Q. エンディングノートに法的効力はある?
A. ありません。財産分配など法的効力が必要な事項は、遺言書で別途作成する必要があります。
Q. 何歳から書くべき?
A. 年齢不問です。50代から書き始める方が多いですが、病気や事故は若い世代にも起こります。書きたいと思ったときがベストタイミングです。
Q. 手書きとデジタル、どちらがいい?
A. 併用がおすすめ。紙は家族が見つけやすく、デジタルはパスワード管理に便利です。
Q. 全部書くのに時間がかかります
A. 一度に全部書く必要はありません。最優先5項目から始め、年1回見直しながら少しずつ充実させていけばOKです。
まとめ
エンディングノートは①財産情報 ②デジタル情報 ③医療希望 ④葬儀希望 ⑤連絡先の5項目から書き始めましょう。完璧を目指さず書けるところから、定期的に見直すのがコツ。親に勧める際は「家族ノート」と言い換えて、一緒に書くスタンスで進めるのが効果的です。
