火葬式(直葬)は通夜・告別式を行わない最も簡素な葬送形式ですが、逝去した当日に火葬することは法律上できません。墓地埋葬法により、死亡後24時間を経過しなければ火葬できないと定められているためです。全体の流れは次のとおりです。

この記事でわかること

  • 臨終直後の流れ
  • 死亡届・火葬許可証の手続きと火葬場の予約
  • 火葬当日の流れ
  • 収骨(骨上げ)の作法と地域による違い

★ あわせて準備したい

急な弔事に備えておきたい数珠

火葬式は儀式を省いた形式ですが、合掌して故人を見送る際には数珠があると心が整います。急な訃報にも慌てないよう、一人ひとつ自分の数珠を用意しておきましょう。

24時間 火葬までの法定待機時間
墓地埋葬法により死後24時間は火葬不可
7日以内 死亡届の提出期限
死亡を知った日から。通常は葬儀社が代行
1〜2時間 火葬の所要時間
収骨まで含めると2〜3時間が目安

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01 火葬式の全体スケジュール|逝去から火葬まで通常2〜4日

  • 【1日目】臨終 → 葬儀社へ連絡 → 搬送 → 安置:死亡診断書の受け取り、安置場所への搬送、葬儀社との打ち合わせを行います。
  • 【1〜2日目】死亡届の提出・火葬許可証の取得・火葬場の予約:多くは葬儀社が代行します。
  • 【2〜4日目】納棺 → 出棺 → 火葬 → 収骨:火葬当日の所要時間は2〜3時間程度です。

火葬場の予約が取れれば最短で逝去の翌日に火葬できますが、都市部では火葬場が混み合い、3〜7日待つことも珍しくありません。年末年始や友引の翌日は特に混雑します(友引を休場日とする火葬場が多いため)。待機日数分の安置料・ドライアイス代(1日1.5〜3万円程度)がかかる点は費用面の注意点です。

【まず落ち着いて】臨終直後に遺族がすべきことは「死亡診断書の受け取り」と「葬儀社への連絡」の2つだけです。病院の霊安室に安置できるのは数時間程度のため搬送先は早めに決める必要がありますが、葬儀社選びを焦って言い値で契約しないよう、可能なら複数社に電話で概算を確認しましょう。

01 火葬式の全体スケジュール|逝去から火葬まで通常2〜4日
写真: shy / Pexels

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02 臨終直後の流れ|死亡診断書の受け取りと搬送・安置

病院で亡くなった場合を例に、臨終直後の手順を説明します。

手順1:死亡診断書を受け取る

医師による死亡確認後、死亡診断書(発行料3,000円〜1万円程度)が発行されます。死亡診断書は死亡届と一体の用紙になっており、以後のあらゆる手続きの起点となる書類です。生命保険請求などで複数枚必要になることがあるため、コピーを5〜10枚取っておくことをおすすめします。自宅で亡くなった場合はかかりつけ医または警察(検案)への連絡が必要で、事件性の確認が済むまで遺体を動かしてはいけません。

手順2:葬儀社へ連絡し寝台車で搬送

葬儀社に連絡すると寝台車が迎えに来ます(病院への到着まで30分〜1時間程度)。搬送先は次のいずれかです。

  • 自宅:安置料はかからないがドライアイス交換や布団の用意が必要。
  • 葬儀社・火葬場の安置施設:1日5,000円〜2万円程度。住宅事情で自宅安置が難しい場合の主流。

手順3:打ち合わせ

安置後、葬儀社と火葬式プランの内容・日程・費用を打ち合わせます。「総額でいくらか」「安置が延びた場合の追加料金」「お別れの時間や面会の可否」を必ず書面で確認してください。あわせて菩提寺がある場合はこの時点で必ず連絡を。読経なしの火葬式を認めない寺院もあり、無断で行うと納骨を断られるおそれがあります。

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03 死亡届・火葬許可証の手続きと火葬場の予約

火葬を行うには、法律上の手続きが2つ必要です。いずれも葬儀社が代行するのが一般的ですが、流れを知っておくと安心です。

  • ①死亡届の提出:死亡診断書と一体の死亡届に必要事項を記入し、死亡を知った日から7日以内に市区町村役場(死亡地・本籍地・届出人の所在地のいずれか)へ提出します。届出人は親族等がなりますが、提出自体は葬儀社が使者として代行できます。
  • ②火葬許可証の取得:死亡届の提出と同時に「死体火葬許可申請」を行い、火葬許可証の交付を受けます。この許可証がなければ火葬場は受け入れてくれません。
  • ③火葬場の予約:葬儀社が空き状況を確認して予約します。公営火葬場は住民なら無料〜2万円程度、民営(東京23区など)は5.9万〜9万円程度が目安です。

火葬後、火葬許可証に火葬済みの証明印が押されて返却されます。これが「埋葬許可証」となり、納骨の際に必ず必要です。骨壷の箱に入れて返してくれることが多いので、紛失しないよう保管してください(紛失時は火葬場のある自治体で再発行可能。5年経過後は火葬場の火葬証明書が必要になるなど手間が増えます)。

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04 火葬当日の流れ|納棺から収骨までのタイムスケジュール

火葬当日は、おおよそ次のようなスケジュールで進みます(10時火葬開始の例)。

時刻内容
8:30頃安置場所で納棺。愛用品や手紙、花などを棺に納める(金属・ガラス・厚い書籍など不燃物は不可)
9:30出棺・火葬場へ移動。同行者は寝台車・自家用車等で向かう
9:50火葬場到着・火葬許可証を提出。炉前で最後のお別れ(5〜10分程度)。僧侶を手配していれば炉前読経
10:00火葬(1〜2時間)。待合室で待機(茶菓子・軽食を用意できる火葬場もある)
11:30頃収骨(骨上げ)。二人一組で箸を使い、足元から頭に向かって骨壷に納めるのが一般的(地域差あり)
12:00埋葬許可証を受け取り解散。希望により会食(精進落とし)

当日の持ち物・服装

  • 火葬許可証(葬儀社が管理している場合が多い)、現金(火葬料・心付けが必要な地域も)、数珠
  • 服装は喪服が基本ですが、家族のみの火葬式では黒・紺・グレーの地味な平服でも差し支えありません。派手な色・柄、過度な肌の露出、光る装飾品は避けます。
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02 臨終直後の流れ|死亡診断書の受け取りと搬送・安置
写真: cottonbro studio / Pexels

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05 収骨(骨上げ)の作法と地域による違い

火葬が終わると、係員の案内で収骨室へ移動し、遺骨を骨壷に納める「収骨(骨上げ)」を行います。

  • 基本の作法:喪主から血縁の深い順に、二人一組で竹製・木製の箸を使い、同じ骨を二人で挟んで(または箸から箸へ渡して)骨壷に納めます。これは「箸渡し」と呼ばれ、故人を三途の川の渡し場に導くという意味があるとされます。
  • 納める順番:足元の骨から始めて頭部へと下から上に納め、最後に喉仏(第二頸椎)を喪主または最も近しい人が納めるのが一般的です。
  • 地域差:東日本ではすべての遺骨を大きめの骨壷(7寸程度)に納める「全収骨」、西日本では主要な骨のみを小さめの骨壷(3〜5寸)に納める「部分収骨」が主流です。残った遺骨は火葬場が供養します。

収骨後、骨壷は白木の箱に入れられ、埋葬許可証と一緒に喪主が持ち帰ります。遺骨は両手で胸の高さに抱えて運ぶのが丁寧な作法です。分骨を希望する場合は、事前に葬儀社へ伝えて分骨用の骨壷と「分骨証明書」を用意してもらいましょう。後から分骨するより、火葬場での分骨のほうが手続きが簡単です。

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06 火葬後にやること|遺骨の安置・納骨と各種手続き

火葬式が終わったあとにも、供養と事務手続きの両面でやるべきことがあります。

遺骨の供養

  • 自宅安置(後飾り祭壇):四十九日までは自宅の後飾り祭壇(葬儀社プランに含まれることが多い)に遺骨を安置し、線香や花を供えます。
  • 納骨:四十九日や百か日を目安に納骨するのが一般的ですが、法律上の期限はありません。お墓がない場合は永代供養墓(5〜30万円)、納骨堂(20〜100万円)、樹木葬(20〜80万円)などから検討します。納骨時には埋葬許可証が必要です。
  • 手元供養:ミニ骨壷などで自宅に置き続ける選択も可能です。ただし遺骨を墓地以外の土地に埋めることは法律で禁止されています。

事務手続き(主な期限)

  • 年金の受給停止:厚生年金10日以内・国民年金14日以内。未支給年金の請求も忘れずに。
  • 健康保険・介護保険の資格喪失届:14日以内(国保等)。あわせて葬祭費(3〜7万円)・埋葬料(5万円)の申請を(時効2年)。
  • 世帯主変更届:14日以内(該当する場合)。
  • 公共料金・携帯電話等の名義変更・解約相続手続き(相続放棄は3ヶ月以内、相続税申告は10ヶ月以内)。

火葬式は参列者対応が少ないぶん、こうした死後手続きに早めに着手できるのが利点でもあります。訃報を後から知った方への挨拶状の送付や、弔問への対応も落ち着いて進めましょう。

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この記事のまとめ

  • 火葬式の流れは「臨終→搬送・安置→死亡届・火葬許可証→納棺→出棺→火葬・収骨」で、逝去から火葬まで通常2〜4日
  • 死亡後24時間は法律上火葬できず、最低1日の安置が必要。都市部では火葬場の空き待ちで3〜7日かかることもある
  • 死亡届は7日以内に提出し火葬許可証を取得(葬儀社が代行可)。火葬後に返却される埋葬許可証は納骨に必須
  • 当日は納棺から収骨まで2〜3時間。収骨は二人一組の箸渡しで足元から納め、東日本は全収骨・西日本は部分収骨が主流
  • 火葬後は四十九日を目安に納骨を検討し、葬祭費・埋葬料の申請(時効2年)や年金停止など死後手続きを進める

参考・出典

※制度・料金は改正や地域差があります。最新の情報は各公式サイト・お住まいの自治体でご確認ください。

EDITORIAL TEAM

こもれび編集部 | 葬儀・お墓・供養担当

監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム

本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。

最終更新日: 2026年06月30日

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