火葬式(直葬)とは、通夜・告別式といった儀式を行わず、安置場所から直接火葬場へ向かい、火葬のみで故人を見送る形式です。近年は「経済的な事情」「故人の遺志」「参列者がほとんどいない」などの理由で選ばれることが増え、都市部では葬儀全体の1〜2割を占めるともいわれます。

この記事でわかること

  • 火葬式の費用相場と内訳
  • 火葬料金の地域差
  • 追加料金が発生しやすい4つのポイント
  • 費用をさらに抑える方法と公的給付・扶助制度

★ あわせて準備したい

自宅で故人を偲ぶ手元供養という選択

火葬式のあと、お墓の準備が整うまで遺骨を自宅で保管する方も多くいます。小さな骨壷やミニ仏壇を使った手元供養なら、いつでも身近に故人を感じながらお参りできます。

10〜30万円 火葬式の総額相場
搬送・安置・棺・火葬料を含む目安
0〜9万円 火葬料金の幅
公営は住民無料の自治体も。東京23区の民営は5.9万〜9万円程度
3〜7万円 葬祭費の給付額
国民健康保険等の加入者。申請時効2年

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01 火葬式(直葬)とは|費用が抑えられる理由

費用が安い理由

  • 式場使用料が不要:通夜・告別式を行わないため、1日5〜20万円かかる式場費が発生しません。
  • 祭壇が不要:数十万円かかることもある祭壇を設営しません。
  • 飲食接待費・返礼品が最小限:通夜振る舞いや精進落としがなく、会葬返礼品もほぼ不要です。
  • 人件費が少ない:司会や式進行のスタッフが不要で、搬送・火葬立会いのみの最小人員で済みます。

一方で、搬送費・安置料・棺・骨壷・火葬料金・死亡届等の手続き代行といった「火葬に最低限必要な費用」は必ず発生します。これらを合計したものが火葬式の基本費用です。なお、墓地埋葬法により死亡後24時間は火葬できないため、最低1日分の安置費用は必ずかかることを覚えておきましょう。

01 火葬式(直葬)とは|費用が抑えられる理由
写真: Hendry Setiawan / Pexels

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02 火葬式の費用相場と内訳|総額10〜30万円の中身

火葬式の費用は、葬儀社のプラン料金(10〜20万円程度)+火葬料金(0〜9万円)+追加費用で構成されます。内訳の目安は次のとおりです。

項目相場備考
寝台車での搬送1回1.5〜3万円病院→安置場所、安置場所→火葬場の2回以上必要
安置料1日5,000円〜2万円安置施設利用の場合。自宅安置なら不要
ドライアイス1日8,000円〜1.5万円安置日数分必要
棺・仏衣・骨壷3〜10万円棺のグレードで大きく変動
手続き代行・人件費2〜5万円死亡届提出・火葬許可証取得の代行など
火葬料金0〜9万円公営/民営、住民/住民外で大差

これらを合計すると、安置1〜2日のシンプルな構成で総額10〜20万円、都市部で安置が長引いた場合や民営火葬場利用で20〜30万円が実際の相場感です。読経を希望して僧侶を炉前に呼ぶ場合は、お布施3〜10万円が別途かかります。

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03 火葬料金の地域差|公営は無料〜、民営は9万円程度まで

火葬式の総額を左右する大きな要素が火葬料金です。火葬場には自治体が運営する公営と、民間企業が運営する民営があり、料金体系が大きく異なります。

  • 公営火葬場(住民料金):無料〜2万円程度。市民・区民であれば無料とする自治体も多くあります(例:大阪市1万円、横浜市1.2万円など。金額は改定されるため必ず自治体サイトで確認を)。
  • 公営火葬場(住民外料金):住民料金の2〜4倍に設定されることが一般的です。故人の住所地以外で火葬する場合は注意が必要です。
  • 民営火葬場:5〜9万円程度。東京23区は火葬場の大半が民営で、標準的な炉で5.9万〜9万円程度かかります。火葬中の待合室使用料や骨壷代が別料金の場合もあります。

つまり同じ火葬式でも、公営火葬場が使える地域なら総額10万円台前半、東京23区など民営中心の地域では20万円前後と、地域だけで数万円以上の差が生じます。見積もりを比較する際は「火葬料金が含まれているか」「どの火葬場を使う想定か」を必ず確認しましょう。

【手続きの基礎知識】火葬には市区町村発行の「火葬許可証」が必要です。死亡届(死亡を知った日から7日以内に提出)と同時に申請し、火葬後に返却される「埋葬許可証」は納骨時に必要になるため大切に保管してください。手続きは葬儀社が代行するのが一般的です。

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04 追加料金が発生しやすい4つのポイント

「9万円プランのはずが最終請求は25万円だった」というトラブルの多くは、次の4つの追加費用が原因です。

  • ①安置日数の延長:都市部では火葬場の予約が取れず、火葬まで3〜7日待つことがあります。安置料+ドライアイスで1日1.5〜3万円が日数分加算されるため、4日待てば6〜12万円の追加になることも。プランに含まれる安置日数を必ず確認しましょう。
  • ②搬送距離・回数の超過:「搬送○kmまで無料」の範囲を超えると距離加算されます。深夜早朝の割増料金がかかる場合もあります。
  • ③お別れの時間・面会の追加:格安プランでは安置中の面会が有料(1回5,000円〜1万円)だったり、火葬前のお別れの時間が取れなかったりします。「最後に顔を見てお別れしたい」という希望がある場合は、プラン内容を確認してください。
  • ④火葬料金・待合室料金が別:プラン表示に火葬料金が含まれていないケースは非常に多いです。民営火葬場では収骨容器や待合室が別料金のこともあります。

国民生活センターには葬儀の料金トラブル相談が毎年多数寄せられています。契約前に「総額でいくらになるか」「何が起きると追加になるか」を書面で確認することが、トラブル防止の最大のポイントです。

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02 火葬式の費用相場と内訳|総額10〜30万円の中身
写真: RDNE Stock project / Pexels

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05 費用をさらに抑える方法と公的給付・扶助制度

火葬式の費用負担を軽くするには、次の方法と公的制度を活用しましょう。

費用を抑える工夫

  • 複数社の相見積もり:同じ火葬式でも葬儀社により5〜10万円の差が出ます。定額制の葬儀仲介サービスと地元葬儀社の両方を比較すると相場感がつかめます。
  • 自宅安置を選ぶ:住宅事情が許せば、安置施設料を節約できます(ドライアイスは必要)。
  • 公営火葬場を利用する:住民料金で使える公営火葬場があれば数万円の節約になります。

公的給付・扶助

  • 葬祭費(国民健康保険・後期高齢者医療制度):喪主等の申請により3〜7万円(自治体による。東京23区は7万円)が支給されます。申請先は市区町村窓口、時効は葬儀の翌日から2年です。
  • 埋葬料(健康保険):会社員等の健康保険加入者が亡くなった場合、生計維持関係にあった方に5万円が支給されます。
  • 葬祭扶助(生活保護法):遺族が生活保護受給中などで葬儀費用を負担できない場合、自治体が定める基準額(大人でおおむね20万円前後)の範囲で火葬に必要な費用が扶助されます。必ず葬儀の前に福祉事務所へ申請する必要があり、葬儀後の申請は認められません。

また、火葬式の費用も相続税計算上の葬式費用として相続財産から控除できます(国税庁タックスアンサーNo.4129)。領収書は保管しておきましょう。

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06 火葬式のデメリットと後悔しないための注意点

費用面のメリットが大きい火葬式ですが、選ぶ前に知っておくべきデメリットと注意点があります。

  • お別れの時間が短い:儀式がないため、故人と過ごせるのは火葬前の5〜10分程度のことも。「もっとちゃんと見送ればよかった」という後悔の声は少なくありません。お別れの時間を重視するなら一日葬(相場30〜50万円)も検討を。
  • 菩提寺とのトラブル:読経なしの火葬式を菩提寺が認めず、納骨を断られるケースがあります。菩提寺がある場合は必ず事前に相談してください。炉前読経(お布施3〜10万円)で折り合えることもあります。
  • 親族の反発:「葬式もしないなんて」と親族間の感情的な対立に発展することがあります。決定前に主要な親族へ事情を説明し、理解を得ておきましょう。
  • 弔問対応が後から続く:参列の機会がなかった知人・関係者が、葬儀後に個別に自宅へ弔問に訪れ、対応が長期化することがあります。四十九日などの節目にお別れ会を開く方法もあります。
  • 香典・弔電の扱い:辞退する場合は訃報連絡の際に明確に伝えましょう。

火葬式は「費用を抑えて静かに見送りたい」という合理的な選択肢ですが、後悔やトラブルの芽は費用以外のところにあります。菩提寺・親族への事前相談と、お別れの時間の確保だけは省略しないことをおすすめします。

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この記事のまとめ

  • 火葬式(直葬)の費用相場は総額10〜30万円。広告の最低価格には火葬料金や安置延長分が含まれないことが多い
  • 火葬料金は公営(住民)なら無料〜2万円、東京23区など民営中心の地域では5.9万〜9万円程度と地域差が大きい
  • 追加費用の主因は安置日数の延長(1日1.5〜3万円)・搬送超過・面会料・火葬料別途の4つ。総額を書面で確認する
  • 葬祭費3〜7万円(国保等)・埋葬料5万円(健保)は申請制で時効2年。生活保護の葬祭扶助は必ず葬儀前に申請
  • 菩提寺と親族への事前相談を省くと納骨拒否や親族トラブルにつながる。お別れの時間の確保も後悔防止のポイント

参考・出典

※制度・料金は改正や地域差があります。最新の情報は各公式サイト・お住まいの自治体でご確認ください。

EDITORIAL TEAM

こもれび編集部 | 葬儀・お墓・供養担当

監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム

本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。

最終更新日: 2026年06月30日

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