相続税申告の費用は、税理士に依頼すると遺産総額の0.5〜1%程度が目安で、遺産5,000万円なら25〜50万円かかります。一方、自分で申告すれば書類取得代の数千〜数万円で済みますが、申告ミスのリスクも伴います。

「税理士への依頼費用が高そうで不安」「そもそも申告が必要なのか分からない」とお悩みの方は多いはずです。この記事では、税理士報酬の相場・自分で申告する場合の費用・申告不要のケースまで、費用に関するすべての疑問を整理して解説します。

この記事でわかること

  • 税理士に相続税申告を依頼した場合の費用相場
  • 自分で申告した場合にかかる実費と注意点
  • 相続税申告が不要になるケースの判断基準
  • 費用を抑えつつ安全に申告を済ませるポイント

★ あわせて準備したい

相続税申告をスムーズに進めるための参考書

相続税の仕組みや申告手続きを体系的に学べる書籍を活用すれば、税理士への依頼前に全体像を把握できます。費用の見積もりや専門家との打ち合わせもスムーズになります。

0.5〜1% 税理士報酬の目安
遺産総額に対する割合
10ヶ月 相続税申告の期限
相続開始を知った翌日から
3,000万円+600万円×人数 基礎控除額
これ以下なら申告不要

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01 相続税申告が必要かどうかをまず確認しよう

相続税申告を検討する前に、そもそも申告が必要かどうかを確認することが最初のステップです。相続税には基礎控除があり、遺産総額がこの控除額を下回る場合は申告も納税も不要です。

  • 基礎控除額の計算式:3,000万円+600万円×法定相続人数
  • 例:法定相続人が配偶者と子2人(計3人)の場合、3,000万円+600万円×3人=4,800万円
  • 遺産総額(債務・葬儀費用控除後)がこの額以下なら申告不要
  • 配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例を使う場合は、適用後に税額がゼロでも申告が必要

国税庁が提供する「相続税の申告要否判定コーナー」(国税庁ウェブサイト)を使えば、オンラインで簡単に申告要否を確認できます。まずこのツールで確認してから、費用の検討に進みましょう。

【重要】相続税申告の期限は、相続開始を知った翌日から10ヶ月以内(国税庁)。この期限を過ぎると無申告加算税や延滞税が発生するため、申告要否の確認は早めに行いましょう。

01 相続税申告が必要かどうかをまず確認しよう
写真: Leeloo The First / Pexels

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02 税理士に依頼した場合の費用相場

相続税申告を税理士に依頼した場合の報酬は、一般的に遺産総額に対するパーセンテージで算出されます。業界全体の目安は遺産総額の0.5〜1%程度で、最低報酬として5〜10万円が設定されていることが多いです。

  • 遺産総額3,000万円:15〜30万円程度
  • 遺産総額5,000万円:25〜50万円程度
  • 遺産総額1億円:50〜100万円程度
  • 不動産が多数ある場合:基本報酬に加え1棟あたり数万円の加算が多い
  • 非上場株式・海外財産が含まれる場合:評価が複雑なため別途割増になる
  • 相続人が多い・遺産分割協議が複雑な場合も加算対象となることがある

税理士報酬は自由化されており事務所によって異なります。複数の税理士事務所から見積もりを取ることが重要です。また、相続税専門を標榜する事務所は実績が豊富で、特例の活用や節税提案も期待できます。

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03 自分で申告した場合の費用と必要作業

自分で相続税申告を行う場合、費用は書類取得代のみとなり、数千〜数万円で抑えられます。ただし、作業量と申告ミスのリスクを十分に理解した上で判断することが必要です。

  • 戸籍謄本・除籍謄本:1通450〜750円(複数通必要な場合あり)
  • 固定資産税評価証明書:市区町村によって異なるが1通300〜400円程度
  • 残高証明書・評価証明書:金融機関・証券会社ごとに手数料が発生(数百〜数千円)
  • 印鑑証明書:1通300円程度
  • 合計で数千〜2〜3万円程度が実費の目安

自分で申告する場合の最大のリスクは申告ミスです。財産の評価誤り・特例の適用漏れ・申告漏れがあると、後から税務調査を受けて追徴課税や加算税が発生することがあります。遺産が現預金中心でシンプルなケースは自分での申告も現実的ですが、不動産・株式・事業用財産が含まれる場合は専門家への依頼を強く推奨します。

国税庁の「相続税の申告書」は国税庁ウェブサイトから入手可能です。e-Taxを使えばオンライン提出もできますが、財産評価や特例計算は専門知識が必要なため、不安な場合は税理士への相談を検討してください。

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04 費用に影響する財産の種類と複雑さ

税理士報酬が基本料金より高くなる要因として、財産の種類と複雑さが挙げられます。どのような財産が含まれるかによって、申告にかかる手間と費用は大きく変わります。

  • 不動産(土地・建物):路線価方式または倍率方式による評価が必要。1棟ごとに加算報酬が発生することが多い
  • 非上場株式:純資産価額方式や類似業種比準方式など複雑な評価が必要
  • 海外財産:外国の不動産・口座は現地評価額の換算や現地証明書の取得が必要
  • 生命保険・退職金:みなし相続財産として計上が必要
  • 贈与財産の持ち戻し:相続開始前7年以内の贈与は相続財産に加算(2024年以降の贈与から段階的に拡大)
  • 小規模宅地等の特例:要件確認が複雑だが、適用できれば大幅に評価額を下げられる

財産の種類が多く複雑なほど税理士報酬は上がりますが、同時に節税の余地も大きくなります。専門家に依頼することで報酬以上の節税効果が得られるケースも珍しくありません。見積もり依頼の際は、どの財産が含まれるかを具体的に伝えましょう。

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02 税理士に依頼した場合の費用相場
写真: www.kaboompics.com / Pexels

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05 税理士選びのポイントと費用を抑えるコツ

税理士への依頼費用を適正に抑えながら質の高いサービスを受けるためには、税理士選びのポイントを押さえることが重要です。

  • 相続税専門または経験豊富な税理士を選ぶ:申告実績が豊富な事務所は特例活用の提案力が高い
  • 複数事務所から相見積もりを取る:同じ財産内容でも報酬に差が出ることがある
  • 初回無料相談を活用する:多くの税理士事務所は初回相談を無料で提供している
  • 費用の内訳を明確にしてもらう:基本報酬・加算報酬・実費の内訳を書面で確認
  • 税理士紹介サービスの利用:税理士ドットコムなどのマッチングサービスも活用できる
  • 申告期限(10ヶ月)に余裕を持って依頼する:期限直前の依頼は断られたり割増になる場合がある

また、相続の事前準備として生前に財産の棚卸しをしておくと、申告作業がスムーズになり税理士報酬も抑えられます。通帳・証券口座・不動産の権利証などをまとめておくだけで、税理士事務所の作業時間を大幅に削減できます。

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06 相続税申告に関連するその他の費用

相続税申告そのものの費用以外にも、相続手続き全体ではさまざまな費用が発生します。全体の費用感を把握しておくことで、資金計画が立てやすくなります。

  • 相続登記(不動産名義変更):登録免許税として固定資産税評価額×0.4%。司法書士報酬は別途5〜15万円程度
  • 遺産分割協議書の作成:司法書士・弁護士に依頼する場合5〜20万円程度
  • 戸籍収集・相続関係説明図の作成:行政書士への依頼で3〜8万円程度
  • 銀行口座の凍結解除・名義変更:金融機関ごとに書類準備が必要(実費のみのことが多い)
  • 遺品整理・不動産売却に伴う費用:別途発生

【相続登記の義務化】2024年4月1日から相続登記が義務化されました(法務省)。相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料が科される場合があります。2024年4月以前に発生した相続も対象です。

銀行口座が凍結された場合の仮払い制度も活用できます。1つの金融機関から「預金残高×1/3(相続人1人あたり)」または150万円のいずれか少ない方まで、遺産分割前でも引き出しが可能です(民法改正)。葬儀費用などの緊急支出に役立ちます。

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07 申告期限・関連手続きの期限まとめ

相続手続きにはそれぞれ期限があります。期限を過ぎるとペナルティや権利喪失につながるため、スケジュール管理が非常に重要です。

  • 相続放棄の期限:相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述(延長申請可)
  • 準確定申告の期限:被相続人の死亡を知った翌日から4ヶ月以内
  • 相続税申告・納税の期限:相続開始を知った翌日から10ヶ月以内(国税庁)
  • 相続登記の期限:相続を知った日から3年以内(2024年4月1日義務化・法務省)
  • 遺産分割協議書:期限の定めはないが、相続税申告前に完成させる必要がある

遺産分割協議書には相続人全員の署名・実印・印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)が必要です。公正証書にする義務はありませんが、紛争防止のために公正証書化することも選択肢です。相続税申告期限の10ヶ月は思ったより短いため、相続開始後すぐに税理士へ相談することをおすすめします。

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この記事のまとめ

  • 税理士への相続税申告依頼費用は遺産総額の0.5〜1%が目安(遺産5,000万円なら25〜50万円程度)
  • 自分で申告する場合の費用は書類取得代のみで数千〜数万円だが、申告ミスのリスクに注意が必要
  • 遺産総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)以下なら相続税申告は不要
  • 不動産・非上場株・海外財産が含まれる場合は報酬が割増になり、専門家への依頼が特に有効
  • 相続税申告期限は相続開始を知った翌日から10ヶ月以内。相続登記も2024年4月から3年以内が義務

EDITORIAL TEAM

こもれび編集部 | 相続・諸手続き担当

監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム

本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。

最終更新日: 2026年06月25日

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