相続手続きは誰に頼む?司法書士・弁護士・税理士の違いと費用相場
相続手続きは、登記・税申告・遺産分割など複数の分野にまたがるため、どの専門家に頼めばよいか一目では分かりません。手続きの種類によって対応できる専門家が異なり、間違った依頼先を選ぶと二度手間になるケースもあります。
「とりあえず弁護士に相談すれば大丈夫?」「税理士と司法書士の違いって何?」と迷う方は多いはず。この記事では、司法書士・弁護士・税理士・行政書士それぞれの役割・費用相場・向いているケースを分かりやすく整理し、あなたの状況に合った専門家の選び方を解説します。
この記事でわかること
- 司法書士・弁護士・税理士・行政書士それぞれができること・できないこと
- 専門家に依頼する際の費用相場と料金の目安
- 状況別(トラブルあり・税申告あり・登記のみ)の最適な依頼先
- 無料相談が使える法テラスや各士業会の相談窓口
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相続手続きをスムーズに進めるための参考書
専門家への依頼前に全体像を把握しておくと、費用の無駄や手続き漏れを防げます。相続手続きの流れや専門家の選び方を解説した書籍で、事前知識を身につけておきましょう。
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01 相続手続きの全体像と専門家が必要な理由
相続が発生すると、遺産の調査・相続人の確定・遺産分割・名義変更・税申告など、多岐にわたる手続きが一気に発生します。これらは法律・登記・税務の三つの分野にまたがっており、一人の専門家がすべてをカバーできるわけではありません。
- 法律・遺産分割:弁護士または行政書士(争いがない場合)
- 不動産登記:司法書士(2024年4月1日から義務化)
- 相続税申告:税理士(相続開始を知った翌日から10ヶ月以内・国税庁)
- 書類作成全般:行政書士(ただし登記・訴訟・税申告は不可)
相続人が多い・不動産がある・相続税が発生するといったケースでは、複数の専門家を組み合わせて依頼することも珍しくありません。まずは自分の相続がどの分野の手続きを必要としているかを把握することが、適切な専門家選びの第一歩です。
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02 司法書士に頼む場合|相続登記と遺産分割協議書
司法書士は、相続手続きの中でも不動産の相続登記を専門に扱う士業です。2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料が科される可能性があります(法務省)。不動産を引き継ぐ予定がある方は、早めに司法書士へ相談することを強くおすすめします。
- 相続登記の申請代理:法務局への登記申請を代行(本人申請も可能だが書類が複雑)
- 遺産分割協議書の作成:相続人全員の署名・実印・印鑑証明書(発行3ヶ月以内)が必要な書類の作成補助
- 相続人・相続財産の調査:戸籍収集・預貯金の残高照会サポート
- 費用相場:3〜20万円程度(不動産の数・評価額・複雑さにより変動)
登録免許税(相続登記)は固定資産税評価額×0.4%です。司法書士報酬とは別に納める実費としてご準備ください。例えば評価額2,000万円の不動産なら登録免許税は8万円となります。
司法書士は遺産分割の交渉や相続税の計算はできません。争いのない相続で不動産があるケースが最も依頼に適しています。
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03 弁護士に頼む場合|トラブル・調停・審判に対応
弁護士は、相続人同士で遺産分割をめぐるトラブルが生じた場合や、遺言の有効性を争う場合など、法的な紛争への対応が必要なときに不可欠な専門家です。調停・審判・訴訟の代理人として家庭裁判所に出廷できるのは弁護士だけです。
- 遺産分割協議の代理交渉:相続人間の話し合いが難航している場合
- 遺留分侵害額請求:遺言で遺留分を侵害された場合の請求対応
- 相続放棄の助言:相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述(延長申請も可能)
- 遺言書の作成・検認:公正証書遺言の作成サポートや自筆証書遺言の検認申立
- 費用相場:着手金10万円〜+報酬金(回収額の10〜15%程度)が目安
弁護士費用は他の士業と比べて高額になりやすいため、争いがない相続案件では費用対効果を慎重に検討しましょう。一方、相続人間で連絡が取れない・強硬な主張をする相続人がいるといったケースでは、早めに弁護士へ相談することで解決が早まります。
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04 税理士に頼む場合|相続税申告は必ず税理士へ
相続税の申告・納税は、相続開始を知った翌日から10ヶ月以内に行う必要があります(国税庁)。期限を過ぎると無申告加算税や延滞税が課されるため、遺産総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超える可能性がある場合は、早急に税理士へ相談してください。
- 相続税申告書の作成・提出:税務署への申告代理は税理士のみが可能
- 遺産評価(土地・非上場株式など):評価方法によって税額が大きく変わるため専門知識が重要
- 小規模宅地等の特例・配偶者控除の適用:適用漏れを防ぐためにも専門家への依頼が安心
- 費用相場:遺産総額の0.5〜1%程度(最低報酬は事務所により異なる)
相続税の基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人数」です。例えば法定相続人が3人なら4,800万円が基礎控除額となります。正味の遺産総額がこの金額を下回る場合、相続税申告は不要です。ただし特例(配偶者控除等)を使う場合は申告が必要なケースもあります(国税庁)。
税理士によって相続税に対する経験・得意分野が異なります。「相続税申告実績〇件」などを確認し、相続専門の税理士を選ぶことがポイントです。
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05 行政書士に頼む場合|書類作成に特化した費用を抑えた選択肢
行政書士は、遺産分割協議書・相続関係説明図・残高証明書の取得補助など、書類作成全般を担える士業です。登記申請・税務申告・法廷代理は行えませんが、争いがなく不動産もない相続案件では費用を抑えた依頼先として有効です。
- 遺産分割協議書の作成:相続人全員の合意が取れており争いがない場合
- 相続関係説明図・戸籍収集:複数の戸籍謄本をまとめて取得・整理
- 預貯金の相続手続き書類:金融機関が指定する書類の作成補助
- 費用相場:3〜10万円程度
ただし、途中でトラブルが発生した場合や不動産が含まれる場合は、弁護士・司法書士への切り替えが必要になります。依頼前に相続財産の全体像を把握しておくことで、最初から適切な専門家を選べます。
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06 無料相談を活用する|法テラス・弁護士会・司法書士会
専門家への依頼前に、まず無料相談を活用することを強くおすすめします。費用の見当をつけたり、どの専門家に頼むべきかを確認したりする場として最適です。
- 法テラス(日本司法支援センター):収入・資産が一定基準以下の方は、弁護士・司法書士費用の立替制度を利用可能。無料法律相談(電話0570-078374)も実施
- 各都道府県の弁護士会:30分5,500円程度の有料相談が多いが、初回無料の窓口も存在
- 司法書士会の無料相談:各地の司法書士会が定期的に無料相談会を開催(法務局と連携した窓口もあり)
- 税理士会の無料相談:確定申告期や相続税の無料相談会を全国で実施
- 市区町村の無料法律相談:自治体が弁護士を派遣する無料相談(予約制が多い)
銀行口座が凍結された場合でも、仮払い制度を利用することで葬儀費用等に充てられます。1金融機関あたり「預金残高×1/3(相続人1人あたり)」または150万円の少ない方まで引き出し可能です(民法909条の2)。
相談時には、遺産の概要(不動産の有無・預金残高・相続人の人数)と、現在の状況(争いの有無・期限の迫り具合)をまとめておくとスムーズです。
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07 状況別|あなたに合った専門家の選び方まとめ
相続の状況はひとそれぞれ異なります。以下のチェックリストを参考に、まず相談すべき専門家を判断してください。
- 不動産がある → 司法書士:相続登記は2024年4月1日から義務化。3年以内に登記しないと10万円以下の過料(法務省)
- 相続税が発生しそう → 税理士:申告期限は相続開始を知った翌日から10ヶ月以内(国税庁)。基礎控除3,000万円+600万円×法定相続人数を超える場合は必須
- 遺産分割でもめている → 弁護士:調停・審判の代理は弁護士のみ可能
- 書類作成だけでよい → 行政書士:費用を抑えたい・争いがない・不動産なし
- 費用が心配 → 法テラス:収入要件を満たせば弁護士・司法書士費用の立替制度を利用可能
- 相続放棄を検討 → 弁護士または司法書士:家庭裁判所への申述は相続開始を知った日から3ヶ月以内(延長申請可)
複数の問題が絡み合う場合は、総合的に対応できる相続専門事務所(司法書士と税理士が提携しているなど)を選ぶのが効率的です。初回相談は複数の事務所で行い、費用感・対応の丁寧さ・実績を比較することをおすすめします。
この記事のまとめ
- 相続手続きは登記・税申告・遺産分割など分野ごとに対応できる専門家が異なる
- 不動産がある場合は司法書士へ。2024年4月から相続登記が義務化(3年以内、違反は10万円以下の過料)
- 相続税申告は税理士のみ対応可能。相続開始を知った翌日から10ヶ月以内が期限
- 遺産分割でトラブルがある場合は弁護士へ。調停・審判の代理は弁護士のみ
- 費用が心配な場合は法テラスの立替制度や各士業会の無料相談を積極的に活用しよう
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EDITORIAL TEAM
こもれび編集部 | 相続・諸手続き担当
監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム
本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。
最終更新日: 2026年06月25日




