遺産相続の流れ|初めての人がまず何から始めるか
遺産相続の流れは、『まず死亡に伴う手続きを済ませ、遺言書の有無を確認し、相続人と財産を調べてから、相続するか放棄するかを決め、最後に分け方を話し合って名義変更や相続税の申告をする』という順番で進みます。初めて相続に直面すると、何から手をつければよいか戸惑いますが、やることには順番があり、一つずつ進めれば大丈夫です。この記事では、初めての方がまず何から始めればよいかを、やさしい言葉で解説します。
身近な人が亡くなると、悲しみの中でたくさんの手続きが押し寄せます。「相続って何をすればいいの」「いつまでに何をするの」と不安になる方に向けて、ここでは難しい言葉をできるだけかみくだき、最初の一歩から全体の流れまでを順を追って説明します。一人で抱え込まず、落ち着いて読み進めてください。
この記事でわかること
- 身近な人が亡くなったらまずやること
- 落ち着いてから取りかかる手続きの順番
- 3か月・10か月など期限のある手続き
- 一人で抱えず相談できる窓口
01
身近な人が亡くなったらまずやること
身近な人が亡くなったら、まずは葬儀と並行して、最低限の手続きから始めます。あれもこれもと焦らず、最初にやることだけを押さえれば大丈夫です。
- 医師から『死亡診断書』を受け取る
- 死亡届を市区町村の役所に出す(亡くなってから7日以内)
- 火葬の許可をもらう(死亡届と一緒に手続き)
- 葬儀の手配をする
まず必要なのは、お医者さんが書いてくれる死亡診断書です。これをもとに『死亡届』を役所に出します。死亡届は亡くなってから7日以内が決まりで、これを出さないと火葬の許可がおりません。多くの場合、葬儀社が手続きを手伝ってくれます。この段階では相続のことまで考えなくて大丈夫です。まずは目の前の葬儀と、役所への届け出を落ち着いて済ませましょう。
02
落ち着いてから取りかかる手続きの順番
葬儀が終わって少し落ち着いたら、いよいよ相続の手続きに入ります。順番を知っておくと、迷わず進められます。
- 遺言書があるかどうかを確認する
- 相続人(財産を受け継ぐ人)が誰かを確定する
- どんな財産があるかを調べる(プラスもマイナスも)
- 相続するか、放棄するかを決める
- 誰が何を受け継ぐか話し合う(遺産分割協議)
- 名義変更や相続税の申告をする
最初にやるのは『遺言書があるかどうかの確認』です。遺言書があれば、その内容にそって分けるのが基本だからです。手書きの遺言書(自筆証書遺言)が見つかった場合は、勝手に開封せず家庭裁判所で『検認』という確認手続きを受けます。ただし、法務局の保管制度を使った遺言書や、公証役場で作る公正証書遺言は検認がいりません。遺言書がなければ、相続人みんなで話し合って分け方を決めます。
03
最初の1〜2週間でやること
葬儀の前後、最初の1〜2週間でやっておきたいことをまとめます。期限が近いものから片づけると安心です。
- 死亡届の提出(7日以内)と火葬許可の取得
- 年金の停止手続き(受給を止める届け出)
- 健康保険・介護保険の資格喪失の手続き
- 世帯主の変更(必要な場合)
- 公共料金・銀行口座などの確認(凍結に注意)
役所での手続きは種類が多いですが、市区町村の窓口で『身近な人が亡くなったときの手続き一覧』をもらえることが多く、まとめて案内してくれます。注意したいのは銀行口座です。金融機関が亡くなったことを知ると口座が止まり、引き出せなくなります。当面の生活費や葬儀費用が必要なときは、一定額まで引き出せる『仮払い制度』もあるので、銀行に相談しましょう。一度にすべてやろうとせず、できることから一つずつ進めます。
04
期限のある手続きを押さえる
相続の手続きには、期限が決まっているものがあります。この期限だけは早めに頭に入れておきましょう。
- 3か月以内:相続を放棄するか、限定的に受け継ぐかの判断
- 4か月以内:亡くなった人の所得税の申告(準確定申告/必要な場合)
- 10か月以内:相続税の申告と納税(かかる場合)
- 3年以内:相続した不動産の名義変更(相続登記)
特に大切なのが『3か月』と『10か月』です。借金などマイナスの財産が多いときは、3か月以内に家庭裁判所で『相続放棄』をすれば、借金を受け継がずに済みます。この期限を過ぎると放棄できなくなることがあるので注意してください。また、相続税がかかる場合の申告は10か月以内です。不動産の名義変更(相続登記)も、相続を知ってから3年以内が義務になりました。期限に間に合うか不安なときは、早めに専門家へ相談しましょう。
05
一人で抱えず相談する
相続は、慣れない手続きの連続です。わからないことや不安があれば、一人で抱え込まず、早めに相談しましょう。
- 役所の窓口:死亡後の各種届け出の案内
- 司法書士:不動産の名義変更(相続登記)など
- 税理士:相続税の申告が必要なとき
- 弁護士:相続人同士で話がまとまらないとき
- 無料相談:自治体や専門家団体の相談会も活用
誰に相談すればよいか迷ったら、まずは身近な役所の窓口で構いません。手続きの全体像や、どこに相談すればよいかを教えてくれます。不動産があるなら司法書士、相続税がかかりそうなら税理士、家族で意見が割れたら弁護士、というように内容で相談先が変わります。費用が心配なときは、自治体や弁護士会・司法書士会などが開く無料相談会を利用するのもよい方法です。早めに相談すれば、期限切れや手続きのやり直しを防げます。
06
相続の全体像をやさしくつかむ
最後に、相続の全体像をもう一度やさしくまとめます。難しく考えず、大きな流れだけ覚えておけば十分です。
- まず葬儀と役所の届け出を済ませる
- 遺言書があるか確認する
- 相続人と財産(プラス・マイナス両方)を調べる
- 受け継ぐか放棄するかを3か月以内に決める
- 分け方を話し合い、名義変更や相続税の申告をする
相続とは、亡くなった人の財産や権利・義務を、家族などが受け継ぐことです。受け継ぐのはお金や家といったプラスの財産だけでなく、借金などマイナスの財産も含まれます。だからこそ、まず財産を調べ、放棄するかどうかを早めに判断することが大切です。やることは多く見えても、順番に一つずつ進めれば必ず終わります。一度に完璧を目指さず、期限のあるものから片づけ、困ったら専門家を頼る。これが、初めての相続を乗り切るいちばんの近道です。
よくある質問
Q. 身近な人が亡くなったら、まず何から始めればいいですか?
A. まずは葬儀と並行して、最低限の役所手続きから始めます。お医者さんから死亡診断書を受け取り、それをもとに亡くなってから7日以内に死亡届を市区町村の役所へ提出します。死亡届を出すと火葬の許可がおりるため、葬儀の手配を進められます。多くは葬儀社が手続きを手伝ってくれます。この段階では相続まで考えず、目の前の葬儀と届け出を落ち着いて済ませれば大丈夫です。
Q. 相続の手続きはどんな順番で進めればいいですか?
A. 葬儀が終わって落ち着いたら、まず遺言書があるかを確認します。次に相続人が誰かを確定し、どんな財産(プラスもマイナスも)があるかを調べます。その上で相続するか放棄するかを決め、誰が何を受け継ぐかを話し合い(遺産分割協議)、最後に名義変更や相続税の申告をします。遺言書があればその内容にそって分けるのが基本です。
Q. 相続の手続きで、いつまでにやるべき期限はありますか?
A. 特に大切なのは『3か月』と『10か月』です。借金などマイナスの財産が多い場合、3か月以内に家庭裁判所で相続放棄をすれば借金を受け継がずに済みます。相続税がかかる場合の申告と納税は10か月以内です。また、相続した不動産の名義変更(相続登記)は、相続を知ってから3年以内が義務になりました。期限に不安があれば早めに専門家へ相談しましょう。
Q. 手書きの遺言書が見つかったらどうすればいいですか?
A. 手書きの遺言書(自筆証書遺言)が見つかった場合は、勝手に開封せず、家庭裁判所で『検認』という確認手続きを受けます。これは遺言書の内容や状態を確認し、後のトラブルを防ぐためのものです。ただし、法務局の保管制度を使った遺言書や、公証役場で作る公正証書遺言は検認が不要です。判断に迷うときは家庭裁判所や専門家に確認してください。
Q. 相続のことは誰に相談すればいいですか?
A. 迷ったら、まず身近な役所の窓口で構いません。手続きの全体像や相談先を案内してくれます。内容によって相談先が変わり、不動産の名義変更なら司法書士、相続税の申告が必要なら税理士、相続人同士で話がまとまらないときは弁護士が適しています。費用が心配なときは、自治体や弁護士会・司法書士会が開く無料相談会の利用もおすすめです。
この記事のまとめ
- まずは死亡診断書を受け取り、7日以内に死亡届を出して葬儀を済ませる
- 落ち着いたら遺言書の有無を確認し、相続人と財産(プラス・マイナス)を調べる
- 相続放棄の判断は3か月以内、相続税の申告は10か月以内が大切な期限
- 手書きの遺言書は家庭裁判所の検認が必要。保管制度や公正証書なら検認は不要
- わからないことは役所・司法書士・税理士・弁護士に早めに相談する
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EDITORIAL TEAM
こもれび編集部 | 相続・諸手続き担当
監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム
本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。
最終更新日: 2026年06月28日
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