香典の書き方|表書き・名前・中袋・金額の正しいマナー
香典の書き方は、表書き・名前・中袋の三つを正しく書くのが基本です。表書きは宗教で異なり、仏式なら『御霊前』や『御香典』、神式なら『御玉串料』、キリスト教なら『御花料』と書きます。名前はフルネームで、中袋には金額・住所・氏名を記します。文字は悲しみを表す薄墨で書くのが正式なマナーです。
急な訃報で香典を用意するとき、「どう書けばいいのか」「どの表書きが正しいのか」と迷う方は少なくありません。この記事では、不祝儀袋(香典袋)の書き方を、宗教による違いや中袋の記入、お札の入れ方、金額の相場まで、ひとつずつやさしく解説します。
この記事でわかること
- 表書きの種類と宗教による違い
- 名前(連名・夫婦・会社)の書き方
- 中袋の金額・住所・氏名の書き方
- お札の入れ方と袱紗の包み方
★ あわせて準備したい
香典袋・筆ペンを用意するなら
急な弔事に備えて、不祝儀袋と薄墨の筆ペンを用意しておくと安心です。表書きが印刷されたものを選ぶと書く手間も省けます。
01
表書きの種類と宗教による違い
香典袋の表書きは、故人や遺族の宗教・宗派によって書く言葉が変わります。
- 仏式:『御霊前』『御香典』『御香料』など
- 神式:『御玉串料』『御榊料』『御神前』など
- キリスト教:『御花料』(カトリックは『御ミサ料』も)
- 宗教がわからないときは『御霊前』が比較的広く使える
表書きは、不祝儀袋の上段(水引の上)に書きます。仏式では『御香典』が宗派を問わず使いやすく、迷ったときの選択肢になります。神式は玉串や榊を供える習わしから『御玉串料』『御榊料』を用います。キリスト教では花を供える意味で『御花料』と書きます。相手の宗教がわからない場合は『御霊前』が比較的広く使えますが、後述のとおり浄土真宗など一部では使わないため、可能なら事前に確認すると安心です。
02
御霊前と御仏前の使い分け
仏式では、いつの法要かによって『御霊前』と『御仏前』を使い分けます。
- 四十九日より前(通夜・葬儀)→『御霊前』
- 四十九日の法要以降→『御仏前』
- 四十九日に故人は霊から仏になるとされるため
- 浄土真宗は最初から『御仏前』を用いる
仏教では、亡くなった方は四十九日の法要をもって霊から仏になると考えられています。そのため、通夜や葬儀など四十九日より前は『御霊前』、四十九日の法要や一周忌など以降は『御仏前』と書くのが基本です。ただし浄土真宗では、亡くなるとすぐに仏になる(往生即成仏)という教えから、通夜・葬儀の段階でも『御仏前』を用います。宗派がわからないときは『御香典』としておくと無難です。
03
薄墨を使う理由と書く道具
香典の表書きや名前は、通夜・葬儀では薄墨で書くのが正式なマナーとされています。
- 『悲しみの涙で墨が薄まった』という弔意を表す
- 『急な訃報で墨を十分にすれない』という意味もある
- 薄墨専用の筆ペンが市販されている
- 四十九日以降の法要では普通の濃い墨でよいとされる
薄墨を使うのは、突然の訃報に対する悲しみや、墨をする間も惜しんで駆けつけた気持ちを表すためといわれます。文房具店やコンビニで薄墨の筆ペンが手に入るので、一本用意しておくと安心です。ボールペンや鉛筆は避け、筆ペンや筆で書きましょう。なお、四十九日以降の法要では悲しみが和らいだという意味から、普通の濃い墨で書いてよいとされています。中袋の金額や住所は、読みやすさを優先して濃い墨やペンで書いてもかまいません。
04
名前の書き方(連名・夫婦・会社)
名前は、表書きの下段(水引の下)に、誰からの香典かがわかるように書きます。
- 個人:中央にフルネームで書く
- 夫婦:夫の名前を中央に、左に妻の名を添える(連名)
- 連名:3名までは右から目上順に並べる
- 会社:右に会社名、中央に代表者名。社員一同は『〇〇一同』
個人で出す場合は、表書きの真下に氏名をフルネームで書きます。夫婦連名のときは夫のフルネームを中央に書き、その左側に妻の名前(名のみ)を添えるのが一般的です。連名は3名までを目安に、右から地位や年齢が上の順に並べます。4名以上になるときは代表者名を書き、左下に『外一同』と添え、全員の名前は別紙に書いて中袋に入れます。会社として出す場合は、中央に代表者の氏名、その右に会社名を少し小さく書きます。
05
中袋の書き方(金額・住所・氏名)
中袋(内袋)には、遺族が後で整理しやすいように、金額・住所・氏名を書きます。
- 表面の中央に包んだ金額を書く
- 金額は旧字体(大字)で書くのが正式
- 裏面の左側に住所と氏名を書く
- 金額の頭に『金』、末尾に『也』を付ける
中袋の表には包んだ金額を書きます。改ざんを防ぐ意味から、漢数字の旧字体(大字)を使うのが正式とされます。たとえば一万円なら『金壱萬円也』、五千円なら『金伍仟円也』、三千円なら『金参仟円也』のように書きます。裏面の左下には郵便番号・住所・氏名を書き、遺族が香典返しや整理をしやすいようにします。中袋がない不祝儀袋の場合は、外袋の裏面左下に金額と住所・氏名をまとめて書きましょう。金額や住所は、遺族が読み取りやすいよう優先して濃い墨やペンで書いて問題ありません。なお『四』『九』は死や苦を連想させるため、香典の金額は避けるのが一般的です。一万円・三万円・五万円のように、割り切れにくい奇数の金額を選ぶとよいとされています。
06
お札の入れ方・新札・袱紗と相場
お札の向きや袱紗(ふくさ)の包み方にも、弔事ならではのマナーがあります。
- お札は人物の顔が裏(下向き)になるよう入れる
- 新札は避け、なければ一度折り目を付ける
- 複数枚は向きをそろえる
- 袱紗は寒色系(紺・グレー等)で包んで持参する
お札は、肖像が描かれた面を裏側にし、顔が袋の下に来るように入れるのが一般的です。新札は『前もって準備していた』印象を避けるため使わず、新札しかないときは折り目を一つ付けて入れます。香典袋は袱紗に包んで持参し、受付で取り出して渡すのが丁寧です。弔事では紺・グレー・紫など落ち着いた色の袱紗を使います。金額の相場は故人との関係で変わり、友人・知人は5千円前後、親族は1万円〜、両親には数万円が目安とされますが、地域や付き合いの深さで異なります。
★ あわせて準備したい
袱紗を用意しておくと安心
香典袋はそのまま持ち歩かず、袱紗に包むのが丁寧なマナーです。弔事に使える寒色系の袱紗をひとつ持っておくと急なときに役立ちます。
よくある質問
Q. 香典袋の表書きは何と書けばいいですか?
A. 宗教によって変わります。仏式は『御香典』『御霊前』、神式は『御玉串料』『御榊料』、キリスト教は『御花料』と書きます。仏式では四十九日より前の通夜・葬儀は『御霊前』、四十九日以降の法要は『御仏前』を使い分けますが、浄土真宗は最初から『御仏前』です。宗教がわからないときは『御香典』としておくと比較的どの宗派でも使いやすく無難です。表書きは水引の上段に書きます。
Q. 香典はなぜ薄墨で書くのですか?
A. 悲しみの涙で墨が薄まった、急な訃報で墨を十分にする時間もなく駆けつけた、という弔意を表すためといわれます。そのため通夜・葬儀の香典は薄墨の筆ペンで書くのが正式なマナーとされています。文房具店やコンビニで薄墨の筆ペンが手に入ります。なお四十九日以降の法要では悲しみが和らいだという意味から、普通の濃い墨で書いてよいとされています。
Q. 名前は連名や夫婦でどう書きますか?
A. 個人は表書きの下段に中央へフルネームで書きます。夫婦連名は夫のフルネームを中央に、その左に妻の名前(名のみ)を添えます。連名は3名までを目安に右から目上順に並べ、4名以上は代表者名を書いて左下に『外一同』と添え、全員の名前は別紙にして中袋に入れます。会社は中央に代表者名、その右に会社名を少し小さく書きます。
Q. 中袋には何をどう書きますか?
A. 表の中央に包んだ金額、裏の左下に住所と氏名を書きます。金額は改ざんを防ぐ意味で旧字体(大字)が正式とされ、一万円なら『金壱萬円也』、五千円なら『金伍仟円也』のように書きます。中袋がない不祝儀袋は外袋の裏面左下に金額と住所・氏名をまとめて書きます。金額や住所は読みやすさを優先して濃い墨やペンで書いてかまいません。
Q. お札の入れ方や新札のマナーはありますか?
A. お札は肖像のある面を裏にし、顔が袋の下に来るように入れるのが一般的です。新札は『前もって準備していた』印象を避けるため使わず、新札しかないときは折り目を一つ付けて入れます。複数枚は向きをそろえます。香典袋は紺やグレーなど寒色系の袱紗に包んで持参し、受付で取り出して渡すと丁寧です。
この記事のまとめ
- 表書きは宗教で異なり、仏式は御香典・御霊前、神式は御玉串料、キリスト教は御花料
- 仏式は四十九日前が御霊前、以降が御仏前。浄土真宗は最初から御仏前
- 通夜・葬儀では弔意を表す薄墨で書く。名前は下段にフルネームで
- 中袋には金額を旧字体(金壱萬円也など)で、裏に住所と氏名を書く
- お札は顔を下向きに、新札は避ける。袱紗に包んで持参する
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EDITORIAL TEAM
こもれび編集部 | 葬儀・お墓・供養担当
監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム
本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。
最終更新日: 2026年06月23日

