樹木葬のデメリットと注意点|後悔しないための7つの確認事項
樹木葬の主なデメリットは、『合祀型では後から遺骨を取り出せず、多くが承継できないため代々のお墓にはならないこと』です。墓石の代わりに樹木や草花を墓標とする樹木葬は、承継不要・永代供養付きで人気が高まっていますが、従来のお墓とは性質が異なります。郊外で立地が不便だったり、家族の理解が得られにくかったりする点にも、契約前に注意が必要です。
実家じまいや終活、お墓の引っ越し(墓じまい)を考えるなかで、樹木葬を選ぶ方が増えています。「自然に還れる」「子に負担をかけない」といった良い面が注目されがちですが、後から「こんなはずではなかった」と後悔しないために、この記事ではデメリットと注意点、そして向いている人をやさしく整理します。
この記事でわかること
- 合祀型で遺骨を取り出せないなどの主なデメリット
- 承継・お参り・立地に関する注意点
- 家族や親族の理解を得るための考え方
- 樹木葬が向いている人・向かない人
★ あわせて準備したい
お墓選びを家族で話し合うなら
樹木葬を選ぶ前に、希望や家族の考えを整理しておくと安心です。エンディングノートに書き出しておくと、家族との話し合いがスムーズになります。
01
樹木葬とはどんなお墓か
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木や草花を墓標として遺骨を埋葬する方法です。
- シンボルツリーや花の下に遺骨を埋葬する
- 多くが承継不要で、永代供養が付くことが多い
- 霊園が管理するため、子や孫に管理を任せなくてよい
- 「自然に還る」イメージで人気が高まっている
樹木葬は、墓石を建てる従来のお墓と違い、樹木や花を墓標とするのが特徴です。多くは承継(代々受け継ぐこと)が不要で、永代供養が付いているため、お墓の跡継ぎがいない方や、子に負担をかけたくない方に選ばれています。ただし、良い面ばかりが語られがちで、従来のお墓とは性質が異なる点を理解しないまま契約すると、後悔につながることもあります。まずはデメリットと注意点を知っておきましょう。
02
合祀型は遺骨を後から取り出せない
樹木葬で最も注意したいのが、合祀(ごうし)型の埋葬方法です。
- 合祀型は、他の人の遺骨と一緒に埋葬される
- 一度合祀すると、後から自分の家族の遺骨だけ取り出せない
- 「やはり改葬したい」と思っても取り戻せない
- 個別の区画に埋葬する個別型・集合型もある
合祀型は費用を抑えやすい一方で、他の方の遺骨と一緒に埋葬されるため、後から特定の遺骨だけを取り出すことができません。「将来、別の場所に移したい」「やはり手元で供養したい」と思っても、取り戻すことは不可能です。これは樹木葬の最大の注意点です。後から気持ちが変わる可能性が少しでもあるなら、一定期間は遺骨を個別に安置できるタイプを選ぶと安心です。契約前に、合祀型か個別型かを必ず確認しましょう。
03
承継できず代々のお墓にはならない
樹木葬の多くは、子や孫が受け継ぐことを前提としていません。
- 承継不要だが、裏を返せば代々のお墓にはならない
- 「家のお墓」として子孫に残すことはできない
- 夫婦で入れても、子は同じ場所に入れないことが多い
- 家族の遺骨をまとめて納めたい場合は区画の条件を確認
承継が不要なことは、跡継ぎがいない方には大きなメリットです。しかしその一方で、樹木葬は「先祖代々のお墓」として子や孫に受け継いでいくことはできません。夫婦二人までは一緒に入れても、子どもは別の場所を用意する必要があるケースが一般的です。「家族みんなで同じお墓に入りたい」「子の代まで続くお墓がほしい」という希望がある場合は、樹木葬が合わないこともあります。家族構成と将来の希望を踏まえて選びましょう。
04
立地・アクセスとお参りの実感
樹木葬は郊外に多く、お参りのしやすさにも注意が必要です。
- 緑豊かな環境を確保するため、郊外や山間部に多い
- 駅から遠く、車がないとお参りしにくい場所もある
- 墓石や墓標がなく、お参りの実感が湧きにくい人も
- 合祀型はどこに遺骨があるか分かりにくいことも
樹木葬は自然に囲まれた環境を大切にするため、郊外や山間部に立地することが少なくありません。高齢になってからのお参りや、遠方に住む家族にとっては、通いにくさが負担になることもあります。また、墓石のような分かりやすい目印がないため、「どこに手を合わせればよいか分からない」「お参りの実感が湧きにくい」と感じる方もいます。生前に一度現地を訪れ、アクセスやお参りのしやすさを確かめておくと安心です。
05
家族や親族の理解が必要
樹木葬は新しい形のお墓のため、家族や親族の理解が欠かせません。
- 従来のお墓を望む親族と意見が分かれることがある
- 「お墓がない」ことに抵抗を感じる家族もいる
- 菩提寺がある場合は事前に相談したほうがよい
- 本人だけで決めず、家族と話し合って決める
樹木葬はまだ新しい供養の形のため、年配の親族のなかには「先祖代々のお墓がないのは寂しい」「ご先祖に申し訳ない」と感じる方もいます。本人が良いと思っても、家族や親族の理解が得られないまま契約すると、後でトラブルになりかねません。とくに菩提寺(先祖代々のお寺)がある場合は、事前に相談しておくと安心です。生前のうちに、なぜ樹木葬を選びたいのかを家族に伝え、みんなが納得したうえで決めることが、後悔しないための大切なポイントです。
06
個別安置の期限とお参りの制限
契約内容によって、安置期間やお参りの仕方に制限がある場合があります。
- 個別安置のタイプは、一定期間後に合祀されることが多い
- 「33回忌まで」など期限を過ぎると他の遺骨と一緒に
- 火気の関係でお線香をあげられない霊園もある
- 植栽を守るため、供物やお供えに制限がある場合も
遺骨を個別に安置するタイプでも、多くは「13回忌まで」「33回忌まで」といった期限が設けられ、期限後は合祀されるのが一般的です。期限を過ぎれば、結局は他の方の遺骨と一緒になることを理解しておきましょう。また、樹木や草花を守るため、お線香やろうそくの火気が禁止されていたり、お供え物や花の持ち込みに決まりがあったりする霊園もあります。「お墓参りでお線香をあげたい」という希望がある場合は、霊園のルールを契約前に確認することが大切です。
★ あわせて準備したい
自然を感じる供養に
墓前で手を合わせる際の供花や、自宅で故人をしのぶための小さな仏具を用意しておくと、心が落ち着きます。お参りのスタイルに合わせて選びましょう。
よくある質問
Q. 樹木葬の最大のデメリットは何ですか?
A. 合祀型では、他の人の遺骨と一緒に埋葬されるため、後から自分の家族の遺骨だけを取り出せないことです。「将来、別の場所に移したい」「やはり手元で供養したい」と思っても取り戻せません。後から気持ちが変わる可能性が少しでもあるなら、一定期間は遺骨を個別に安置できるタイプを選ぶと安心です。契約前に合祀型か個別型かを必ず確認しましょう。
Q. 樹木葬は代々のお墓として子に残せますか?
A. 多くの樹木葬は承継を前提としていないため、「先祖代々のお墓」として子や孫に受け継ぐことはできません。夫婦二人までは一緒に入れても、子どもは別の場所を用意する必要があるケースが一般的です。承継不要なことは跡継ぎがいない方には利点ですが、家族みんなで同じお墓に入りたい場合は合わないこともあります。
Q. 樹木葬はお参りしにくいと聞きましたが本当ですか?
A. 樹木葬は緑豊かな環境を確保するため、郊外や山間部に立地することが少なくありません。駅から遠く車が必要な場所もあり、高齢になってからのお参りや遠方の家族には負担になることがあります。また墓石のような目印がなく、お参りの実感が湧きにくいと感じる方もいます。生前に一度現地を訪れ、アクセスを確かめておくと安心です。
Q. 樹木葬を選ぶとき家族とどう話し合えばいいですか?
A. 樹木葬は新しい供養の形のため、年配の親族のなかには抵抗を感じる方もいます。本人が良いと思っても理解が得られないまま契約すると後でトラブルになりかねません。なぜ樹木葬を選びたいのかを生前に家族へ伝え、みんなが納得したうえで決めましょう。菩提寺がある場合は事前の相談も大切です。
Q. 個別の樹木葬なら永久に合祀されないのですか?
A. いいえ、個別に安置するタイプでも、多くは「13回忌まで」「33回忌まで」といった期限が設けられ、期限後は合祀されるのが一般的です。期限を過ぎれば結局は他の方の遺骨と一緒になります。また樹木を守るためお線香が禁止されていたり、お供え物に決まりがあったりする霊園もあるため、安置期間とお参りのルールを契約前に確認しましょう。
この記事のまとめ
- 合祀型は他の人の遺骨と一緒に埋葬され、後から取り出せない。これが最大の注意点
- 多くが承継不要だが、その分「代々のお墓」として子孫に残すことはできない
- 郊外に多く立地やお参りのしやすさ、お参りの実感に注意。生前に現地確認を
- 新しい供養の形のため、家族や親族・菩提寺の理解を得てから決める
- 個別安置には期限があり期限後は合祀。お線香や供物に制限がある場合も確認を
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EDITORIAL TEAM
こもれび編集部 | 葬儀・お墓・供養担当
監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム
本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。
最終更新日: 2026年06月24日
