相続登記の非課税(免税)措置とは|登録免許税を抑える条件と期限
相続登記の登録免許税には『非課税(免税)になる措置』があり、一定の条件に当てはまれば税がかからない場合があります。原則は土地・建物の評価額に0.4%をかけた登録免許税がかかりますが、前の名義人とする登記や、価額が一定額以下の土地などは免税の対象になることがあります。ただし条件と適用期限があるため、自分が対象かは確認が必要です。
2024年から相続登記が義務化され、これから手続きをする方も増えています。「登録免許税はいくらかかるのか」「非課税になる場合があると聞いたが本当か」と気になる方に向けて、この記事では相続登記の免税措置の概要と、対象になる条件・期限、費用を抑える工夫をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 相続登記に原則かかる登録免許税のしくみ
- 登録免許税が免税になる2つのケース
- 免税の適用条件・期限と申請書の書き方
- 対象か分からないときの相談先・費用の工夫
01
相続登記に原則かかる登録免許税
相続登記をするときは、原則として登録免許税という税金がかかります。
- 相続による所有権移転の登録免許税は、原則『不動産の価額×0.4%』
- 不動産の価額は、固定資産税評価額が基準になる
- 土地と建物それぞれにかかる
- 登記の申請時に、原則として現金や収入印紙などで納める
たとえば固定資産税評価額が1,000万円の土地なら、登録免許税は原則4万円(1,000万円×0.4%)です。評価額は市区町村から届く固定資産税の通知書や、評価証明書で確認できます。この登録免許税が、一定の条件に当てはまると免税(非課税)になる場合があります。まずは原則の税額のしくみを知っておくと、免税のありがたみや対象範囲が理解しやすくなります。
02
登録免許税が免税になる2つのケース
相続登記の登録免許税には、主に次の2つの免税措置があります。
- 前の名義人とする登記:相続で土地を取得した人が、登記をしないまま亡くなった場合、その亡くなった人を名義人とする相続登記が免税
- 価額が一定額以下の土地:不動産の価額が一定額以下(現行は100万円以下)の土地について、相続登記の登録免許税が免税
- いずれも『土地』の相続登記が対象(建物は対象外)
- 免税になるのは登録免許税で、他の費用は別途かかる
1つ目は、相続が何代も続いた『数次相続』でよく使われます。たとえば祖父名義のままの土地を、父が相続したが登記せずに亡くなった場合、いったん父を名義人とする相続登記が免税になります。2つ目は、価額が低い土地の登記をしやすくするための措置です。どちらも『土地』が対象で、建物は対象外です。自分のケースが当てはまるか分からないときは、思い込みで判断せず法務局に確認しましょう。
03
免税の適用条件と期限
免税措置を使うには、条件を満たし、適用期限内に登記する必要があります。
- 免税の対象は『相続による土地の所有権移転登記』など、措置ごとに定められている
- 価額が一定額以下の免税は、現行で『100万円以下』の土地が対象
- これらの免税措置には適用期限が設けられている
- 期限はこれまで延長されてきているが、恒久の制度ではない
免税措置は租税特別措置として設けられており、適用期限があります。これまで何度か延長されてきていますが、いつまでも続くとは限りません。手続きを先延ばしにしているうちに期限が過ぎ、対象外になることもあり得ます。最新の期限や対象金額は、法務局や法務省・国税庁の案内で必ず確認しましょう。相続登記自体が2024年から義務化されているため、早めに進めることが大切です。
04
申請書に書く免税の根拠条文
免税を受けるには、登記申請書に免税の根拠を記載する必要があります。
- 免税の適用を受ける旨と、根拠となる条文を申請書に書く
- 記載がないと、原則どおり登録免許税がかかってしまう
- 法務局の案内や記載例を参考に、正確に書く
- 不安なときは司法書士に依頼する方法もある
免税は自動的に適用されるわけではなく、申請書に『この登記は租税特別措置法の規定により登録免許税が免税となる』といった内容と根拠条文を記載して、はじめて適用されます。書き方を間違えたり記載を忘れたりすると、原則どおり課税されてしまうことがあります。法務局のサイトには記載例が用意されているので参考にし、自分で書くのが不安な場合は司法書士など専門家に相談・依頼するのも一つの方法です。
05
対象か分からないときの相談先
自分のケースが免税になるか分からないときは、専門の窓口に相談しましょう。
- 登記の手続き・免税の可否は、管轄の法務局に相談できる
- 法務局では登記手続きの案内や相談を受け付けている
- 複雑なケースは司法書士に依頼すると確実
- 税金全般の疑問は税務署・税理士にも確認を
数次相続や複数の土地がある場合、免税の対象かどうかの判断は難しくなります。間違った思い込みで進めると、免税を受け損ねたり、登記をやり直したりすることになりかねません。不動産を管轄する法務局に問い合わせれば、登記手続きや免税の可否について案内を受けられます。手続きに不安があるときや時間がないときは、登記の専門家である司法書士に依頼すると安心です。
06
免税以外で費用を抑える工夫
免税の対象でなくても、相続登記の費用を抑える工夫はあります。
- 必要書類(戸籍・住民票など)を自分でそろえると費用を抑えられる
- 法務局の無料相談を活用して、自分で申請する方法もある
- 複数の土地・建物をまとめて手続きし、二度手間を減らす
- 放置すると数次相続で手続きが複雑になり、かえって費用が増える
相続登記には登録免許税のほか、戸籍などの書類取得費用や、司法書士に依頼する場合の報酬がかかります。書類を自分でそろえたり、法務局の相談を使って自分で申請したりすれば、報酬分を抑えられます。ただし、手続きを放置すると相続人が増えて手続きが複雑になり、かえって手間も費用もかさみます。免税の有無にかかわらず、相続登記は早めに進めるのが結果的に費用を抑えるコツです。
よくある質問
Q. 相続登記の登録免許税はいくらかかりますか?
A. 原則として『不動産の価額×0.4%』がかかります。不動産の価額は固定資産税評価額が基準で、市区町村からの固定資産税通知書や評価証明書で確認できます。たとえば評価額1,000万円の土地なら登録免許税は原則4万円です。土地と建物それぞれにかかり、登記申請時に納めます。ただし一定の条件に当てはまると免税になる場合があります。
Q. 相続登記の登録免許税が非課税(免税)になるのはどんな場合ですか?
A. 主に2つの免税措置があります。1つは、相続で土地を取得した人が登記をしないまま亡くなった場合に、その亡くなった人を名義人とする相続登記が免税になるケース。もう1つは、不動産の価額が一定額以下(現行は100万円以下)の土地について相続登記が免税になるケースです。どちらも土地が対象で、建物は対象外です。
Q. 免税措置はいつまでも使えますか?
A. いいえ、これらの免税措置には適用期限が設けられています。これまで延長されてきていますが、恒久の制度ではなく、いつまでも続くとは限りません。対象となる金額や期限も変わる可能性があるため、手続きの前に法務局や法務省・国税庁の最新の案内を必ず確認しましょう。相続登記は2024年から義務化されているため、早めの手続きが安心です。
Q. 免税を受けるために特別な手続きは必要ですか?
A. 免税は自動では適用されません。登記申請書に、免税の適用を受ける旨と根拠となる条文を記載する必要があります。記載を忘れると原則どおり課税されてしまうことがあります。法務局のサイトに記載例があるので参考にし、自分で書くのが不安な場合は司法書士など専門家に相談・依頼する方法もあります。
Q. 自分のケースが免税の対象か分かりません。どこに相談すればいいですか?
A. 不動産を管轄する法務局に相談できます。法務局では登記手続きの案内や相談を受け付けており、免税の可否についても確認できます。数次相続や複数の土地があるなど複雑なケースは、登記の専門家である司法書士に依頼すると確実です。税金全般の疑問は税務署や税理士にも確認しましょう。
この記事のまとめ
- 相続登記の登録免許税は原則『不動産の価額×0.4%』がかかる
- 前の名義人とする登記や、価額が一定額以下(現行100万円以下)の土地は免税になる場合がある
- 免税措置には条件と適用期限があり、恒久の制度ではないため最新情報の確認を
- 免税は申請書に根拠条文を記載して初めて適用される。記載漏れに注意
- 対象か分からないときは法務局に相談を。放置せず早めの手続きが費用を抑えるコツ
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EDITORIAL TEAM
こもれび編集部 | 相続・諸手続き担当
監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム
本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。
最終更新日: 2026年06月28日
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