賃貸の原状回復の範囲は、『借りた人の故意・過失や、手入れを怠ったことによる傷みは借主負担、普通に住んでいて生じる通常損耗・経年劣化は貸主負担』が基本的な考え方です。退去のとき、どこまで自分で直す(費用を負担する)のか、不安に思う方は多いもの。国のガイドラインでは、負担の範囲の目安が示されています。実家やアパートの退去でも役立つ、原状回復の範囲を知っておきましょう。

「退去時にどこまで負担する?」「敷金は返ってくる?」という方に向けて、この記事では原状回復の範囲と、借主・貸主の負担の考え方を解説します。

この記事でわかること

  • 原状回復とは何か
  • 通常損耗・経年劣化は貸主負担
  • 借主が負担する範囲
  • 敷金との関係・トラブルを防ぐコツ

★ あわせて準備したい

退去前の掃除グッズ

退去前にきれいに掃除しておくと、原状回復の負担を抑えられます。掃除道具をそろえて、きれいにして返しましょう。

通常損耗 は貸主
普通の使用での傷み
故意・過失 は借主
不注意の傷み
ガイドライン が目安
国が考え方を提示

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原状回復とは何か

まず、原状回復という言葉の意味を知っておきましょう。

  • 賃貸を退去するとき、部屋を一定の状態に戻すこと
  • 『借りたときの状態に完全に戻す』という意味ではない
  • 普通に住んでいて生じた傷みは、戻す必要がない
  • 借主の不注意などによる傷みを、直すこと

原状回復とは、退去時に部屋を元の状態に戻すことですが、『借りたときの新品同様に戻す』という意味ではありません。普通に住んでいれば、壁紙や床はある程度傷みます。こうした自然な傷みまで借主が負担するわけではない、というのが基本的な考え方です。

原状回復とは何か

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通常損耗・経年劣化は貸主負担

普通に住んでいて生じる傷みは、貸主(大家)の負担とされます。

  • 通常損耗:普通に使っていて生じる傷み
  • 経年劣化:時間の経過で自然に古くなること
  • 家具を置いた床のへこみ、日焼けによる変色など
  • これらは家賃に含まれると考えられ、貸主負担

普通に生活していれば生じる傷み(通常損耗)や、時間の経過による劣化(経年劣化)は、借主が負担する必要はないとされています。たとえば、家具を置いてできた床のへこみ、日光による壁紙の変色などです。これらの費用は家賃に含まれていると考えられ、貸主の負担になります。

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借主が負担する範囲

一方、借主の負担になるのは、次のような場合です。

  • 故意・過失による傷(物をぶつけた穴など)
  • 手入れを怠ったことによる汚れ・カビ
  • たばこのヤニによる壁の汚れ・においなど
  • 掃除を怠ったことによる、ひどい汚れ

借主が負担するのは、わざと・不注意でつけた傷や、手入れを怠ったことによる汚れです。たとえば、物をぶつけてあけた壁の穴、結露を放置して生えたカビ、掃除を怠ったひどい汚れなど。普通の生活で生じる傷みとは区別されます。日頃から手入れをしておけば、負担を抑えられます。

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ガイドラインの考え方

原状回復については、国がガイドラインを示しています。

  • 国土交通省が『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』を公表
  • 貸主・借主の負担の範囲の、考え方を示す
  • 経過年数を考慮する(古いものは価値が減る)
  • トラブルの判断の、目安になる

原状回復のトラブルが多いことから、国土交通省がガイドラインを公表しています。借主と貸主、どちらがどこまで負担するかの考え方が示されており、トラブルの判断の目安になります。また、設備は時間とともに価値が減るため、古いものほど借主の負担割合が小さくなる、という考え方も示されています。

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通常損耗・経年劣化は貸主負担

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敷金との関係

原状回復の費用は、敷金から差し引かれることが多いです。

  • 敷金から、借主負担分の原状回復費が差し引かれる
  • 残りがあれば、返金される
  • 借主負担分が少なければ、敷金が多く戻る
  • 明細を確認し、納得できない点は説明を求める

退去時、借主が負担する原状回復の費用は、預けていた敷金から差し引かれるのが一般的です。負担分が少なければ、敷金が多く戻ってきます。請求の明細を確認し、通常損耗まで負担させられていないか、納得できない点はないかをチェックしましょう。疑問があれば、説明を求めることが大切です。

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退去時の注意・トラブルを防ぐコツ

実家やアパートの退去時に、トラブルを防ぐコツです。

  • 入居時に、部屋の状態を写真などで記録しておく
  • 退去前に、できる範囲で掃除をしておく
  • 立ち会いで、傷の状態を一緒に確認する
  • 請求明細の内容を、よく確認する
  • 納得できないときは、消費生活センターに相談

原状回復のトラブルを防ぐには、記録と確認が大切です。入居時に部屋の状態を写真に残しておけば、元からあった傷を後で証明できます。退去前に掃除をし、立ち会いで傷を一緒に確認しましょう。請求明細をよく確認し、通常損耗まで請求されるなど納得できないときは、消費生活センターに相談できます。実家を引き払うときも、同じ考え方が役立ちます。

★ あわせて準備したい

退去手続きの参考に

退去や相続の手続きを整理するなら、書類をまとめておくと安心です。必要な書類をファイルにまとめて備えましょう。

よくある質問

Q. 原状回復とは部屋を新品同様に戻すことですか?

A. いいえ。原状回復は退去時に部屋を一定の状態に戻すことですが、『借りたときの新品同様に戻す』という意味ではありません。普通に住んでいれば壁紙や床はある程度傷み、こうした自然な傷みまで借主が負担するわけではないというのが基本的な考え方で、借主の不注意などによる傷みを直すことを指します。

Q. 通常損耗や経年劣化は誰が負担しますか?

A. 貸主(大家)の負担とされます。通常損耗(普通に使っていて生じる傷み)や経年劣化(時間の経過で自然に古くなること)、たとえば家具を置いた床のへこみや日焼けによる変色などは、費用が家賃に含まれていると考えられ、借主が負担する必要はないとされています。

Q. 借主が負担するのはどんな場合ですか?

A. 故意・過失による傷(物をぶつけた穴など)、手入れを怠ったことによる汚れ・カビ、たばこのヤニによる壁の汚れ・におい、掃除を怠ったことによるひどい汚れなどです。わざと・不注意でつけた傷や手入れを怠った汚れが対象で、普通の生活で生じる傷みとは区別されます。日頃から手入れをしておけば負担を抑えられます。

Q. 原状回復にガイドラインはありますか?

A. あります。国土交通省が『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』を公表し、貸主・借主の負担範囲の考え方を示しています。トラブルの判断の目安になり、設備は時間とともに価値が減るため古いものほど借主の負担割合が小さくなるという考え方も示されています。トラブルが多いことから国が考え方を整理したものです。

Q. 退去時のトラブルを防ぐにはどうすればいいですか?

A. 入居時に部屋の状態を写真などで記録し、退去前にできる範囲で掃除をし、立ち会いで傷の状態を一緒に確認し、請求明細の内容をよく確認します。入居時の記録があれば元からあった傷を証明でき、通常損耗まで請求されるなど納得できないときは消費生活センターに相談できます。実家を引き払うときも同じ考え方が役立ちます。

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この記事のまとめ

  • 原状回復は借りたときの新品同様に戻すことではなく、借主の故意・過失による傷みを直すこと
  • 通常損耗(普通の使用での傷み)・経年劣化(自然な劣化)は貸主負担
  • 故意・過失の傷、手入れを怠った汚れ・カビ、たばこのヤニなどは借主負担
  • 国土交通省のガイドラインが負担範囲の目安。古い設備ほど借主負担は小さくなる
  • 費用は敷金から差し引かれる。入居時の記録・退去前の掃除・明細確認でトラブルを防ぐ

参考・出典

※制度・料金は改正や地域差があります。最新の情報は各公式サイト・お住まいの自治体でご確認ください。

EDITORIAL TEAM

こもれび編集部 | 空き家・実家の片付け担当

監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム

本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。

最終更新日: 2026年06月19日

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