在宅介護の始め方|サービスの使い方・費用・相談先まで解説
『在宅介護は、要介護認定を受けてケアマネジャーにケアプランを作ってもらい、訪問介護やデイサービスなどの介護保険サービスを組み合わせて、自宅で暮らしながら介護を続ける方法』です。親の介護に直面すると、何から始めればよいか戸惑いますが、まずは地域包括支援センターに相談すれば、進め方を一緒に整理してもらえます。一人で抱え込まず、公的なサービスを上手に使うことが続けるコツです。
親が急に倒れたり、認知症の症状が出てきたりして、「これからどう支えればいいのか」と不安になる40〜60代の方は少なくありません。この記事では、在宅介護とは何か、始め方の流れ、使えるサービス、家族の負担を減らす工夫、費用の目安、相談先までを、はじめての方にもわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 在宅介護とは・施設介護との違い
- 要介護認定からケアプラン作成までの始め方
- 使える介護保険サービスの種類
- 家族の負担を減らす工夫と相談先
★ あわせて準備したい
在宅介護をはじめるときに
在宅介護では、立ち上がりや移動を支える手すりや、滑り止めマットがあると安心です。介護をやさしく解説した入門書も、最初の一冊として役立ちます。
01
在宅介護とは・施設との違い
在宅介護とは、介護が必要になった人が住み慣れた自宅で暮らしながら、家族や介護保険サービスの支えを受けて生活を続けることです。
- 自宅で暮らせるため、本人が安心しやすい
- 訪問介護やデイサービスなどを組み合わせて利用する
- 家族の関わりが大きく、負担が偏りやすい面もある
- 施設介護は専門スタッフが常駐し、家族の手は離れる
施設介護は、特別養護老人ホームなどに入居して職員が日々の介護を担う方法で、家族の身体的な負担は軽くなりますが、費用や入居待ちの問題があります。一方、在宅介護は本人が慣れた環境で過ごせる安心感がある反面、家族の負担が大きくなりやすいのが特徴です。どちらが良い・悪いではなく、本人の状態や家族の事情に合わせて選び、必要に応じて両方を組み合わせていくのが現実的です。
02
在宅介護の始め方(要介護認定からケアプランまで)
在宅介護は、いきなりサービスを使えるわけではなく、決まった手順を踏んで始めます。
- 市区町村の窓口で『要介護認定』を申請する
- 調査員の訪問調査と主治医の意見書をもとに認定される
- 要介護度に応じてケアマネジャー(居宅介護支援)を決める
- ケアマネジャーが本人や家族と相談してケアプランを作る
最初のステップは要介護認定の申請です。市区町村の介護保険窓口か地域包括支援センターで申請すると、調査員が自宅を訪れて心身の状態を確認し、主治医の意見書とあわせて要支援1〜2、要介護1〜5の区分が決まります。認定後は、その区分に応じてケアマネジャーがケアプラン(介護サービスの利用計画)を作成します。何をどれだけ使うかはケアマネジャーが一緒に考えてくれるので、まずは相談することが大切です。
03
在宅介護で使えるサービス
介護保険の在宅サービスには、自宅に来てもらうもの、通って利用するもの、住まいを整えるものなど、いくつかの種類があります。
- 訪問介護:ホームヘルパーが自宅で身体介護や生活援助を行う
- 訪問看護:看護師が自宅で健康管理や医療的なケアを行う
- デイサービス・デイケア:日帰りで通い、入浴・食事・機能訓練を受ける
- ショートステイ:短期間、施設に泊まって介護を受ける
- 福祉用具貸与・住宅改修:車いすやベッドの貸与、手すり設置など
これらは単独で使うのではなく、本人の状態や家族の生活に合わせて組み合わせて利用します。たとえば、平日の日中はデイサービスで過ごし、週に数回ホームヘルパーに来てもらい、手すりを付けて転倒を防ぐ、といった使い方です。福祉用具は購入だけでなく貸与(レンタル)が中心で、住宅改修は手すりの取り付けや段差の解消などに補助が使えます。どのサービスをどう組み合わせるかは、ケアマネジャーが本人と家族の希望を聞きながら計画してくれます。
04
家族の負担を減らす工夫
在宅介護を長く続けるには、家族が無理をしすぎないことが何より大切です。
- ショートステイを使い、家族がまとまった休みを取る
- デイサービスで日中の介護時間を分担する
- 家族だけで抱え込まず、兄弟姉妹や親族で役割を分ける
- レスパイト(介護者の休息)を意識して取り入れる
介護する家族が疲れ果ててしまうと、在宅介護そのものが続けられなくなります。ショートステイは、家族が旅行や用事、休養のためにまとまった時間を確保したいときにも使える、大切な休息(レスパイト)の手段です。「自分が我慢すればいい」と一人で背負い込まず、サービスや家族・親族と上手に分担しましょう。心身の不調を感じたら、早めにケアマネジャーや地域包括支援センターに相談することが、共倒れを防ぐことにつながります。
05
在宅介護の費用の目安
在宅介護でかかるお金は、介護保険サービスの自己負担と、保険外の生活費に分けて考えるとわかりやすくなります。
- 介護保険サービスは原則1割(所得に応じて2〜3割)の自己負担
- 要介護度ごとに毎月使える支給限度額が決まっている
- 限度額を超えて使った分は全額自己負担になる
- おむつ代や食費など保険外の費用も別にかかる
介護保険のサービスは、利用した費用の原則1割(一定以上の所得がある場合は2割か3割)が自己負担です。要介護度ごとに1か月に使える上限(支給限度額)が決められており、その範囲内なら少ない負担でサービスを使えます。ただし、上限を超えた分や、保険の対象外であるおむつ・日用品・食費などは別に費用がかかります。負担が重いと感じたら、高額介護サービス費など負担を軽くする仕組みもあるため、ケアマネジャーや市区町村に相談してみましょう。
06
困ったときの相談先と施設の検討
在宅介護で迷ったときや、自宅での介護が難しくなってきたときは、専門の相談窓口を頼ることが大切です。
- 身近な相談先は地域包括支援センター
- 具体的なサービスの調整はケアマネジャーに相談
- 在宅が限界と感じたら施設も選択肢に入れる
- 本人の安全・家族の生活の両方から判断する
地域包括支援センターは、各市区町村に設けられた高齢者の総合相談窓口で、介護の悩みやサービスの使い方、認知症の対応まで幅広く相談できます。日々のサービス調整はケアマネジャーが担ってくれます。在宅介護を続けるか、施設に移るかは、本人の状態の重さや家族の負担、住まいの環境などを総合して考える必要があります。在宅にこだわりすぎて家族が倒れてしまっては元も子もありません。「在宅か施設か」は二者択一ではなく、状況の変化に応じて見直していくものと考え、迷ったら早めに専門家へ相談しましょう。
★ あわせて準備したい
毎日の在宅介護を支える
在宅介護では、汚れてもすぐ洗える防水シーツや、立ち座りを助ける用具があると毎日が楽になります。本人と介護する側の両方の負担を減らせます。
よくある質問
Q. 在宅介護は何から始めればいいですか?
A. まず市区町村の介護保険窓口か地域包括支援センターで『要介護認定』を申請します。調査員が自宅を訪れて心身の状態を確認し、主治医の意見書とあわせて要支援・要介護の区分が決まります。認定後は、その区分に応じてケアマネジャー(居宅介護支援)がケアプランを作成し、サービスの利用が始まります。何から手をつければよいか分からないときは、地域包括支援センターに相談すれば進め方を一緒に整理してもらえます。
Q. 在宅介護ではどんなサービスが使えますか?
A. 介護保険の在宅サービスには、ホームヘルパーが自宅に来る訪問介護、看護師による訪問看護、日帰りで通うデイサービスやデイケア、短期間泊まるショートステイ、車いすやベッドの福祉用具貸与、手すり設置などの住宅改修があります。これらを本人の状態や家族の生活に合わせて組み合わせて利用します。どのサービスをどう使うかは、ケアマネジャーが希望を聞きながら計画してくれます。
Q. 在宅介護の費用はどれくらいかかりますか?
A. 介護保険サービスは利用費用の原則1割(所得に応じて2割か3割)が自己負担です。要介護度ごとに1か月に使える支給限度額が決まっており、その範囲内なら少ない負担で使えます。ただし上限を超えた分や、おむつ・食費など保険対象外の費用は別にかかります。負担が重いときは高額介護サービス費など軽減の仕組みもあるため、ケアマネジャーや市区町村に相談しましょう。
Q. 介護する家族の負担を減らすにはどうすればいいですか?
A. ショートステイで家族がまとまった休みを取る、デイサービスで日中の介護を分担する、兄弟姉妹や親族で役割を分けるといった工夫が有効です。ショートステイは家族の休養(レスパイト)にも使える大切な手段です。一人で抱え込まず、心身の不調を感じたら早めにケアマネジャーや地域包括支援センターに相談することが、共倒れを防ぐことにつながります。
Q. 在宅介護を続けるか施設にするか、どう判断すればいいですか?
A. 本人の状態の重さ、家族の負担、住まいの環境などを総合して考えます。在宅にこだわりすぎて家族が倒れてしまっては続けられません。在宅か施設かは二者択一ではなく、状況の変化に応じて見直していくものです。判断に迷ったら、身近な相談窓口である地域包括支援センターやケアマネジャーに早めに相談し、専門家の意見を聞きながら決めると安心です。
この記事のまとめ
- 在宅介護は自宅で暮らしながら介護保険サービスを組み合わせて続ける方法
- まず要介護認定を申請し、ケアマネジャーにケアプランを作ってもらう
- 訪問介護・訪問看護・デイサービス・ショートステイ・福祉用具・住宅改修を活用する
- ショートステイやレスパイトで家族が休み、抱え込まず分担することが大切
- 費用は原則1割負担。迷ったら地域包括支援センターに相談を
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EDITORIAL TEAM
こもれび編集部 | 介護・シニアの暮らし担当
監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム
本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。
最終更新日: 2026年06月26日
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