香典返しの断り方|失礼にならない辞退の伝え方と文例集
香典返しを断りたい(辞退したい)場合は、香典袋の裏面や中袋、または小さな一筆箋に「お返しのご配慮は不要でございます」と書き添えて渡すのが、遺族に負担をかけない最もスムーズな方法です。口頭だけで伝えると遺族が香典帳に記録できず、かえって気を遣わせてしまうため、必ず書面で残すのがポイントです。
香典返しの辞退は「遺族の負担を減らしたい」「会社の規定で受け取れない」といった思いやりや事情から行うもので、正しく伝えればまったく失礼にはあたりません。この記事では、香典返しの断り方の具体的な文例、受付での伝え方、会社・連名の場合の書き方、辞退したのに品物が届いたときの対応、そして辞退された遺族側の対応まで、両方の立場から解説します。
この記事でわかること
- 香典返しを辞退する正しい方法と、香典袋・一筆箋にそのまま使える文例
- 会社・団体・連名で香典を出すときの辞退の書き方
- 辞退したのに香典返しが届いてしまった場合の対応
- 香典返しを辞退された遺族側の受け止め方とお礼の伝え方
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01 香典返しの辞退は失礼にあたらない|増えている背景
香典返しの辞退(お断り)は、正しい方法で伝えれば失礼にはあたりません。むしろ近年は「遺族の手間と出費を少しでも減らしたい」という配慮として広く受け入れられており、家族葬の増加とともに辞退する人・辞退される遺族の双方が増えています。
- 遺族の負担軽減:香典返しの手配(品物選び・住所確認・発送)は遺族にとって大きな作業です。特に高齢の喪主には負担が重く、辞退はありがたい配慮になります。
- 香典の趣旨を活かす:香典は本来「葬儀費用の相互扶助」の意味を持ちます。お返しを辞退することで香典全額を遺族に役立ててもらえます。
- 会社・公務の規定:会社の慶弔見舞金や公費からの香典は、規定上お返しを受け取れないケースがあります。公務員への返礼は利害関係によっては受け取れないこともあります。
- 少額の香典:3,000〜5,000円程度の香典で「お返しはかえって恐縮」という場合にも辞退がよく行われます。
一方で、辞退の伝え方を誤ると「受け取ってもらえなかった」「香典帳の整理で混乱した」と遺族を困らせることもあります。ポイントは「書面で・控えめに・理由を一言添えて」の3点です。次のセクションから具体的な方法を見ていきましょう。
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02 基本の断り方|香典袋に書き添える方法と文例
最も確実で遺族に伝わりやすいのは、香典袋そのものに辞退の意思を書いておく方法です。遺族は後日、香典袋を見ながら香典帳を整理してお返しの手配をするため、袋に書いてあれば見落としがありません。
書く場所
- 香典袋の裏面左下:住所・金額の近くの余白に小さめの字で書きます。
- 中袋の裏面・余白:中袋がある場合は、住所・氏名の脇に書き添えます。
- 一筆箋・カードを同封:袋に書くスペースがない場合は、名刺サイズ〜一筆箋に書いて中袋に同封します。
そのまま使える文例
- 「お返しのご配慮は不要でございます」
- 「誠に勝手ながら お返しはご辞退申し上げます」
- 「ご香典返しはご無用に願います」
- 「心ばかりのものですので お返しのお気遣いなさいませんようお願い申し上げます」
より丁寧に理由を添えるなら「ご遺族様でお役立ていただきたく お返しはご辞退申し上げます」のように書くと、遺族も気兼ねなく受け取れます。文章は1〜2行で簡潔に、本文(表書きや金額)より目立たない大きさで書くのがマナーです。
【ポイント】口頭だけの辞退は避けましょう。受付の係の方は親族ではないことが多く、伝言が遺族まで届かないことがよくあります。書面に残っていれば、遺族が香典帳を整理する際に確実に伝わります。
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03 受付・手渡しでの伝え方|言葉遣いの例
香典袋に書き添えたうえで、受付で一言添えるとより確実です。通夜・葬儀の受付は混み合うため、短く控えめに伝えるのがマナーです。
受付での言葉の例
- 「このたびはご愁傷さまでございます。恐れ入りますが、お返しのお気遣いは不要でございますので、その旨袋にも書き添えております」
- 「心ばかりですので、どうぞお返しはご放念ください」
遺族に直接手渡しする弔問の場合も同様に、「ほんの気持ちですので、お返しなどのお気遣いはなさらないでください」と一言添えます。このとき、遺族が「そういうわけには…」と恐縮された場合は、「では、お気持ちだけ頂戴いたします」などと押し問答にならないよう引き際も大切です。あくまで意思表示をして、最終判断は遺族に委ねる姿勢が美しい断り方です。
当日返し(即日返し)の会場で渡されそうになったら
最近は受付で香典と引き換えに返礼品を渡す「当日返し」の葬儀が多くあります。この場合、受付で辞退すると係の方が対応に困ることがあるため、会葬御礼品(数百円程度のお茶やハンカチ)は受け取り、香典返し相当の品だけ辞退するか、いったん受け取って後日の再送を辞退するのが現実的です。会葬御礼品は香典の有無に関係なく参列者全員に渡すものなので、受け取っても矛盾しません。
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04 会社・団体・連名で香典を出す場合の断り方
会社や部署、友人一同など連名で香典を出す場合は、香典返しの辞退がほぼ前提になります。人数が多いとお返しの手配が現実的でないためです。書き方は次のとおりです。
- 会社の慶弔金(福利厚生)の場合:規定に基づく支給であり、そもそもお返しは不要とされています。念のため「会社規定によるものですので、お返しはご不要です」と添えると親切です。
- 部署一同・有志一同の場合:「○○部一同」の香典袋の中に、メンバーの氏名一覧を入れるとともに「お返しのご配慮は不要でございます」と明記します。個別にお返しをしようとすると遺族の負担が非常に大きくなるため、辞退の一文は必ず入れましょう。
- 取引先として贈る場合:先方の社内規定で受け取れない場合もあるため、「ご返礼はご辞退申し上げます」と書き添えるのが一般的です。
連名の場合、遺族が「皆さんで召し上がってください」と菓子折りを職場に送ってくださることがあります。これは香典返しというよりお礼の気持ちなので、ありがたく受け取って構いません。その際は代表者から「お気遣いいただき恐縮です。皆でいただきます」と電話やメールで一報を入れると丁寧です。
【公務員・利害関係者への注意】公務員は利害関係者からの贈答品の受け取りが国家公務員倫理規程等で制限されています。故人や遺族と職務上の利害関係がある場合、香典返しの受け取り自体が問題になることがあるため、辞退の一文は必ず書面で残しましょう。
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05 辞退したのに香典返しが届いたときの対応
辞退の意思を伝えていても、遺族の気持ちとして香典返しが届くことはよくあります。このときの対応を誤ると、かえって遺族を傷つけてしまうため注意が必要です。
- 受け取るのが基本マナー:一度届いた品物を送り返すのは大変失礼にあたります。遺族が「それでもお礼をしたい」と考えて手配したものなので、ありがたく受け取りましょう。
- お礼の連絡は「受け取った報告」として:香典返しに対して「お返しのお礼」を述べるのは本来マナー違反(不幸が繰り返す連想)とされますが、現在は「無事に届きました」という報告を兼ねて電話や手紙で一報を入れるのが現実的で、遺族も安心します。「ご丁寧にお心遣いいただき恐縮です。お変わりありませんか」のように、品物のお礼を大げさにせず遺族を気遣う言葉を中心にします。
- 「ありがとう」を避ける言い回し:気になる場合は「恐れ入ります」「恐縮です」「お気遣いいただきまして」といった表現を使うと、弔事の慣習に沿った受け答えになります。
なお、メールやLINEでのお礼は、日頃からやり取りしている親しい間柄なら問題ありません。目上の方や改まった関係の場合は、はがき・手紙か電話が無難です。
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06 遺族側の対応|香典返しを辞退されたらどうする?
ここからは受け取る側、つまり香典返しを辞退された遺族側の対応です。「お返し不要」と書かれていた場合、基本的にはその言葉に甘えて構いません。そのうえで、次のような対応をすると丁寧です。
- お礼状(挨拶状)だけは送る:品物は贈らなくても、忌明けの報告を兼ねたお礼状を送ると感謝が伝わります。四十九日法要後に「おかげさまで忌明けの法要を相営みました」という一文を添えた礼状が定番です。
- 高額の香典をいただいた場合:辞退されていても、3万円・5万円といった高額の場合は、3分の1程度の品や気持ち程度のギフトを「ほんのしるしです」と贈る判断もあります。相手との関係性で決めましょう。
- 会社・連名の場合:個別のお返しはせず、職場宛てに菓子折りをひとつ「皆様で」と送るか、お礼状のみで問題ありません。
- 香典帳に「辞退」と記録する:香典袋の辞退の書き込みを見落とさないよう、香典帳の整理時に「返礼辞退」と明記しておくと、二重手配や漏れを防げます。
辞退の申し出は「遺族の負担を減らしたい」という厚意です。無理にお返しをすると相手の気持ちを無にすることにもなるため、「お言葉に甘えるのも礼儀」と考えて差し支えありません。感謝の気持ちは品物ではなく、言葉と近況の報告で伝えましょう。
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07 香典自体を辞退したい場合との違いと注意点
「香典返しの辞退」とよく混同されるのが、遺族側が行う「香典そのものの辞退」です。意味がまったく異なるため、整理しておきましょう。
| 種類 | 誰が辞退する | 伝え方 |
|---|---|---|
| 香典返しの辞退 | 参列者(香典を出す側) | 香典袋の裏や一筆箋に「お返し不要」と書く |
| 香典の辞退 | 遺族(受け取る側) | 訃報・案内状に「御香典は謹んでご辞退申し上げます」と明記 |
遺族から「香典辞退」の案内があった場合は、香典を持参しないのがマナーです。それでも弔意を表したい場合は、供花・弔電・後日の弔問など、遺族の意向を確認したうえで別の形を検討します。
香典返し辞退の注意点まとめ
- 辞退は必ず書面で(香典袋の裏・中袋・一筆箋)。口頭のみは伝わらないリスクが大きい。
- 文言は1〜2行で控えめに。「ご遺族様でお役立てください」と理由を添えるとより気持ちが伝わる。
- 当日返しの会葬御礼品は受け取ってよい。
- 辞退したのに届いた品物は送り返さず、受け取って一報を入れる。
- 遺族側は辞退の言葉に甘えてよいが、お礼状だけは送ると丁寧。
この記事のまとめ
- 香典返しの辞退は失礼ではなく、遺族の負担を減らす配慮として広く受け入れられている
- 断り方の基本は香典袋の裏面か一筆箋に「お返しのご配慮は不要でございます」と書面で残すこと。口頭のみは伝わらないリスクがある
- 会社・連名の香典は辞退が前提。「○○一同」の袋に辞退の一文と氏名一覧を入れる
- 辞退したのに届いた香典返しは送り返さず受け取り、「無事に届いた」と一報を入れるのがマナー
- 遺族側は辞退の言葉に甘えてよいが、忌明けのお礼状だけは送ると感謝が伝わる
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EDITORIAL TEAM
こもれび編集部 | 葬儀・お墓・供養担当
監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム
本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。
最終更新日: 2026年06月30日
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