介護と仕事の両立|使える制度と離職しないための進め方
介護と仕事の両立で大切なのは、『一人で抱え込まず、介護休業や介護休暇などの制度と介護サービスを活用し、まずは介護離職を避けること』です。育児・介護休業法では、対象家族1人につき通算93日まで取れる介護休業や、年5日の介護休暇などが用意されています。これらの制度と地域包括支援センターなどの相談先をうまく使えば、働きながらでも介護を続けられます。
親の介護が始まると、「仕事を辞めなければ」と思いつめてしまう方は少なくありません。しかし介護離職は、収入が途絶え、再就職も難しく、その後の生活に大きな影響を与えます。この記事では、働きながら親を介護する40〜60代の方に向けて、使える制度と両立のための進め方を、制度の数字を正確にお伝えしながら解説します。
この記事でわかること
- 介護離職を避けるべき理由と考え方
- 介護休業・介護休暇など使える制度
- 会社への相談・申請の進め方
- 相談先と一人で抱えないコツ
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通院や服薬、介護サービスの予定を一冊にまとめておくと、きょうだいや会社との情報共有がスムーズです。介護用のノートやファイルがあると便利です。
01
介護離職を避けるという考え方
親の介護が始まると、仕事を辞めて介護に専念しようと考える方がいます。しかし、まずは離職を避ける方向で考えることが大切です。
- 離職すると収入が途絶え、生活が苦しくなりやすい
- 介護が終わったあとの再就職は年齢的に難しいことが多い
- 仕事は気分転換や社会とのつながりにもなる
- 制度とサービスを使えば、働きながらでも介護は続けられる
介護はいつまで続くか見通せないことが多く、勢いで仕事を辞めると、収入面でも精神面でも追いつめられてしまいます。再就職も簡単ではありません。国も介護離職を社会的な課題ととらえ、両立を支える制度を整えています。「辞めるしかない」と決める前に、まずは使える制度や介護サービスがないかを確認しましょう。一時的に休みが必要なら、退職ではなく介護休業という選択肢があります。
02
使える制度(介護休業・介護休暇など)
育児・介護休業法では、働きながら介護をする人のために、いくつもの制度が用意されています。
- 介護休業:対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できる
- 介護休暇:年5日(対象家族が2人以上なら年10日)、1日または時間単位で取得できる
- 所定外労働の制限:残業(所定外労働)を免除してもらえる
- 短時間勤務など:勤務時間の短縮やフレックスタイムなどの措置がある
- 介護休業給付金:雇用保険から、一定の要件を満たすと給付金が支給される
介護休業は、対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分けて取れます。介護の体制づくりや、施設探しなどのまとまった時間が必要なときに役立ちます。休業中は雇用保険の介護休業給付金が、一定の要件を満たせば支給されます。一方、介護休暇は年5日(対象家族2人以上なら年10日)で、通院の付き添いや手続きなど短時間の用事に使いやすい制度です。どちらも会社に申し出て利用します。
03
会社への相談・申請の進め方
制度を使うには、会社への相談と申請が必要です。早めに動くほど、両立の体制をつくりやすくなります。
- まずは上司や人事に、介護の状況を早めに伝える
- 就業規則や社内の窓口で、利用できる制度を確認する
- 介護休業は原則2週間前までに申し出る必要がある
- いつ・どのくらい休むか、復帰後の働き方も相談する
介護を一人で抱えたまま無理を続けると、突然の遅刻や欠勤が増え、かえって職場に迷惑をかけてしまうこともあります。状況が見えてきた段階で、上司や人事に相談しておくと、業務の引き継ぎや勤務調整がしやすくなります。介護休業は原則として開始日の2週間前までに申し出るのがルールです。会社によっては法律以上の独自の支援制度を持っていることもあるため、就業規則や担当窓口で確認しておきましょう。
04
介護サービスを活用して負担を分散する
仕事と介護を両立するには、自分だけで介護を抱えず、介護サービスに任せる部分をつくることが欠かせません。
- まず要介護認定を受け、ケアマネジャーにケアプランを作ってもらう
- 訪問介護(ヘルパー)やデイサービスで日中の見守りを任せる
- ショートステイで、数日間の宿泊を頼める
- 状況によっては施設への入所も選択肢に入れる
介護サービスを使うには、まず市区町村に申請して要介護認定を受けます。認定されると、ケアマネジャーが本人や家族の状況に合わせてケアプランを作ってくれます。日中はデイサービスで過ごしてもらう、ヘルパーに来てもらう、自分が休みたいときはショートステイを使うなど、サービスを組み合わせれば、働きながらでも介護を続けやすくなります。在宅での介護が難しくなったら、施設への入所も前向きに検討しましょう。
05
相談先を知っておく
両立に行き詰まる前に、相談できる窓口を知っておくと安心です。一人で悩まず、専門家の力を借りましょう。
- 地域包括支援センター:介護全般の最初の相談窓口。無料で相談できる
- ケアマネジャー:サービスの調整やプランづくりの相談相手
- 会社の人事・上司:制度の利用や働き方の相談
- ハローワーク:介護休業給付金の手続き窓口
介護で困ったら、まず地域包括支援センターに相談しましょう。各市区町村にあり、介護の専門職が無料で相談に乗ってくれます。どんなサービスが使えるか、認定の申請はどうするかなど、最初の道案内をしてくれる心強い存在です。仕事との両立で悩んでいることも、遠慮なく伝えて構いません。あわせて会社の人事にも相談すれば、制度の利用と介護サービスの両面から、両立の体制をつくれます。
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一人で抱えないコツ・きょうだいで分担する
介護は長く続くことが多く、一人で背負い込むと心も体も限界がきます。周りと分担する仕組みを早めにつくりましょう。
- きょうだいや親族で、できることを話し合って分担する
- 近くに住む人だけに負担が集中しないよう配慮する
- お金・通院・手続きなど、役割を分けて担当する
- 介護する側の休息(レスパイト)の時間も意識して確保する
介護はどうしても、親の近くに住む人や、頼みやすい人に負担が偏りがちです。早いうちにきょうだいや親族で集まり、誰が何をするかを話し合っておきましょう。遠くに住んでいても、費用を分担する、電話で本人の様子を気にかける、手続きを引き受けるなど、できることはあります。介護する人自身が倒れてしまっては元も子もありません。ショートステイなどを使って自分が休む時間も大切にし、無理なく続けられる形を探していきましょう。
★ あわせて準備したい
離れて暮らす親を見守るなら
遠方の親が心配なときは、見守りカメラや人感センサーがあると安心です。日々の様子をスマートフォンで確認でき、きょうだいでの見守りにも役立ちます。
よくある質問
Q. 介護のために仕事を辞めたほうがいいですか?
A. まずは辞めない方向で考えることをおすすめします。介護離職をすると収入が途絶え、介護が終わったあとの再就職も年齢的に難しいことが多く、生活に大きな影響が出ます。育児・介護休業法では介護休業や介護休暇などの制度があり、介護サービスと組み合わせれば働きながらでも介護は続けられます。一時的に時間が必要なら、退職ではなく介護休業という選択肢があります。
Q. 介護休業はどのくらい取れますか?
A. 対象家族1人につき通算93日まで取得でき、3回を上限に分割して取ることもできます。介護の体制づくりや施設探しなど、まとまった時間が必要なときに役立ちます。休業中は雇用保険から、一定の要件を満たすと介護休業給付金が支給されます。取得するには原則として開始日の2週間前までに会社へ申し出る必要があります。
Q. 介護休暇と介護休業はどう違いますか?
A. 介護休暇は年5日(対象家族が2人以上なら年10日)で、1日または時間単位で取れ、通院の付き添いや手続きなど短時間の用事に向いています。一方、介護休業は対象家族1人につき通算93日まで(3回まで分割可)で、まとまった休みが必要なときに使います。どちらも会社に申し出て利用する制度です。
Q. 仕事と介護の両立はどこに相談すればいいですか?
A. まずは地域包括支援センターに相談しましょう。各市区町村にあり、介護の専門職が無料で、使えるサービスや要介護認定の申請方法などを案内してくれます。あわせて会社の人事や上司にも早めに相談すると、制度の利用や勤務調整がしやすくなります。介護休業給付金の手続きはハローワークが窓口です。
Q. 介護の負担を一人で抱えないためにはどうすればいいですか?
A. 早いうちにきょうだいや親族で話し合い、誰が何を担当するかを決めておくことが大切です。近くに住む人に負担が偏りやすいので、遠方の人は費用の分担や電話での見守り、手続きを引き受けるなど役割を分けましょう。デイサービスやショートステイなどの介護サービスを活用し、介護する側が休む時間も意識して確保することが、長く続けるコツです。
この記事のまとめ
- 勢いで仕事を辞めず、まずは介護離職を避ける方向で考えることが大切
- 介護休業は対象家族1人につき通算93日まで3回分割可、介護休暇は年5日(2人以上は年10日)
- 残業免除や短時間勤務、雇用保険の介護休業給付金など使える制度を確認する
- 要介護認定を受け、訪問介護・デイサービス・ショートステイなどで負担を分散する
- 地域包括支援センターや会社の人事に相談し、きょうだいで分担して一人で抱えない
EDITORIAL TEAM
こもれび編集部 | 介護・シニアの暮らし担当
監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム
本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。
最終更新日: 2026年06月26日
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