遺産相続の相談はどこへ?弁護士・司法書士・税理士の選び方
遺産相続の相談先は「トラブルの内容」と「手続きの種類」によって、弁護士・司法書士・税理士・行政書士と使い分けるのが正解です。窓口を間違えると「うちでは対応できません」と門前払いになり、貴重な時間と費用を無駄にしてしまいます。
「親が亡くなったけれど、まず誰に相談すればいいかわからない」「弁護士と司法書士は何が違うの?」という疑問を抱える方はとても多いです。この記事では、6つの主要な相談窓口の特徴・費用・向いているケースを徹底比較し、あなたの状況に最適な相談先をすぐに見つけられるよう解説します。
この記事でわかること
- 弁護士・司法書士・税理士・行政書士の役割の違い
- 無料相談を活用できる公的窓口(法テラス・法務局)の使い方
- 相続の状況別・最適な相談先の選び方
- 相続税申告・登記・放棄などの重要期限と手続きの流れ
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相続の相談窓口選びや手続きの全体像を把握するには、専門家監修の書籍が手元にあると安心です。弁護士・税理士など各専門家の役割や費用感も図解でわかりやすくまとめた書籍を活用しましょう。
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01 遺産相続の相談先は「悩みの種類」で決まる
遺産相続の手続きは多岐にわたるため、「とりあえず弁護士に」と考える方も多いですが、実は相談内容によって最適な専門家は異なります。相談先を間違えると、専門外として断られたり、不必要に高い費用を払ったりするリスクがあります。
まず、自分の相続がどのカテゴリに当てはまるかを確認しましょう。
- 相続人同士のトラブル・争い→ 弁護士
- 不動産の名義変更(相続登記)→ 司法書士
- 相続税の申告・節税対策→ 税理士
- 書類作成を安く済ませたい→ 行政書士
- 費用が心配・低所得→ 法テラス
- 登記の手順だけ確認したい→ 法務局の無料相談
相続手続きには法定期限があるものも多く、相談先選びに迷っている間に期限を過ぎてしまうことも。まずは無料相談を利用しながら、自分の状況に合った専門家を見極めることが重要です。
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02 弁護士への相談|トラブル・調停・遺言無効はここへ
弁護士は、相続人同士が争うトラブル案件や、法的交渉・裁判が必要な場面で頼れる専門家です。遺産分割協議がまとまらない場合、遺言の内容に異議がある場合、相続放棄を検討している場合など、法律判断が伴う問題では弁護士にしか対応できないケースがあります。
- 遺産分割トラブル・遺産分割調停の代理人
- 遺言の有効性(遺言無効確認訴訟)
- 相続放棄の手続きサポート(家庭裁判所への申述)
- 不当利得返還請求・使い込み問題
- 遺留分侵害額請求
相続放棄の期限は相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります(民法915条)。期限が迫っている場合は、まず弁護士や司法書士に連絡してください。延長申請(熟慮期間の伸長)も可能ですが、早めの相談が鉄則です。
費用の目安は、初回相談30分〜1時間が5,000〜1万円程度(無料の場合も)、着手金は10〜30万円、成功報酬は回収額の10〜15%程度が一般的です。各都道府県の弁護士会が実施する無料相談(30分)を最初のステップとして活用しましょう。日本弁護士連合会の公式サイトから最寄りの弁護士会を調べられます。
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03 司法書士への相談|相続登記・協議書作成はここへ
司法書士は不動産の名義変更(相続登記)や遺産分割協議書の作成を得意とする専門家です。2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料が科される可能性があります(不動産登記法第164条)。これにより、司法書士への相談ニーズが急増しています。
- 相続による不動産の名義変更(相続登記)
- 遺産分割協議書の作成(公正証書にする場合は公証役場と連携)
- 預貯金・証券口座などの相続手続き書類の整備
- 相続関係説明図・法定相続情報一覧図の作成
遺産分割協議書には、相続人全員の署名・実印・印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)が必要です。公正証書にする義務はありませんが、後々のトラブル防止のために公正証書化することも検討できます。
相続登記の際には登録免許税として固定資産税評価額の0.4%がかかります(租税特別措置法による)。司法書士報酬は不動産の数や評価額によって異なりますが、5〜15万円程度が目安です。全国司法書士会連合会の無料相談窓口も活用できます。
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04 税理士への相談|相続税申告・節税対策はここへ
相続財産の総額が基礎控除を超える場合は、相続税の申告が必要です。申告と納税は相続開始を知った翌日から10ヶ月以内という期限があり(国税通則法・相続税法第27条)、この期限を過ぎると延滞税・無申告加算税が課されます。
相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人数」(相続税法第15条)。法定相続人が3人なら3,000万円+1,800万円=4,800万円が控除されます。遺産総額がこれを超える場合は必ず税理士に相談しましょう。
- 相続税申告書の作成・提出代理
- 小規模宅地等の特例や配偶者控除などの節税対策
- 不動産・非上場株式の評価(財産評価基本通達に基づく)
- 税務調査への対応
- 生前贈与・相続時精算課税の活用アドバイス
相続税を扱う税理士は「相続税申告の実績が豊富な税理士」を選ぶことが重要です。一般的な法人税専門の税理士では対応が難しいケースもあります。各税理士会や税務署の無料相談、また国税庁の公式サイトでも相続税の基礎知識を確認できます。
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05 行政書士・法テラス・法務局|費用を抑えたい・公的支援を使いたい場合
費用を抑えたい場合や、争いのない比較的シンプルな相続手続きの書類作成であれば、行政書士への依頼が選択肢に入ります。また、収入が少ない方には公的支援機関である法テラスが利用できます。
- 行政書士:相続書類の収集・作成(戸籍謄本の取得代行など)。費用は弁護士・司法書士より安めで3〜10万円程度。ただし裁判所への手続き代理は不可。
- 法テラス(日本司法支援センター):収入・資産が一定基準以下の方は弁護士・司法書士費用の立替制度あり。0120-078374(無料)で相談受付。
- 法務局の登記相談:相続登記の書類作成方法について無料で説明を受けられます(要予約)。ただし書類作成の代行はしてもらえません。自分で手続きする方(自己申請)に向いています。
銀行口座の凍結後でも、仮払い制度を利用すれば1金融機関あたり「150万円」または「預金残高×1/3(相続人1人あたり)」のいずれか低い金額まで払い戻しを受けられます(民法909条の2)。葬儀費用や生活費の緊急対応として活用してください。
シンプルなケースであれば行政書士や法務局の自己申請で十分対応できますが、少しでも複雑な事情がある場合は最初から司法書士や弁護士に相談することで、後々のリスクを回避できます。
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06 状況別・最適な相談先の選び方チャート
以下の状況に当てはまる方は、それぞれの専門家への相談を優先しましょう。複数の問題が絡み合っている場合は、まず弁護士に相談すると、必要に応じて税理士・司法書士と連携してもらえます。
- 「相続人同士でもめている」「遺言の内容に納得いかない」→ 弁護士(各弁護士会の無料相談30分を活用)
- 「不動産の名義変更をしたい」「協議書を作りたい」→ 司法書士(全国司法書士会連合会の無料相談)
- 「相続税がかかりそう」「節税したい」→ 税理士(相続税実績豊富な事務所を選ぶ)
- 「書類収集だけお願いしたい」「費用を最小限にしたい」→ 行政書士
- 「費用が払えない・低収入」→ 法テラス(費用立替制度・収入要件あり)
- 「自分で登記したい・手順を知りたいだけ」→ 法務局の登記無料相談(要予約)
なお、相続税の申告は税理士にしか代理権がなく、登記申請書の法務局への提出代理は司法書士・弁護士しかできません。行政書士は代理権の範囲が限られる点を覚えておきましょう。
複合的な問題がある場合は、弁護士・税理士・司法書士がチームを組んで対応する「相続ワンストップ事務所」も存在します。初回無料相談で全体像を確認するのがおすすめです。
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07 相談前に準備しておくべき書類と確認事項
専門家への相談を有意義にするために、事前に以下の情報・書類を整理しておくと、相談時間を有効に活用でき、費用の節約にもつながります。
- 被相続人(亡くなった方)の情報:氏名・生年月日・死亡日・本籍地・最後の住所
- 財産の概要:不動産(固定資産税通知書)・預貯金(通帳)・有価証券・生命保険・負債
- 相続人の情報:続柄・人数・連絡先(疎遠な相続人がいる場合はその状況も)
- 遺言書の有無:公正証書遺言か自筆証書遺言か、法務局保管かどうか
- 相続開始日:死亡診断書などで確認。各種期限の起算点になります
特に相続開始を知った日の確認は非常に重要です。相続放棄の期限(3ヶ月)・相続税申告の期限(10ヶ月)・相続登記の義務化期限(3年)はすべてこの日を起点とするため、カレンダーに記録しておきましょう。
法務省・国税庁・裁判所の公式サイトには手続きの詳細が掲載されています。専門家相談の前に公式情報を確認しておくと、相談内容をより具体的に絞り込めます。
この記事のまとめ
- 遺産相続の相談先は「トラブル→弁護士」「登記→司法書士」「税申告→税理士」と内容で使い分けるのが基本
- 各弁護士会・司法書士会・法テラス・法務局の無料相談を最初のステップとして活用できる
- 相続税申告は相続開始を知った翌日から10ヶ月以内、相続放棄は3ヶ月以内、相続登記は3年以内と期限に注意
- 2024年4月1日から相続登記が義務化、違反すると10万円以下の過料の対象になる
- 相談前に財産の概要・相続人の情報・相続開始日を整理しておくと、専門家への相談が効果的になる
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EDITORIAL TEAM
こもれび編集部 | 相続・諸手続き担当
監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム
本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。
最終更新日: 2026年06月25日
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