不動産の相続登記には8種類の書類が必要で、2024年4月1日からは相続を知った日から3年以内の登記申請が法律で義務化されました。期限を過ぎると10万円以下の過料が科される可能性があるため、早めの準備が欠かせません。

「何の書類が必要なのか」「どこで取得できるのか」「申請の手順がわからない」と悩んでいる方は多いはずです。この記事では、相続登記に必要な書類8点を一覧で整理し、各書類の取得場所・費用・注意点、さらに法務局への申請の流れと登録免許税の計算方法まで、ステップごとに丁寧に解説します。

この記事でわかること

  • 相続登記に必要な8種類の書類と取得場所
  • 遺産分割協議書の作成要件(実印・印鑑証明書の注意点)
  • 登録免許税の計算方法(固定資産税評価額×0.4%)
  • 2024年義務化後の申請期限と違反した場合のペナルティ

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相続登記の手続きをスムーズに進めるための参考書

相続登記は書類の量が多く、初めての方には複雑に感じられます。専門家監修の手続き本を手元に置いておくと、書類の準備から申請まで迷わず進められます。

2024年4月1日 相続登記義務化
施行日
3年以内 登記申請期限
相続を知った日から
固定資産税評価額×0.4% 登録免許税率
相続登記の場合

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01 相続登記の義務化と期限|2024年4月から何が変わったか

2024年4月1日、不動産相続登記が法律で義務化されました。法務省の施策として不動産登記法が改正され、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請を行うことが義務となっています。この義務は2024年4月1日より前に発生した相続にも遡って適用されるため、過去に相続した不動産を未登記のまま放置している場合も対象です。

  • 期限:相続を知った日から3年以内(遺産分割が成立した場合はその日から3年以内)
  • 違反した場合:正当な理由なく申請しなかった場合、10万円以下の過料が科される可能性があります
  • 過去の相続への適用:2024年4月1日以前の相続も対象。施行日から3年以内(2027年3月31日まで)が猶予期間の目安
  • 相続人申告登記(簡易手続):遺産分割協議が整わない場合でも、相続人であることを申告する簡易な登記申請で期限を守ることができます

義務化の背景には、所有者不明土地の増加問題があります。法務省の調査によれば、全国に存在する所有者不明土地の面積は九州全土を超えるともいわれており、社会問題となっていました。期限内に手続きを完了させるためにも、必要書類の収集を早めに開始することが重要です。

01 相続登記の義務化と期限|2024年4月から何が変わったか
写真: www.kaboompics.com / Pexels

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02 相続登記に必要な書類8点|完全一覧

相続登記の申請には、下記8種類の書類が基本的に必要です。遺言書の有無や相続の形態によって若干異なりますが、遺産分割協議による相続登記の標準的なケースを以下にまとめます。

  • ①登記申請書:法務局の窓口またはホームページから書式を取得して作成。申請する不動産の情報・相続人の情報・登録免許税額などを記載します
  • ②被相続人の戸籍謄本(出生〜死亡まで連続したもの):被相続人が生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍・除籍謄本・改製原戸籍謄本をすべて収集します。本籍地を管轄する市区町村役場で取得します(1通750〜900円程度)
  • ③被相続人の住民票の除票:被相続人の最後の住所地を証明する書類。死亡後に住民票が「除票」となります。亡くなる前の住所地の市区町村役場で取得(300円程度)
  • ④相続人全員の戸籍謄本:法定相続人全員の現在の戸籍謄本。各相続人の本籍地の市区町村役場で取得(1通450円程度)
  • ⑤不動産を取得する相続人の住民票:実際に不動産を取得する相続人の現住所を証明するもの。現住所地の市区町村役場で取得(300円程度)
  • ⑥遺産分割協議書:相続人全員で話し合い、誰がどの不動産を取得するかを記載した書面。相続人全員の署名と実印の押印が必要です
  • ⑦相続人全員の印鑑証明書:遺産分割協議書に押印した実印と同一であることを証明するもの。各相続人の住所地の市区町村役場で取得(300円程度)。発行から3ヶ月以内のものが必要です
  • ⑧固定資産税評価証明書:登録免許税の計算の基礎となる書類。不動産所在地の市区町村役場(東京23区は都税事務所)で取得(1通300円程度)

【注意】遺言書がある場合は遺産分割協議書が不要になる一方、遺言書(公正証書遺言または検認済みの自筆証書遺言)の添付が必要です。また、相続放棄をした相続人がいる場合は家庭裁判所発行の「相続放棄申述受理証明書」も必要になります。

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03 各書類の取得方法と費用の目安

書類によって取得場所・費用・取得にかかる日数が異なります。特に被相続人の連続した戸籍謄本は、転籍歴が多い場合に複数の市区町村に請求が必要となり、時間がかかります。早めに着手しましょう。

  • 市区町村役場(窓口またはコンビニ):戸籍謄本・除籍謄本・住民票・印鑑証明書・固定資産税評価証明書を取得。マイナンバーカードがあればコンビニのマルチコピー機でも取得可能(一部書類を除く)
  • 郵送請求:遠方の市区町村の書類は郵送でも請求可能。返信用封筒と定額小為替(ゆうちょ銀行で購入)を同封して申請します。到着まで1〜2週間かかる場合があります
  • 広域交付制度(2024年3月〜):2024年3月から、本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍謄本・除籍謄本の取得が可能になりました(一部例外あり)。これにより複数市区町村への郵送請求が不要になるケースが増えています
  • 法務局(登記申請書の書式):法務局の窓口またはホームページ(法務省)から登記申請書の書式・記載例を無料で取得できます

費用の総計(書類取得のみ)は、相続人の人数や転籍歴によりますが、一般的なケースで5,000〜15,000円程度が目安です。これに登録免許税(固定資産税評価額×0.4%)が加わります。司法書士に依頼する場合は別途報酬が必要で、相場は5〜15万円程度です。

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04 遺産分割協議書の作成方法と注意点

遺産分割協議書は、相続人全員で行った遺産分割の合意内容を書面化したものです。法律上、公正証書にする義務はなく、自分たちで作成した書面でも法的に有効ですが、相続登記の添付書類として使用するためには厳格な要件を満たす必要があります。

  • 相続人全員の参加:法定相続人のうち1人でも欠けた状態で作成した遺産分割協議書は無効です。相続放棄をした相続人は協議に参加しなくてよいですが、その場合は相続放棄申述受理証明書が必要です
  • 署名と実印の押印:相続人全員が自筆で署名し、実印を押印することが必要です。認印や三文判は使用できません
  • 印鑑証明書の添付:押印した実印に対応する印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)を全員分添付します
  • 記載内容:相続する不動産を特定できる情報(登記簿上の所在・地番・家屋番号・地目・地積・床面積など)を正確に記載します。登記事項証明書(登記簿謄本)を参照して作成すると安全です
  • 押印の方式:割印(ページをまたいだ印)または契印を各ページに押すことで改ざんを防止します

遺産分割協議書の作成後に新たな相続財産が発見された場合、その財産について改めて遺産分割協議が必要になります。不動産以外の預貯金・有価証券なども含めて一度に協議しておくと手間が省けます。

遺産分割協議がまとまらない場合は、家庭裁判所での遺産分割調停・審判という手続きを利用することができます。また、前述の「相続人申告登記」を活用することで、協議が整わなくても登記義務の期限を守ることが可能です。

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02 相続登記に必要な書類8点|完全一覧
写真: Johnny Song / Pexels

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05 登録免許税の計算方法と納付方法

相続登記を申請する際には、国に対して登録免許税を納付する必要があります。相続登記の税率は売買や贈与に比べて低く設定されており、固定資産税評価額×0.4%が登録免許税額となります(国税庁の規定による)。

  • 計算の基礎:固定資産税評価証明書に記載された「価格(評価額)」を使用します。土地と建物それぞれの評価額の合計に0.4%を乗じます
  • 計算例:土地の評価額1,500万円+建物の評価額500万円=合計2,000万円の場合、登録免許税=2,000万円×0.4%=8万円
  • 1,000円未満の端数処理:課税標準(評価額の合計)は1,000円未満を切り捨て、税額は100円未満を切り捨てます
  • 免税措置(〜2025年3月31日):土地の相続登記について、評価額が100万円以下の場合は登録免許税が免税となる措置があります(租税特別措置法)。延長の可能性もあるため最新情報を法務局で確認してください
  • 納付方法:収入印紙を購入し、登記申請書に貼付して納付するのが一般的です。金額が多い場合は銀行振込による電子納付も可能です

なお、相続税は別途の税金です。相続税は相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超える場合に、相続開始を知った翌日から10ヶ月以内に税務署へ申告・納付する必要があります(国税庁)。登録免許税と相続税は別の税金であることを混同しないよう注意してください。

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06 法務局への申請手順|窓口・郵送・オンラインの方法

書類が揃ったら、不動産の所在地を管轄する法務局(登記所)に申請します。申請方法は「窓口申請」「郵送申請」「オンライン申請」の3種類から選べます。

  • 申請先の確認:法務局のホームページ(法務省)で不動産の住所を入力すると管轄の法務局を検索できます。土地と建物が同じ所在地であれば一つの法務局に一括申請できます
  • 窓口申請:管轄法務局の窓口に書類一式を持参して提出します。書類の不備があればその場で確認できるメリットがあります。登記完了まで通常1〜2週間かかります
  • 郵送申請:書類一式を管轄法務局宛に郵送します。書留郵便など追跡可能な方法を推奨します。登記完了後の「登記識別情報通知」の送付先も明記した返信用封筒を同封します
  • オンライン申請:法務省の「登記・供託オンライン申請システム」から申請可能。電子署名が必要なため、マイナンバーカードとICカードリーダーが必要です。書類は別途郵送が必要な場合があります

【申請書類のチェックリスト】①登記申請書 ②被相続人の連続した戸籍謄本 ③被相続人の住民票の除票 ④相続人全員の戸籍謄本 ⑤取得者の住民票 ⑥遺産分割協議書 ⑦相続人全員の印鑑証明書(3ヶ月以内) ⑧固定資産税評価証明書 ⑨収入印紙(登録免許税額分)

申請後、法務局での審査期間(通常1〜2週間)を経て、問題がなければ「登記識別情報通知」(旧権利証に相当)が発行されます。登記完了後は登記事項証明書(登記簿謄本)を取得して内容を確認しておきましょう。

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07 司法書士への依頼と自分で手続きする場合の比較

相続登記は自分で行うこと(本人申請)も可能ですが、書類の量が多く、戸籍謄本の収集や登記申請書の作成に慣れが必要です。状況に応じて司法書士への依頼を検討することも合理的な選択です。

  • 自分で手続きするメリット:司法書士報酬(5〜15万円程度)が不要。法務局の相談窓口や「登記相談」を利用すれば書類確認もしてもらえます
  • 自分で手続きするデメリット:書類収集に時間がかかる。書類の不備があると補正(修正)が必要になり時間がかかる。複数の不動産や複雑な相続関係の場合はミスのリスクがある
  • 司法書士に依頼するメリット:書類収集の代行・申請書作成・法務局への申請をすべて任せられる。不備なく完了できる確実性が高い。複雑なケース(相続人が多い・数次相続など)でも対応可能
  • 司法書士に依頼するデメリット:報酬が発生する(相場5〜15万円程度+実費)。司法書士を探す手間がかかる
  • 相談窓口:法務局では「登記相談」を実施しており、書類のチェックや申請方法の案内を無料で受けられます。日本司法書士会連合会のホームページから地域の司法書士を検索することもできます

相続人が1〜2人で不動産が1件のシンプルなケースであれば、自分で申請することも十分可能です。一方、数次相続(相続登記をしないまま相続人が亡くなっているケース)や相続人が多数いるケースは、専門家に依頼することで時間とリスクを大幅に削減できます。また、相続放棄の期限(相続を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述)や銀行口座凍結後の仮払い制度(1金融機関あたり150万円または預金残高×1/3のいずれか低い額まで)など、登記以外の手続きも並行して進める必要があるため、全体のスケジュールを見通した上で専門家への相談を検討してください。

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この記事のまとめ

  • 相続登記には①登記申請書②被相続人の連続した戸籍謄本③住民票の除票④相続人全員の戸籍謄本⑤取得者の住民票⑥遺産分割協議書⑦相続人全員の印鑑証明書(3ヶ月以内)⑧固定資産税評価証明書の8種類が必要
  • 2024年4月1日から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に申請しなければ10万円以下の過料が科される可能性がある
  • 登録免許税は固定資産税評価額×0.4%で、収入印紙を購入して登記申請書に貼付して納付する
  • 遺産分割協議書には相続人全員の署名・実印・発行3ヶ月以内の印鑑証明書が必要で、公正証書にする義務はない
  • 申請は不動産所在地を管轄する法務局に窓口・郵送・オンラインで行う。複雑なケースは司法書士への依頼も検討を

EDITORIAL TEAM

こもれび編集部 | 相続・諸手続き担当

監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム

本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。

最終更新日: 2026年06月25日

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