介護費用がない場合は「高額介護サービス費制度」「介護保険料・利用料の減免」「生活福祉資金貸付制度」の3つの公的支援をまず確認することが解決の第一歩です。これらの制度は申請しなければ自動的には適用されないため、知らずに自己負担を続けている家庭が少なくありません。

「親の介護費用が想定より高くて家計が苦しい」「貯蓄が底をつきそう」という悩みは多くの介護家庭が直面します。この記事では、介護費用の負担を軽減する公的制度、費用を抑える具体的な工夫、施設選びで費用を抑えるポイントまで、お金がない時にできる具体策を解説します。

この記事でわかること

  • 介護費用の自己負担を軽減する公的制度(高額介護サービス費・減免制度等)
  • 生活福祉資金貸付制度など、緊急時に使える支援策
  • 在宅介護・施設介護それぞれで費用を抑える具体的な工夫
  • 費用面で相談できる窓口一覧

★ あわせて準備したい

家計管理に役立つ家計簿・ノート

介護費用は変動が大きいため、専用の家計簿やノートで支出を可視化すると、どこを節約できるか見えやすくなります。

月4.4万円前後 高額介護サービス費の一般的な自己負担上限額
住民税課税世帯の目安
月平均8.3万円 介護に伴う自己負担額の平均
各種調査の傾向値
最大10万円 生活福祉資金貸付の緊急小口資金の目安
世帯状況により異なる

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01 介護費用の負担が重くなる理由

介護費用は「介護保険サービスの自己負担分(原則1〜3割)」に加え、食費・居住費・おむつ代・医療費など保険外の実費が重なることで、想像以上に高額になりがちです。

  • 要介護度が上がるほどサービス利用量が増え、自己負担額も増加する
  • 施設入居の場合、月額費用に加えて入居一時金が発生することがある
  • 働きながら介護をする家族は、介護離職により世帯収入自体が減少するリスクがある
  • 介護と仕事の両立で残業や転勤ができなくなり、昇給・昇進機会を逃すケースもある
  • 介護期間が長期化するほど、貯蓄の取り崩しが続き家計を圧迫する

さらに、要介護者本人の年金収入や資産で介護費用をまかなえるかどうかも重要な論点です。本人の資産状況を家族が把握していないまま介護を始めると、想定外の持ち出しが発生しやすくなります。早い段階で本人の収入・資産の状況を確認し、介護費用をどこから捻出するかの方針を家族で共有しておきましょう。

まず認識しておきたいのは、費用の悩みは家庭ごとに事情が異なり、画一的な正解がないということです。世帯収入、資産状況、要介護者の状態によって使える制度も変わるため、必ず自分の家庭に当てはまる制度を専門窓口で確認することが大切です。

「お金がない」と感じたら、まず現状の支出内訳を洗い出し、公的制度で軽減できる部分がないかを確認することが最優先です。多くの家庭が制度を知らないまま満額を払い続けているのが実情です。

また、介護費用の不安は将来の見通しが立たないことによって増幅されがちです。要介護度が今後どう変化するか、施設入居が必要になるタイミングはいつか、といった見通しをケアマネジャーと一緒に立てておくことで、漠然とした不安を具体的な計画に変えることができます。

【ポイント】介護費用の悩みは一人で抱えず、まず市区町村の介護保険担当窓口やケアマネジャーに相談しましょう。使える制度を教えてもらえます。

01 介護費用の負担が重くなる理由
写真: Vodafone x Rankin everyone.connected / Pexels

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02 高額介護サービス費制度で払い戻しを受ける

介護保険サービスの自己負担額が一定の上限を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。

  • 一般的な世帯(住民税課税):月額上限4万4,400円程度
  • 住民税非課税世帯:月額上限2万4,600円程度
  • 生活保護受給世帯等:月額上限1万5,000円

同じ世帯でも、複数の要介護者がいる場合は世帯単位で上限額が合算されるため、一人ひとり別々に計算するよりも有利になることがあります。世帯構成が複雑な場合は、自己判断せず窓口で試算してもらうと安心です。

上限額は所得区分によって細かく分かれています。申請しないと払い戻しを受けられないため、該当する可能性がある場合は必ず市区町村の窓口に申請しましょう。一度申請すれば、以降は自動的に口座へ払い戻される自治体が多いです。

高額医療・高額介護合算療養費制度

医療費と介護費の自己負担額を合算し、年間の上限を超えた分が払い戻される制度もあります。医療費もかさんでいる家庭は、こちらも併せて確認しましょう。申請窓口は加入している医療保険(国民健康保険や後期高齢者医療制度など)となるため、まずはお住まいの市区町村の担当課に問い合わせるとスムーズです。

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03 介護保険料・利用料の減免制度

災害や失業などで収入が急減した場合、介護保険料や利用料の減免を受けられることがあります。

  • 介護保険料の減免:災害・失業・収入の著しい減少などの事情がある場合、市区町村に申請することで保険料が減免される場合があります
  • 利用者負担の軽減制度(社会福祉法人等による軽減):低所得者に対し、社会福祉法人が運営する施設・サービスの利用料を軽減する制度
  • 特定入所者介護サービス費(補足給付):低所得の施設入所者を対象に、食費・居住費の負担を軽減

これらの制度は所得や資産状況によって適用可否が変わるため、まず市区町村の介護保険担当窓口に相談し、必要書類を確認しましょう。預貯金額など資産要件が設けられている制度もあるため、通帳のコピーなど必要書類を事前に確認しておくと申請がスムーズです。

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04 生活福祉資金貸付制度など緊急時の支援策

介護費用の支払いが一時的に困難な場合、以下の制度も検討できます。

  • 生活福祉資金貸付制度:低所得世帯・高齢者世帯向けの公的な貸付制度。緊急小口資金や福祉費として介護費用に充当できる場合があります。窓口は社会福祉協議会です。
  • 社会福祉協議会の相談窓口:家計全般の相談ができ、必要に応じて他制度への橋渡しをしてくれます
  • 自治体独自の助成制度:おむつ代助成、介護用品支給など、自治体ごとに独自の支援策があります。広報紙や市区町村サイトを確認しましょう。

「借金」に抵抗を感じる方もいますが、生活福祉資金貸付は低金利または無利子の公的制度です。民間の借入より先に検討する価値があります。

また、勤務先に介護休業給付金の制度がある場合、休業中の収入減少をある程度補うことができます。仕事と介護を両立している方は、人事担当者やハローワークに給付条件を確認しておくと、いざという時に慌てずに済みます。

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02 高額介護サービス費制度で払い戻しを受ける
写真: www.kaboompics.com / Pexels

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05 在宅介護・施設介護で費用を抑える工夫

制度の活用と並行して、日々の費用を抑える工夫も重要です。

  • ケアプランの見直し:本当に必要なサービスに絞り込み、過剰なサービス利用がないか確認する
  • 介護用品はレンタルを活用:車椅子・介護ベッドなどは介護保険でレンタルすれば購入より大幅に安く済む
  • 施設は費用の安い公的施設を優先的に検討:特養は入居金が不要で月額費用も抑えられる
  • おむつ・消耗品はまとめ買い・自治体助成を活用:自治体によってはおむつ代の助成や支給がある

費用を抑えることと介護の質を落とすことは別物です。不要な支出を削り、必要なサービスにお金を回すという発想で見直しましょう。

例えば、複数のデイサービスやショートステイの利用料金を比較し、送迎の有無や食費の設定が異なる施設を選び直すだけでも、月数千円単位の節約につながることがあります。ケアマネジャーに相談すれば、地域内の料金相場も含めて提案してもらえます。

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06 費用面で困った時の相談窓口

一人で悩まず、専門窓口に相談することが解決への近道です。

  • 地域包括支援センター:介護全般の相談窓口。制度の紹介やケアプラン見直しの提案をしてくれます
  • 市区町村の介護保険担当課:高額介護サービス費や減免制度の申請窓口
  • 社会福祉協議会:生活福祉資金貸付など生活全般の相談ができます
  • ケアマネジャー:費用面の悩みを伝えれば、負担の少ないサービスの組み方を一緒に考えてくれます

「お金がない」という不安を抱えたまま我慢を続けると、必要な介護サービスを削ってしまい、結果的に要介護者・介護者双方の負担が増えることがあります。まずは相談し、使える制度を一つずつ確認していくことが、長期的に介護を続けるための土台になります。

制度は毎年見直されることがあるため、一度確認して終わりにせず、定期的に最新情報をチェックすることも大切です。市区町村の広報紙やホームページ、ケアマネジャーからの情報提供をこまめに確認する習慣をつけておきましょう。

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この記事のまとめ

  • 介護費用がない場合はまず高額介護サービス費制度など公的な軽減策を確認する
  • 高額介護サービス費は所得区分により月額上限が定められ、申請すれば超過分が払い戻される
  • 収入減少時は介護保険料・利用料の減免制度が使える場合がある
  • 生活福祉資金貸付制度など、社会福祉協議会が窓口の公的な貸付制度も検討肢になる
  • ケアプランの見直しや福祉用具のレンタル活用など、日々の工夫で費用負担を抑えられる

参考・出典

※制度・料金は改正や地域差があります。最新の情報は各公式サイト・お住まいの自治体でご確認ください。

EDITORIAL TEAM

こもれび編集部 | 介護・シニアの暮らし担当

監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム

本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。

最終更新日: 2026年07月02日

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