実家の危険箇所の点検リスト|高齢の親の家を安全にする対策
実家の『危険箇所』の点検は、転倒・ヒートショック・火災の3つを重点に、家の中を場所ごとに見て回るのが基本です。高齢の親が暮らす家には、段差や滑る床、浴室の寒暖差、仏壇のろうそくなど、本人が気づきにくい危険がひそんでいます。離れて暮らす家族が定期的にチェックし、手すりやセンサーライトなどで早めに対策することが、大きな事故を防ぐ近道です。
親が高齢になると、若いころは何でもなかった家の中のちょっとした段差や暗がりが、転倒や大けがの原因になります。この記事では、離れて暮らす家族が帰省したときに確認したい実家の危険箇所の点検ポイントと、すぐにできる簡単な安全対策を、場所ごとにわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 実家の危険箇所を場所ごとに点検する方法
- 転倒・ヒートショック・火災のチェックポイント
- 手すりやセンサーライトなど簡単な対策
- 防犯・地震・水回りの劣化への備え
★ あわせて準備したい
まず取り付けたい安全グッズ
転倒や暗がり対策として、置くだけ・差すだけで使える人感センサーライトは手軽で効果的です。廊下や階段、トイレへの通り道に。
01
実家の危険箇所を点検する基本の考え方
実家の危険箇所の点検は、家全体をいちどに見ようとせず、場所ごとに区切って確認するのが基本です。
- 玄関・廊下・階段・浴室・トイレ・台所・寝室を順番に見る
- 「親が毎日通る道」「夜に動く場所」を重点的に確認
- 本人が慣れて気づかない危険を、家族の目でチェック
- 帰省のたびに同じ点検をして、変化に気づく
長く住んでいる親本人は、家の段差や暗がりに慣れてしまい、危険だと感じにくくなっています。だからこそ、たまに帰る家族の目が役に立ちます。とくに重点的に見たいのが、転倒・ヒートショック・火災の3つ。これらは高齢者の家庭内事故で重大な結果につながりやすいためです。次の項目から、場所ごとに具体的な点検ポイントを見ていきましょう。
02
転倒の危険を点検する(段差・階段・床・暗がり)
高齢者の家庭内事故でもっとも多いのが、転倒・転落です。家の中の小さな段差や暗がりが原因になります。
- 玄関の上がり框や部屋の境の段差につまずきやすくないか
- 階段に手すりがあるか、踏み面が滑らないか
- 廊下や床に電気のコード、新聞、敷物のめくれがないか
- 夜にトイレへ行く通り道が暗くないか
- 浴室やキッチンの床が濡れて滑りやすくないか
転倒対策は、お金をかけずにできることが多いのが特徴です。床に出ているコードは壁ぎわにまとめ、めくれた敷物は滑り止めを敷くか撤去します。段差には目立つ色のテープを貼って見やすくし、階段や廊下、トイレへの通り道には人感センサーライトを置けば、夜中でも足元が照らされて安心です。手すりは介護保険の住宅改修や福祉用具で費用補助が使える場合があるので、市区町村の窓口に相談してみましょう。
03
ヒートショックを点検する(浴室・トイレの寒暖差)
冬場、暖かい部屋から寒い浴室やトイレへ移動したときの急な温度差で、血圧が大きく変動して倒れるのがヒートショックです。入浴中の事故につながることがあります。
- 脱衣所や浴室に暖房がなく、冬に冷え込んでいないか
- 湯温が高すぎたり、長湯になっていないか
- トイレが家の中で極端に寒くなっていないか
- 浴室に手すりや滑り止めマットがあるか
対策の基本は、部屋と浴室・トイレの温度差を小さくすることです。脱衣所に小型の暖房器具を置く、入浴前にシャワーで浴室を温めておく、湯温は41度以下にしてお湯につかる時間は10分程度を目安にする、といった工夫が有効です。お湯をはるときにシャワーから給湯すると浴室全体が温まります。ひとり暮らしの親には、入浴前に家族へ一声かける習慣をつけてもらうと、万一のときに気づきやすくなります。
04
火災の危険を点検する(仏壇・コンロ・配線・暖房)
高齢者の住まいでは、火の元の管理が難しくなり、火災のリスクが高まります。火の不始末や電気配線が原因になります。
- 仏壇のろうそくや線香を、火がついたまま離れていないか
- ガスコンロの消し忘れがないか(消し忘れ防止機能つきか)
- コンセントがたこ足配線になっていたり、ほこりがたまっていないか
- 古い電気ストーブの近くに洗濯物や燃えやすい物がないか
- 住宅用火災警報器が設置され、電池が切れていないか
住宅用火災警報器はすべての住宅に設置が義務づけられています。設置から10年ほどで電池や本体の寿命が来るため、古い家では作動するか確認しましょう。仏壇は火を使わない電池式のろうそくや線香に替えると安心です。ガスコンロは火を消し忘れても自動で消える機能つきのものや、IHクッキングヒーターへの交換も検討できます。たこ足配線はやめ、コンセントのほこりは定期的に拭き取りましょう。
05
防犯と地震への備えを点検する(鍵・窓・家具固定)
高齢の親をねらった訪問販売や空き巣のほか、地震で家具が倒れてけがをする危険にも備えておきたいところです。
- 玄関や窓の鍵がきちんとかかるか、補助錠があるか
- 訪問者をすぐ確認できるドアスコープやインターホンがあるか
- 背の高いタンスや本棚が固定されているか
- 寝室や避難経路に、倒れて通れなくなる家具がないか
- ガラスに飛散防止フィルムが貼られているか
防犯面では、玄関に補助錠をつけたり、留守がちな空き家との違いを出すために夜間の照明を工夫すると効果的です。地震対策では、寝室の大きな家具を突っ張り棒やL字金具で壁に固定するのが基本。倒れた家具で出入り口がふさがれないよう、配置も見直しましょう。窓ガラスには飛散防止フィルムを貼ると、割れたガラスでのけがを防げます。火災・地震に備え、消火器や懐中電灯の置き場所も家族で共有しておきましょう。
06
水回りの劣化と日常の安全を点検する
築年数のたった実家では、水回りや設備の劣化も少しずつ進みます。放っておくと事故や大きな出費につながります。
- 蛇口や給湯器、配管から水漏れやサビがないか
- 排水の流れが悪く、床が濡れて滑りやすくなっていないか
- 古い給湯器やガス機器の異音・異臭がないか
- 冷蔵庫の中に古い食品がたまっていないか
- 賞味期限切れの薬や、飲み忘れがないか
水回りは毎日使う場所なので、劣化に気づいたら早めの修理が安心です。給湯器やガス機器は10年前後で寿命を迎えることが多く、異音や異臭があれば業者に点検を頼みましょう。冷蔵庫の古い食品や、飲み忘れた薬は健康に直結します。帰省のたびに中身を一緒に確認すると、親の暮らしぶりの変化にも気づけます。点検した内容はメモに残し、家族で共有しておくと、次の帰省や緊急時に役立ちます。
★ あわせて準備したい
火の元・地震への備えに
住宅用火災警報器は設置義務があり、古い物は10年で交換が目安です。家具を固定する突っ張り棒とあわせて備えておくと安心です。
よくある質問
Q. 実家の危険箇所はどこから点検すればいいですか?
A. 玄関・廊下・階段・浴室・トイレ・台所・寝室と、家を場所ごとに区切って順番に見るのがおすすめです。とくに親が毎日通る道や、夜に動く場所を重点的に確認しましょう。重大な事故につながりやすい転倒・ヒートショック・火災の3つを軸に見ていくと、もれなく点検できます。長く住む親本人は危険に気づきにくいため、帰省したときに家族の目でチェックすることが大切です。
Q. 転倒を防ぐために、すぐできる対策はありますか?
A. 床に出ている電気のコードを壁ぎわにまとめ、めくれた敷物に滑り止めを敷くか撤去します。段差には目立つ色のテープを貼って見やすくし、階段や廊下、トイレへの通り道に人感センサーライトを置けば夜も足元が照らされます。手すりの取り付けは、介護保険の住宅改修や福祉用具で費用の補助が使える場合があるので、市区町村の窓口に相談してみましょう。
Q. ヒートショックはどう予防すればいいですか?
A. 暖かい部屋と寒い浴室・トイレの温度差を小さくすることが基本です。脱衣所に小型の暖房を置く、入浴前にシャワーで浴室を温めておく、湯温は41度以下にしてつかる時間は10分程度を目安にするとよいでしょう。ひとり暮らしの親には、入浴前に家族へ一声かける習慣をつけてもらうと、万一のときに気づきやすくなります。
Q. 火災を防ぐために実家で確認すべきことは?
A. 仏壇のろうそくや線香の火、ガスコンロの消し忘れ、たこ足配線やコンセントのほこりに注意します。住宅用火災警報器はすべての住宅で設置が義務づけられており、10年ほどで寿命が来るため作動するか確認しましょう。仏壇は電池式のろうそくに替える、コンロは消し忘れ防止機能つきやIHにするなど、火を使わない工夫も有効です。
Q. 点検した内容は家族でどう共有すればいいですか?
A. 点検した場所と気づいた危険、対策の状況をメモやスマートフォンに残しておくと便利です。離れて暮らすきょうだいや家族と共有しておけば、次の帰省や緊急時に役立ちます。給湯器の交換時期や薬の管理、冷蔵庫の中身など、暮らしの変化も書き留めておくと、親の状態の変化に早く気づけます。気になる点は早めに専門の業者や市区町村に相談しましょう。
この記事のまとめ
- 実家の危険箇所は、転倒・ヒートショック・火災の3つを重点に場所ごとに点検する
- 段差や暗がりはセンサーライトや滑り止めで対策。手すりは介護保険の補助も確認
- 浴室やトイレの寒暖差を小さくし、入浴前に温める・長湯を避けることでヒートショックを防ぐ
- 仏壇の火・コンロの消し忘れ・たこ足配線に注意し、火災警報器の作動を確認する
- 鍵や補助錠で防犯、家具固定で地震に備え、水回りの劣化も早めに点検・修理する
EDITORIAL TEAM
こもれび編集部 | お役立ち情報担当
監修:終活・遺品整理の実務に詳しい編集チーム
本記事は公的機関の情報や一般的な実務をふまえて編集部が作成し、定期的に見直しています。内容に誤りがあれば編集部までご連絡ください。
最終更新日: 2026年06月22日


