「葬儀を執り行う」の言い換え表現7選|挨拶・案内状・連絡で迷わない使い分けガイド
「葬儀を執り行う」という表現を使おうとして、「この場面にはもう少し別の言い方が合うのでは」と迷われていませんか。挨拶文や案内状、職場や親族への連絡など、それぞれの場面でふさわしい言い換えがあるのかどうか、急いで調べている方も多いと思います。
大切な方を送る準備の中で、言葉選びに迷うのはごく自然なことです。特に喪主や連絡役を初めて務める場合は、正しい表現が分からず不安になるものですが、どうか焦らないでください。
この記事では、「葬儀を執り行う」の言い換え表現を7つ取り上げ、それぞれどんな場面で使うのが適切かを整理しています。挨拶、案内状、メールや電話での連絡など、そのまま使える文例もあわせてご紹介していますので、必要な箇所だけ読んでいただいても構いません。
社会福祉士として、ご家族の葬儀前後のサポートに関わってきた経験をもとに、生活の目線からわかりやすくまとめました。読み終える頃には、それぞれの場面に合った言葉選びができるようになっているはずです。
「葬儀を執り行う」の意味と、言い換えが必要になる場面
「執り行う」の意味をかんたんにおさらい
まず、「執り行う」という言葉の意味を確認しておきましょう。「執り行う」とは、儀式や行事を改まった形で実施するという意味です。「行う」に接頭語の「とり」がついた形で、格式や丁重さを強調したニュアンスを持ちます。
葬儀や告別式、法要、結婚式など、厳粛な場面で用いられる表現であり、日常会話ではまず使うことがありません。そのため、突然この言葉を使う場面に直面して戸惑うのは、ごく自然なことです。
なお、「執り行う」は敬語そのものではありませんが、フォーマルな場にふさわしい丁寧な言い回しとして広く使われています。この点を押さえておくだけでも、言葉選びの判断がしやすくなるはずです。
どんなときに「言い換え」が必要になる?
では、「葬儀を執り行う」の言い換えが必要になるのは、具体的にどんな場面でしょうか。
もっとも多いのは、喪主としての挨拶の場面です。通夜、告別式、精進落としと、それぞれ挨拶のトーンが微妙に異なります。また、案内状や訃報通知を書くとき、会社や職場への連絡、親族や知人への電話やメールなど、伝える相手や手段によって求められる丁寧さややわらかさのレベルも変わってきます。
同じ「葬儀をした」という内容であっても、公式な文書に書く場合と、親しい友人にメールで伝える場合とでは、ふさわしい表現が違うのです。
ご家族の支援に関わる中で見てきたのは、言葉選びに悩みすぎて連絡が遅れてしまうケースです。正しい表現を使いたいという気持ちはとても大切ですが、それよりもまず、相手に伝えることのほうが優先です。完璧な言い回しでなくても大丈夫ですので、安心してこの先を読み進めてください。
「葬儀を執り行う」の言い換え表現7選|ニュアンスの違いと使い分け
「葬儀を営む」──宗教儀式を伴う格式高い表現
「営む」には、仏事や儀式を行うという意味があります。「葬儀を執り行う」とほぼ同じ格式の高さを持ちながら、宗教的な儀式を伴う葬儀に特にしっくりくる表現です。新聞の訃報欄や正式な案内状でもよく使われており、目にされたことがある方も多いのではないでしょうか。
文例としては、「故○○の葬儀を、○月○日に営みます」のように使います。案内状や訃報通知、喪主としての挨拶など、改まった場面に幅広く対応できます。
「葬儀を行う」──汎用性が高くどの場面にも使える
「葬儀を行う」は、「執り行う」よりも一段やわらかく、それでいて十分に丁寧さのある表現です。フォーマルな文書から日常的な連絡まで、場面を選ばず使える万能型といえます。
文例は、「○月○日に父の葬儀を行いました」。会社への連絡、親族への報告、一般的な挨拶文など、どこに使っても違和感がありません。もし言い換えに迷ったら、この「葬儀を行う」を選んでおけばまず間違いはないでしょう。
「告別式を催す」──お別れの会やセレモニー寄りの表現
「催す」には「人を集めて会を開く」というニュアンスがあります。宗教色の薄いお別れの会や偲ぶ会など、自由な形式のセレモニーに向いている表現です。やや現代的な響きがあり、「故人を偲ぶ会を、○月○日に催します」のように使います。
ただし、伝統的な仏式の葬儀に対して使うと、少しカジュアルに感じられる場合もあります。葬儀の形式に合わせて判断されるとよいでしょう。
「葬儀を出す」「葬式を出す」──地域で使われる日常的な言い回し
「葬式を出す」は、関西地方や中部地方を中心に日常的に使われてきた言い回しです。口語的でやわらかく、親しい間柄での会話に自然になじみます。「○○さん、お父さんの葬式を出されたそうですよ」のように、第三者からの報告として耳にすることもあるかもしれません。
ただし、公式な文書や案内状にはあまり向きません。あくまで日常の会話やくだけた連絡で使う表現として覚えておいていただければ十分です。
「見送る」「最後のお別れをする」──気持ちに寄り添うやわらかい表現
「見送る」は、「葬儀」という言葉を直接使わず、故人との別れそのものに焦点を当てたやわらかい表現です。「○月○日、家族で静かに父を見送りました」のように、感情に寄り添った伝え方ができます。親しい友人や知人への報告、SNSでの訃報のお知らせなどにも使いやすい言い回しです。
ご家族の支援に関わってきた経験から感じるのは、深い悲しみの中にいる方にとっては、こうしたやわらかい言葉のほうが自分の気持ちに合うことも多いということです。
そのほかに知っておくと便利な表現
ここまでの5つ以外にも、知っておくと役立つ表現がいくつかあります。
「しめやかに執り行う」は、「物静かに、ひっそりと」という意味を添える表現で、家族葬や少人数の葬儀でよく使われます。「滞りなく執り行われました」は、「無事に問題なく終了した」という報告の定型表現で、葬儀後の挨拶状で目にすることが多いでしょう。
「弔う(とむらう)」は、故人の死を悲しみ、冥福を祈るという意味で、「故人を弔う」のように使います。「挙行する(きょこうする)」は、公式に行事を行うという意味があり、社葬や大規模な葬儀で用いられる表現です。
これらは単独で使うというよりも、メインの表現に添えるかたちで使うと自然にまとまります。
一目でわかる「場面×表現」対応表
ここまでの言い換え表現を、使う場面ごとに整理しました。
| 使う場面 | おすすめの表現 | 丁寧さ |
|---|---|---|
| 案内状・訃報通知 | 「執り行う」「営む」 | ★★★ |
| 喪主挨拶(公式) | 「執り行う」「営む」 | ★★★ |
| 会社・職場への連絡 | 「行う」「執り行う」 | ★★☆ |
| 親族への電話 | 「行う」「見送る」 | ★★☆ |
| 親しい友人への連絡 | 「行う」「見送る」「葬式を出す」 | ★☆☆ |
| 葬儀後の報告 | 「滞りなく営む」「見送る」 | ★★☆ |
場面ごとに最適な表現は異なりますが、迷ったときは「葬儀を行う」を使っておけばほぼ間違いありません。どの相手に対しても失礼にならず、十分な丁寧さも備えた表現ですので、安心してお使いください。
そのまま使える場面別文例集|挨拶・案内状・連絡
喪主挨拶で使える文例(通夜・告別式・精進落とし)
ここからは、実際の場面でそのまま使える文例をご紹介します。まずは喪主挨拶です。
通夜の場では、「本日はお忙しい中、父○○の通夜にご参列いただき、誠にありがとうございます。明日の告別式は○時より○○にて執り行いますので、ご都合がよろしければご参列いただけますと幸いです」のように伝えるのが一般的です。
告別式では、「本日は○○の葬儀にご会葬いただき、心より御礼申し上げます。おかげさまで、滞りなく葬儀を営むことができました」という形が定番です。
精進落としの席では、「おかげさまで、無事に葬儀を終えることができました」とシンプルに述べるだけでも十分丁寧です。
これらはあくまで「型」ですので、そのまま使っていただいても構いませんし、ご自身の言葉で故人への想いを一言添えると、より気持ちの伝わる挨拶になります。現場で多くのご家族を見てきましたが、完璧な挨拶である必要はまったくありません。メモを手に持ちながら読み上げても、失礼にはあたりませんので安心してください。
案内状・訃報通知で使える文例
案内状や訃報通知を作成する場合は、以下のような文面が参考になります。
訃報通知の例としては、「○○○○儀 かねてより病気療養中のところ ○月○日に永眠いたしました 葬儀は下記の通り営みます」という形です。
家族葬で参列をお断りする場合は、「誠に勝手ながら 葬儀は近親者のみにてしめやかに執り行います」と記載するのが一般的です。
ひとつ注意しておきたいのは、葬儀に関する文書では句読点(「、」や「。」)を使わないのがマナーとされている点です。ふだんの文章とは違うため戸惑うかもしれませんが、覚えておくと安心です。
なお、案内状の文面で悩みすぎる前に、葬儀社の担当者に相談してみてください。多くの場合、定型の文面を用意してくれますので、ゼロから自分で考える必要はありません。
会社や知人への連絡で使える文例
会社への連絡は、簡潔に事実を伝えることが大切です。「私事で恐縮ですが、父が○月○日に他界いたしました。葬儀は○月○日に行う予定です」と、日程を明確に伝えましょう。忌引き休暇の日数確認もあわせて行っておくと、あとからの手続きがスムーズです。
メールで連絡する場合は、「突然のご連絡失礼いたします。○月○日に父が永眠いたしました。葬儀は家族のみで静かに見送る予定です」のように書くと、丁寧さとやわらかさのバランスが取れます。
親しい友人には、もう少しくだけた表現でも問題ありません。「父が亡くなりました。○日に家族で見送りました。落ち着いたらまた連絡します」と伝えれば、相手にも状況と気持ちが十分伝わります。
葬儀のあと、家族が「次にやること」を知っておくと安心です
葬儀後に必要な手続きと届け出の全体像
葬儀が終わると、ほっとする間もなく「次は何をすればいいのだろう」という不安が出てくるかもしれません。やるべき手続きはいくつかありますが、すべてを一度に片づける必要はありません。まずは全体像を知っておくだけで、気持ちの余裕が変わってきます。
時系列でお伝えすると、まず7日以内に死亡届の提出と火葬許可の申請が必要です。これは多くの場合、葬儀社が代行してくれます。次に14日以内を目安に、年金の受給停止届や健康保険の資格喪失届を行います。そのあとは、遺言書の確認や相続人の確定、預貯金の手続きといった相続関連の事項が続きます。公共料金の名義変更や解約、生命保険金の請求なども、落ち着いてから順番に進めていけば大丈夫です。
葬儀直後のご家族は、心身ともに疲れ切っていることがほとんどです。こうした手続きを一覧にして「やるべきことが見えている」状態にしておくだけでも、漠然とした不安はかなり軽くなります。
実家の片付け・遺品整理は「無理をしない」が大切
葬儀が終わると、次に浮かんでくるのが「実家をどうするか」「遺品をどう整理するか」という問題です。ただ、これもすぐに取りかかる必要はありません。四十九日を過ぎてから、気持ちが少し落ち着いた頃に取り組み始めるご家族が多いです。
もし物の量が多い場合や、実家が遠方にある場合、体力的に厳しいと感じる場合は、遺品整理の専門業者に相談するのも現実的な選択肢です。業者を選ぶ際は、必ず複数社から見積もりを取ること、遺品整理士などの資格保有や実績を確認すること、貴重品の取り扱い方針を事前に聞いておくこと、そして料金の内訳が明確に説明されるかをチェックしてみてください。
「安さ」だけで選ぶのではなく、故人の持ち物を丁寧に扱ってくれるかどうかも、大切な判断基準です。当ブログでは遺品整理業者の選び方や生前整理の進め方についても詳しくまとめていますので、気になる方はあわせてご覧ください。
一人で抱え込まないでください
葬儀の準備から手続き、遺品整理まで、すべてを一人で背負う必要はありません。地域包括支援センターや市区町村の福祉窓口は、こうした暮らしの困りごとについても相談に乗ってくれます。兄弟姉妹や親族と役割を分担するだけでも、精神的な負担はずいぶん軽くなります。
この記事を読んで言葉の準備ができたこと自体が、もう大切な一歩です。葬儀もその後のことも、一つひとつ進めていけば大丈夫です。どうかご自身のペースで、無理なく進めていってください。
